第9話  王国軍来襲

今日は雨の朝か。

「こっちに来てこんなに激しい雨は初めてだな。」

「雷とかも鳴るんですね。」

なんか背筋が走る、嫌な予感しかない。

こんな天候は、奇襲日和だ。

織田信長も雨の日に川を上り、桶狭間にて今川義元の首を取ったと言う。(諸説あり)

雨で蹄の音が消えるからだ。

僕はカノン達に指示をだした。

索敵範囲拡大だ。

やはり結構の数が此方に向かっている様だ。

全部隊に報告し準備を進める。

宿にしていた場所から崖を背に崖の上には佳音と護、そして蒼き蒼海に崖の上の死守及び、上部からの魔法攻撃のためだ。

正面、最前列には銀盾その後方に黒の漆黒

右翼には赤き赤刀、左翼には青き蒼槍

部首で言うとなべぶただ。

中央には僕、右翼には剣、左翼に爆を配置。

此方は準備万端だ。

そうこうしているうちに、王国軍が来襲してきた。

律儀に「ヤァア、ヤァア我こそは、王国騎士軍団長ハードックなり、その積荷我が王国に運ぶ物なら私達が運ぼう。反乱軍の物ならば、反抗せず積荷を置いて行けば命は取らぬ。3分時間をやるから返答を求める」

おいおい、3分も時間をくれたら詠唱唱えて全滅させれるぞ。

てか、いつの時代だよ名を名乗るとか、なんか王国=悪のイメージが強いが、こんな奴がいると本当かと思う。

僕は、「これは、王国でも反乱軍の物でもありません。商売用です。ですからわたすことはできません」

「そうか、このまま引き返すなら何もしない。このまま先に行くのならばその積荷を国王の名の下に没収しなければならない。何故ならば、反乱軍に渡れば国民が更に苦しむことになる。それは阻止しなければならない。」

しかし、本当に愚直な男だな。

「どうしても、道を譲ってくれないという事ですか?」

「済まぬが、そう言う事だ」

「ざっと2000対30だが、此れで勝てると思っているのか?お前たちの兵の居場所把握しているぞ」

何故此方の兵数がわかっているのだ。現状100人くらいしか出していないのにだ。

引きつった顔のまま、「何を馬鹿なことを」

「じゃあ、一つ試してみよう」

頭の中で「佳音、補給部隊を頼む」

佳音は「はーい」と言って魔法を放った。

遠くで爆煙が上がった。

騎士団長に伝令が走る

「伝令です」

「どうした。あの爆煙は?」

「補給部隊が、全滅しまた。」

「何だと、只でさえ食料がないと言うのに」

「全軍突撃」怒り狂った声で命令した。

しまった、作戦ミスか。補給部隊倒したら帰ると思ったら、怒り狂った。地の利がある癖に何で向こうが背水の陣で怒涛の攻撃をしてくる?

何も作無しに攻めて来たら楽だけど。

「迎え撃て」と声を上げ応戦する。

僕は「兵は、任せる」と声を掛けて、ハードックの元へ跳んだ。

「おい、止めろ何故無駄な戦いをする」

「お前達が、食糧を焼いたからだ。今は国民が食べる食糧すらない。それをお前達が、焼いたんだ。だからお前達の食糧を頂くしかない。」

「じゃあその食糧分渡したら引くのか?」

「もはや、無理だ。もう止まらぬ」

「何故だ⁉︎」

「ならば何故お前はここまで気遣う?敵だから全滅させれば良いではないか?」

確かにそうだ。何故なんだろう、この人は殺してはいけない気がするんだ。

「私の命取らなければ兵は引かぬのだ、止めたければ私を殺せ」

「何故か殺されたいと願っている感が否めないが、すみません」何故か謝ってしまった。

一瞬にして首を跳ねた。

微かに有り難うと聞こえた気がした。

よく見ると、奴隷紋の様なマークがあった。

操られていたのか?

よくわからないな。まぁ今更どうしようもない。

僕は怪我人の手当てなど指示した。

殺戮しか意識を持たない敵を相手にすると此方もそれ相応の被害を覚悟していかなければならない。

今回は死人が出なくて良かったが、もし反乱軍に賢い奴がいたら、いや僕が相手なら狙うは今か?

いけない、こんなこと考えてたらフラグが立つ…

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