第10話  反乱軍襲撃


索敵に引っ掛かった。

別の部隊の様だ。

怪我人を中央に集め佳音を中央に配置。

後方が心配だが、他のみんなも疲労困憊だ。

後方にいた蒼き蒼海が一番疲労していない。

とはいえ魔力はそれなりに消費している。

回復薬ポーションや魔法回復薬エリクサーを使い回復に努める。

後方から火の手が上がる。

今度は問答無用か!

手の内を隠していられない。

剣は分身のように剣以外に剣だけで5本自動で動いている。

爆は別々の杖から自動詠唱で次々に撃っている。魔力が尽きるまで撃ち続けるんだろうな。

護の特殊武器は佳音を自動で守っている為、1人の戦士として、走り回っている。

僕は敵のボス目掛けて走り出していた。

走りながらすれ違う敵を斬り払いながら、進んで行く。

突然何かが飛んできた。

屈みながら避けて、右に跳んだ。

木の陰に隠れたそばから、それが跳んできた。木がスパッと切れ倒れる。物は見えなかった。

カマイタチのような攻撃だなと感じつつ、僕はステータスは高いが攻撃にしても、魔法にしてもスキルがない。悔しい、何が英雄だ、みんなを助ける力がないのか?

「うぉお」と大きな声を上げた。

気づいた敵が沢山近づいて来た。

大将目掛けて思いっきり剣を振り抜いた。

ただ僕は自分の鼓舞を上げる為にやった行為だった。

大地は割れ、目の前にあった木々は倒された。

なんだ!と自分でも何が起きたかわからなかった。

敵の大将には外れたようだ。

巨大なカマイタチのように飛んで行った感じだった。

珍しく頭の上から声がした。

「英雄のスキルは人の思いが強さなんだ。本当に助けたい思い、悔しさ、悲しさ、求める強さが具現化するんだよ」

「だからスキルの概念がないと?」

「そうだよ」

モフモフは久しぶりに話しかけて来た。

僕は大将に目掛けて再び走り出した。

副将らしい2人に阻まれた。

大将交え三体一の構図だ。爆の魔力が尽きたのか、久しぶりにデスマーチを放っていた。

しかし、僕も苦戦していた。今までが楽だっただけなんだけど、剣術とかまるで無視の戦いだった速さでなんとかなった。今回は違う意外にもついてこられる。心が焦っていた。それが、剣筋にもでていたのだ。

後方から、敵陣に突っ込んでいく騎士がいた。奇襲を受ける形になった敵陣は総崩れになった。

また後方部隊も、敵を殲滅して前衛へ支援しだした。

僕は「もう、大丈夫だ」と独り言を呟き自分を落ち着かせた。

さっきまでは焦りなどで目が曇っていたようだ。敵の動きがよく見える。

「さっきとは別人か」と大将が叫んだ時には、副将2人を切り捨てていた。

「チィ」と舌打ちしたその時には大将は真っ二つになっていた。

反乱軍を壊滅した。支援してくれた、騎士がこちらに来た。

「私の名前は、ノーブルと言います。」ショートヘアの美人系だ。

後ろで護が挙動不審だ。

一目惚れでもしたのか?美人だからな。

僕も見惚れてしまう。でも僕には何故か心臓を刺すような視線を浴びている気がして、あまり見ることができない。

「怖い」とボソリと独り言を呟いていた。

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