二章 ヴァンパイアハンターはヴァンパイアに出会わない
独白1
死にたくない。あの夜、俺はそう願ったのだろうか。今となっては思い出せない。
ただ、覚えているのは。
「は、これは珍しいな。人の子、それも――か。」
月よりも輝く金の髪、こちらを値踏みするかのような紅い瞳。幼いながらにそれが人と異なるものだということ位は分かった。
「――。」
その時、自分が何と言ったのかは分からない。ただ、それまで険しい顔をしていた何者が優しく微笑んだような気がした。
「よい。人の子よ、我が居城へ来るか?」
ゆっくりと優しく、それでいて威厳ある声音。それに対して俺は何と答えたのか。その答えは考えるまでもない。今の俺があること、それが答えそのものだ。
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