第7話感情の平板化

統合失調症になるとよく現れる症状に「感情の平板化」がある。

能面を付けたように、感情の表現が消えてしまう。

喜怒哀楽が表情で分からなくなるのである。

実際、おばあちゃんが亡くなった時、出棺の際周りは泣いたり、涙を浮かべていたが、僕は涙が出なかった。

悲しいのだが、上手く表現が出来ない。

こんなに、悲しいのに。


だが、40を越えた辺りから涙もろくなってきた。子供が頑張って姿やテレビのドラマで涙が出る。

もしかしたら、平板化がゆるくなったのかも知れない。

YouTubeで、小学生の卒業式を見るとアウトだね。

涙が止まらない。

今年度、息子は小学校を卒業だが、果たして涙が出るのだろうか?ハンカチはタオル生地のモノを持って行くとしよう。


だが、まだ、怒りや喜びの感情表現は難しい。

少しずつ、人間らしい表情を見せることが治療の課題である。

僕は優しそうな顔をしているとよく言われるが、そうだろうか?

弱いは優しさに見える。僕は優しくない、ただ弱いだけである。

3月、校門で息子と笑顔で卒業式の写真を写してもらいたいなぁ。

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