第8話  夜襲

しばらく経ったある日の夜。

盗賊もでず、油断しだした頃その時はきた。

夜襲だ。今回の襲撃場所は馬車を中心に冒険者が周りを守る形だ。

僕は縦列になって守る方が嫌だ。端から端まで移動するのが大変だ。

円で守れば一周すれば良い。こっちの方が効率的だ。

敵からすれば複数の場所から攻撃できるから各個撃破でよい。

僕は他の4人を起こし配置に就かせた。

輸送隊のメンバーの命優先

敵が配置についた頃此方はまだ全員攻撃体制になっていなかった。体制が整っていないパーティーに剣と爆そして僕が加わる。

はっきり言ってこの一人一人でBランクパーティーに負けないと思っている。

盗賊の大将の合図で一斉に攻撃が開始した。

輸送隊に火矢が飛んで来る。

全てを佳音が防ぐ。優秀だな、あの盾。

よく見たら剣も何やら分身の様に攻撃してるけど何?

爆は魔法を連続でなく同時に別々の魔法をぶっ放してるけど!

今まで自分の事しか見てなかったな!

反省、反省だ。

しかしなんでこんなに大人数の盗賊がいるんだ?

しかも連携は皆無だ。

連携はないわけではない、方面毎にはある。

ただ全体には無いという事だ。

あらかた終わったので元の場所に戻って応戦に入った。

護もいるから負けることはないが、他のメンバーに比べれば護は守る方に特化している分攻撃は弱い。あくまで他のメンバーと比べればだ。

僕は盗賊の大将の首を跳ねた。

「大将の首は取った。まだやるのか?」と大声で叫んだ。

他の生き残った少数の盗賊は逃走した。

何百人の死体があるから、血生臭く寝にくい。

土魔法で穴を開け死体を全部入れ土葬した。



朝起きると他のパーティが密談していた。


ブルーさんが僕に話してきた。

「配置の変更したい」と話してきた。

別に良いですが、どうするのですか?

「君達の五人を中央に置きたい。そうすれば他の何処で何が置きても対処できる。君達の実力を見誤って申し訳ない。できればリーダーもやってほしい」

僕は少し考えて

「分かりました。中央に行く事は理に適っているので、お受けしますが、リーダーについてはお断りします。自論ですが、リーダーは常に戦局を見極め適切に周りを動かし行動しなければなりません。しかし僕は最前線に居ます。なので、常に真ん中にいるブルーさんが適任だと思います。此れからは佳音もブルーさんの近くにいると思うので、僕の考えも伝わると思います。」

「確かに翼君は遊撃してもらった方が良いかもしれない。それでどうだろうか?」

他のパーティーも異論ない様だ。

はっきり言って僕達には経験がない。それだけは他のパーティーに絶対に劣る事だ。


ある国の近くまできている様だ。

此れからは国王軍、反乱軍が分からず攻撃してくる可能性があると言う。

なんで?と首を傾ける

国王軍は分かるが反乱軍は輸送隊が来る事が分かっているだろうに。

「それが、内密なんだ。どちらも輸送隊を襲い物資だけを取っていくんだ。」

「じゃあ死ねってことか?」誰かが呟いた。

「反乱軍とは暗号を一応決めてあるとのこと、しかし多少の血は流れるかもしれない。輸送隊に隠れて国王軍がいたり、その逆もしかりで疑心暗鬼になっているんだ。」

無茶苦茶だ。

まだ僕達はその戦いは先の事と思っていた。

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