第3話 一握の光る砂

 ……『光輝く何か』の荘厳そうごんさは、確かに認めよう。


 しかし! いくら何でもゆっくり過ぎじゃないの!?


 そろそろ、朝を表現する『チュン、チュン』というスズメの鳴き声が聴こえ始めた。


 ……と! 光の階段から光の砂がサラサラとこぼれ落ち、あっという間に崩れ去るように消えてしまった!


「あっ! ちょっ! 待てよ!」……と手を伸ばすが、ホンの一握りの砂だけが手の中に残っただけで、全て消え去った……。


 ……僕の渾身の雄叫びだけが、土手に響いた……。


 


 はい……こうして、一晩ひとばん無駄にしましたとさっ。 ←やけくそ

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