第拾弐幕 零落
目の眩むような目映い光の飛沫。その中心部で蓮と翳は互いにお地蔵様を支える。すぐに校舎を揺るがす衝撃が加わり――中庭全体に亀裂が走った。そんな亀裂の隙間から、蒼と白が絡み合った光が宙に集い――稲妻のように収束され、鵺の躰を一瞬にして貫いた。
腐蝕していた躰はいとも容易く侵蝕され、鵺は哀れな悲鳴をあげながら教室棟に叩き付けられた。瓦礫とともに肉片が周囲を穢し、穿たれた躰に残る力で四肢を狂ったように天へと伸ばした鵺は、現世への完全復活が叶う前に存在をやめた。かつて自身を封印させた一族のことも、今まさに自身を封印へと誘った人間たちのことも忘れ――虚無に染まった。
連鎖した地響きによって地面は大口を開けた。霧の翼をもがれ、地に堕とされた災厄の禍津陽は自らの巣とともに永久の闇に送り返された。
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