第13話 和平講和


取り敢えずブルーさん達に連絡して物資を運んでもらおう。

流石王女だ、テキパキと指示し業務をこなしていた。

僕達も戦後処理するまではいてほしいと言われて滞在している。

国王軍、反乱軍と僕達は話し合いをした。

国王にしろ、反乱軍党首にしろ操られていた。

僕は「どちらも責任はあるのではないか?

この国の民のためにどうするべきか、考えてほしい」と言い、

王女は「私は王族の責任を取ります。王位を剥奪し翼さま達と共に参ります」と言った。

僕は呆気に取られていたが、隣ではみるみる顔が茹でタコの様になった佳音がいた。

女の子同士何か通じ合うものがあったのだろうか?

他の3人は笑っていた。

王女は続けた「共和制にし第1期大統領はノーブルにしたいと思います。みなさん彼女は王国でも、反乱軍でも悪いものは悪いと、正き道を進んだはずです。まだ此れからは復興など共に手を取りやらなければなりません。共に顔が効くノーブルが良いと思います。復興が完了するまでにどの様にするか決めて次の大統領を決めれば良いと思います。」

いや王女がやれよそれだけ頭回るならこの国を思うなら。

きっとここにいる誰もが思っているよ。

ノーブルは「王女さま、何をおっしゃっているのです?適任は王女さまだとおもいますが」と言ったが

「あら?先程話した通り父の責任を取って王女を返上しました。ただの旅人ですので、これで失礼しますわ?さぁ翼さま、旅立ちますわよ」

と言って僕の腕を引っ張った。

護は不満そうだ。

僕は「護、彼女は復興が終わったら、きっと王女を追っかけてくるさ、それにまたこれば良いじゃないか」

「そうだな、遠距離恋愛じゃなくて遠距離片思いだな」笑いながら泣いていた。

「そうだね」としか言えなかった。


ギルマスに報告がてらホールドに戻るか



旅の途中で姫の能力と連携確認しながらホールドの街に着いた。


ギルドの扉を開け、ギルドマスターに取次ぎを依頼して、案内された。

ギルマスは泣きながら御礼を言っていた。

妹の事はしょうがないと言ってくれたが、やはり助けれたかもしれない思いもあって辛かった。


辛い旅だったと高い丘の上で体操座りしていた。

佳音は僕の様子がおかしいのがわかっていたらしくこっそりつけていた様子だった。


そっと背中と背中を合わせて同じように体操座りして、何も言わなかった。


「一人で抱え込まなくてもいいんだよ、泣きたい時は泣いていいんだよ」

「そうだね、有り難う」

僕は泣いていた。

何が悲しかったんだろう

何が辛かったんだろう

僕は英雄と名があるだけでなんと無力なんだろう。

人の悲しみの分だけ僕は背負っていかなくてはならない。

英雄って、悪がいてその人が人を傷つけ、悲しい人が多いほど賞賛される。

悲しみの上に立っている男なんだと。


後ろを向いていた佳音がそっと後ろから抱きしめていた。


更に遠くから見守る影があった。

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