第1話「消えたおとぎ前線」②

※[お詫び]セリフのみで簡単な状況説明やルビと傍点などは今のところついていません。


大雷:「あら…消滅しちゃったわね!これは完全に壊れちゃった…(※しばらく間をあける)まあ、3年も強引にこじ開けてたんだから仕方ないわ!さあて…。これからどうしようか…。(※しばらく間をあける)蕃神の侵攻も妹達に任せてしまったし…。なかなか私の出る幕はないか…。そういうつもりで動いてはいただんけど…。とりあえずは”ウカノミタマ”ちゃんのところに話に行ってこようかな!」



ウカノミタマ:「オ、大雷様…。わらわたちの“おとぎ前線が”…。”おとぎ前線”が…。」


大雷:「(※申し訳なさそうに)ゴメンね。でも…し、心配しないで!消滅してしまったのは確かに私が、3年も強引にこじあけていたのが原因なんだけど…。お詫びに新しくつくるから…。場所はもう商店街内は無理よね…。3年の間…あなたの子達を預からせていただいたけど…人間の心は変わらなかった…。」


サルタヒコ:「あ…あたらしく”おとぎ前線”を創るって事か!相変わらずの規格外だから、驚きはせんが…。”紅”も帰ってきて、凄いお友達まで一緒に連れて来たんだけどな…。ここは昔と変わることなく…時間は過ぎているが…。あの場所にいる人間の心は3年では変わらなかった…。」


オオミヤノメノ:「”蕃神”の侵攻は世界中に広がっていってる…。もう、平和に暮らすって事が難しい世の中になってきているのかもね…。そして、人間達は老いていく…。昔みたいな考えが出来なくなってるのよ!保守的な…新しい物を拒み続けてきた結果が…あの状態…。」


サルタヒコ:「俺は、あの子達…。そう、ネガイの妹の…名前は”祈里”だったか…。あの子達が一生懸命頑張ってきた事は知っている。そして、あの子達と若い人間の兄ちゃん…1部の人間だけが頑張ってあとは、知らんぷりだった…。で、どうするんだ”おとぎ前線は”?」


大雷:「奥の院の郷に新しく創ろうと思う…。もう、しばらく、”祈里”ちゃん達を私に預けてくれないかな?」


ウカノミタマ:「何か…考えがあるの?」


大雷:「い、いや…。ゴメンね…。もう、”あの場所”を昔の様な活気ある場所に変えるのは、無理ではないけど…おそらく、人間でいうと世代が全て代わり、1度終わらないと、新しい活気ある場所に戻ることは出来ない…。それは10年や20年では難しいわ…。でも、ただ、あの子達の想いだけは別の形であっても、叶えてあげたいの…。」


オオミヤノメノ:「アイドル活動で人間達を幸せにする…。(※しばらく間を空ける)そのことよね?」


大雷:「そう…。遠目からずっと見ていたから…。こんな不完全燃焼な形であの子達の想いを終わらせたくないのよ!」


オオミヤノメノ:「私もこれでも”歌と踊り”を司る1柱…。気持ちはよく分かるわ?(※しばらく間を空け心配げな声で)でも、どうするの?方法は?」


大雷:「幾つか考えている方法があるの…。1つは動く”おとぎ前線”を創る!もう1つは新しい世界を創造して、そこで活動を続けてもらう!」


サルタヒコ:「世界を創造するのか?い、いや…あんたならできない事はないだろうが…。この地球の神々の勢力バランスがおかしくなるぞ!世界中の神々から猛反発が起きる!そりゃあ、あんた1柱が本気で、ひと睨みすれば、どうとでもなるだろうが…。」


大雷:「サルタちゃん、安心して♪新しい世界を創造するけど現実の世界ではない…。メタバースを創造するのよ…。」


サルタヒコ:「メ、メタバース?なんじゃそれは?」


大雷:「(※不敵にフフフッと笑う)。メタバースとは…。」


サルタヒコ:「メタバースとは?」


大雷:「仮想現実世界の事よ!蕃神の侵攻によって、世界中の人間達は外に出る事さえも困難になってきている…。それを機械の力を使って仮想の世界を作り、そこで別の人間として生活する様な体験ができる空間の事…。今は凄い勢いで進歩し続けている…。その場にいても世界中を旅するとかね?」


サルタヒコ:「それを創るって事か?」


大雷:「お察し!そこなら、彼女達は、この場所にいても世界中で活動ができる!”蕃神”達の勢力が拡大している中でも、メタバースなら安心ってこと!」


ウカノミタマ:「(※呆れた声でフフフッと笑う)相変わらず、わらわ達では想像もつかない事を常に考えているのね♪」


大雷:「稲荷神社は稲荷大神3柱と紅ちゃん達3柱がいるから、これからも大丈夫!(※しばらく間をあける)でも、あのアイドルグループ”おとぎ前線”の子達は、まだ、不完全燃焼で燻っているのよ!ほかの場所でもアイドル活動さえ続けていれば、必ず、あの場所に貢献できる何かを生み出してくれると思うの…。外から”あの場所”を変えていく…。”あの場所“が無くなっても、みんなが忘れないように!」


ウカノミタマ:「わかりました!わらわ達3柱は、あなた様のお考えに賛同致します。貴女様はわらわの想い願う全てを叶えて下さった…。娘である”紅”も親である”わらわ”でさえ想像も出来ぬほど、偉大なる神として帰ってきた!1度邪神へと堕ちた”ネガイ”もまた神へと…それも紅と同じく想像さえできなかった程の偉大なる神への道を今も歩み続けている…。だから、もう”わらわ”は何も言いません。貴女様を信じましょう!」


大雷:「ありがとうね!やっぱり”ウカノミタマ”ちゃんは私の1番の”神友”よ!では、善は急げって事で、壊しちゃった前線を、奥の院の郷の中に創るけど(※しばらく間をあける)良い?」


ウカノミタマ:「貴方様の御心のままに…。」


大雷:「ありがとう!恩にきるわね!」

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