聖夜のLily Trap

あとがき＆アナザーエンディング

こんにちは。

クリスマスということで、ありま氷炎様の企画（2014年参加）のものを掲載いたしました。

甘めのガールズラブをお楽しみいただけたでしょうか。

タイトルのLilyは東雲ユリの名前、Trapはユリが仕掛けた周到な「陽菜のハートをゲットだぜ！作戦」でした。

さてあとがきということで。

今回の主人公は女子高生、ということでお相手の女の子は幼馴染、と言う設定でした。

陽菜ちゃんが大好きな幼馴染に徐々に落とされていく、っていう筋書きでしたが、陽菜の内面をいかに「徐々に」変化させていくか、に結構苦労しました。

でもうまく女の子が恋に落ちる（落とされる）までの心情を描けていたようでよかったです。

もともと設定では、陽菜の頭が悪くて、対照的にユリはめっちゃ頭がいい、みたいなところまでは決めてたんですが、陽菜は喧嘩も強くて不良で、なんてところも考えていましたが没にしました。陽菜はもっとピュアな感じでいて欲しかったので。

ユリについては腕っぷしを披露はできませんでしたが、ユリの実家が道場だっていう設定も実はあったりで、ちょこっとだけですがセリフの中で設定を生かすことはできました。

ラストシーンは、実はもう1案ありました。

告白してファーストキスを交わした翌日、2人で撮ったキスシーンの写真をこっそり授業中に見て、思い出しながらニヤニヤしていると不意に授業で指名されて、しどろもどろで何も答えられずに怒られる陽菜。

しゅん、となって座るとユリからたしなめられる。

ただちょっと性的な匂いがあるので避けたんですが…掲載しちゃいます。

以下、こんな感じです。

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没になったラストシーン

キスの翌日

「…はぁ…怒られた～！あ、あとで職員室に来いだって…」

「…まったく。そんなのを授業中に見てるからでしょ」

「だ、だって嬉しくてつい…」

「ただでさえ赤点多いんだから気を付けないと、もう」

「で、でもねユリ、う、嬉しいもん」

「ふふふ、可愛いわね。でも陽菜が留年するのは哀しいわ」

「う！…あ、そ、そうだユリもよそ見してたの見たよ！？」

「あら？よく私のことみてるわね。ふふ、そんなに私に夢中？」

「も、もうユリったら！ゆ、ユリだってき、きっとわ、私のこと考えてたりしたのかなーって…」

「うーん…ふふ、そうね。そうとも言えるわ。」

「もー、もったいぶって。私のこと好きなくせに」

「えぇ大好きよ。授業中もよそ見して深く考え込んじゃうくらいに、ね」

「え？ど、どういうこと？」

「ふふ…未来の可能性について―深く考察していたのよ。」

「え？そ、それってどういう―？」

「おしえない。私からのクイズよ」

ユリがひらり、と踊らせた一枚の写真に写る―私とユリが、口づけを交わす写真。

すぐにしまったユリは、またいつものように得意げな瞳を浮かべて微笑んでいる。

ユリの言う未来の可能性って…ま、まさか！

それに気づいて顔がかぁーっと赤くなってくる。

「ふふ…もし正解できたら…そのときは、ね。」

ユリが、私のあごをくぃ、と細長く、綺麗な指先で持ち上げる。

頭一つ高いユリと、視線が合う。

潤んだような瞳で見つめられて、キュンと胸が締め付けられる。

少し赤くなったユリが、こう続けた。

「…『ご褒美』、あげる。」

「―！！！」

桃色の吐息が私にふぅっと吹きかけられて、ぽぅっとしながらも―

そのご褒美が、どうしても欲しいと思ってしまう私。

やっぱり、最近、どこかおかしい。

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ってな感じです。

ちょっとユリが肉食系過ぎたので止めました（笑）

メリークリスマス！