第2話 なにぃ? 『冬はつとめて』……だと?

 全員がそうでは無いかも知れないが、朝は眠いし、かったるい ……寒い日は、特にそうだ。……と思う。


 そんな朝、時間の節約をする為、僕は制服を着たままで寝る。 ……さすがに真っ黒なコートや詰め襟を着たままでは、布団や毛布の毛だらけになってしまうので、それは部屋のドア近くにハンガーでかけておき、自室を出る時に羽織ればOK!


 朝は、食事にも気を付ける。 一秒でもズレると、電車に乗り遅れるからだ。


 ところが母は、僕の身体を考えてだろう、朝食は特に気を遣って料理をしてくれる。


 今朝は、ご飯、アサリのお味噌汁、目玉焼き、魚の切り身、味付け海苔、一塩ひとしおの野沢菜、牛乳……からの〜、明るい笑顔の「おはよう」の挨拶だ。



 しかし、朝は味も良く判らないし、何より通学中、ラッシュの電車内や駅でトイレに行きたくなるのが嫌なので、ゼリー飲料でササッと済ませて家を出る。


 母は、全く手付かずの朝食を……悲しく処分する事になるのだ……。



 なあんてね!


 ……僕だって鬼じゃ無い……。 そんな可哀想な事、出来ないよ! ……それに『食べる』VS『食べ無い』で口論する時間そのものが、全く無駄な時間だ。


 ……なので母に……「うわあ! 美味うんまそお〜! いっただっきまあ〜す!」と言って、嬉しそうに残さずたいらげ……母に感謝の「ごちそうさまあ〜」を言って、家を出る。


 そして、通学途中の駅で催し、混んでるトイレ待ちをするのが日課になっているのだ。

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