レシピと話

@meiko_398

鶏肉とねぎの味噌焼き

むね肉…100g

みそ…大さじ4

みりん、酒…大さじ1½

まずはむね肉と調味料をポリ袋に入れ揉み込む。この間に少し考え事をしようと思う。議題はそうだな…。名付けて"人との触れ合い方"とでも言っておこう。

人間関係というのは悩んでも悩みきれない事だと思う。周りと違う性格をしてたら無論合うところも少ない。逆に皆同じ性格をしてたら、それはそれで怖い。だがなぜ、こんなにも難しいことに悩まされ生きていかねばならないのか。最初にハッキリ言っておこう、結論はこの物語には出てこない。そうだ、言うのを忘れていたが、ネギは最初に焼き目を付けておくと美味しくなるぞ。

しっかり鶏肉を揉みこんだら、いよいよ焼いていく。焼いている間に先程の考え事を続けよう。

表面上、人は人と上手く付き合わなければ生きるのは難しい。だが決して人が嫌いな訳では無い。生きてきた中で気が合う友人に巡り会えたり、運命の相手を見つけられたりする。そこで私は一つ考えた。一度巡り会えた友人やパートナーとずっと居ればいいと。言いたいことは分かってる。そんなに人生は甘くないし、そう易々と物語を進めることなど出来やしない。嫌な友達を切り捨て、好んだ人のみとの付き合いをしてれば、いずれか周りから人がふつふつと消えていく。ここである実体験をひとつ話そう。

あれは私が14の時だ。いや、13だったか。はたまたもっと昔だったか。ある仲のいい友人がいた。友人Aと呼んでおこう。その友人Aとは毎日遊ぶ仲でほとんどの時間を一緒に過ごした。だが成長するにつれお互いの時間を取れなくなってくる。関係が解れないように上手く時間を取り、友情に力を注いだはずだった。取れなかった時間の合間に友人Aは自分よりも親しい友達を見つけてた。そこまでは別に気にもしなかった。遊びに連れて行ってもらおうとして声をかけたら無視をされて初めて、自分は"部外者に成り下がった"と気づいた。「自分はこう思っていたのに」「自分が1番だと思っていたのに」

裏切りというのは案外身近なものにあるのかもしれない。小さい心にとってその出来事は包丁で指を切ってしまったことに等しい。人は成長していく。その成長の過程で何が起きて、何を見て、何を感じたのか。結局、どういう人間になるのかは環境的要因が9割を閉めていると思っている。おっと、ネギを焦がしてしまった。

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