ボイスドラマ用台本「おとぎ前線」第2期│クロスオーバー、トリプルオーバー作品なので第1期を読んでいただくことを推奨!

かたしよ

第1話「消えたおとぎ前線」①

※場所は佐賀県さがけん鹿島市かしまし祐徳稲荷ゆうとくいなり神社門前じんじゃもんぜん商店街しょうてんがい"前線カフェ"内にて。2022年3月11日午前9時頃。第1期「おとぎ前線」第1話より約3年後の世界…。(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。


<ドオオオオオオオオオンと"おとぎ前線"へと通じる扉からが聞こえる>


祈里いのり:「(※驚き声で)えっ!どうしたの?」


神那かんな:「(※驚き声で)今までこじ開けられたままの"おとぎ前線"が消えようとしている…」


<ガタガタガタガタ…"前線カフェ"の建物全体が激しく揺れ始める…>


沙希さき:「(※悲鳴)きゃあああああ…」


亜都あと:「(※困惑しながら)さ、"沙希さき"様!」


美琴みこと:「(※困惑しながら)"前線カフェ"の"おとぎ前線"が消滅しようとしている…。このお店も衝撃に耐えられない。みんな、逃げて!」


蒼羽あおば:「(※驚き声で)し…しょ…消滅。"おとぎ前線"がしたらどうなるんですか?」


神那かんな:「(※困惑しながら)……私達はこの場所にいられなくなる…わ…。"前線"が消滅してしまうと、"神気しんき"がある"美琴みこと"さん以外の私達は、""の姿になってしまう。そして、このまま、お店もつぶれてしまうと…""になるだけでは済まされない…」


稲穂いなほ:「(※悲しそうな声で)"奥の院おくのいいん"のに帰るの?」


美琴みこと:「に帰れば、"ウカノミタマ"様ののもとに入るから、みんな大丈夫。ただ…(※しばらく間を空ける)もう2度とこの場所に戻れない…。店長やかめさん、商店街のみんなにもなるわ…。」


祈里いのり:「(※悲しそうな声で)それって…突然、ってこと?」


<"美琴みこと"、"祈里いのり"や他の5人に対してで頷く>


蒼羽あおば:「(※悲しそうな声で)みんな、すまない。本当にすまなかった…。こんな急に…お別れが来るのが分かっていれば…もう、俺はみんなに何を言えばいいのか分からないよ…。」


美琴みこと:「(※悲しそうな声で)て、店長…」


神那かんな:「(※困惑しながら)こ、こじ開けられた"前線"が凄い勢いで閉じていってる…。お店も…"おとぎ前線"も消えてしまう…どうしたら…」


蒼羽あおば:「みんな、はやく"おとぎ前線"を通ってくれ!さ、最初は""か""に騙されたと思ってたし、まあ、実際、みんなは、そうではあるけど…。(※悲しそうな声で)ただ、俺にとって…という短い時間だったけど、と心の底から思う…。ね。みんなには感謝してるよ。この"おとぎ前線"が消える前にみんな"奥の院おくのいいん"のへ…」


祈里いのり:「(※悲しそうな声で)こ、これから、店長はどうされるんですか?」


蒼羽あおば:「(※困惑しながら)分からない…んだ…。何でこうなったのか…。そして、このまま続くかと思っていた、この暇だけど楽しかった平穏な日常が…。(※悲しそうな声で)"祈里いのり"ちゃん、"神那かんな"ちゃん、"美琴みこと"さん、"沙希さき"ちゃん、"稲穂いなほ"ちゃんと"亜都あと"ちゃん…、。また、会えたらいいな…。」


神那かんな:「(※悲しみながら怒気をこめて)そんな寂しいこと、言わないでよ!」


稲穂いなほ:「(※悲しみながら怒気をこめて)ちょ…ちょっと…よ…責任…責任をと、取りなさいよ…」


亜都あと:「(※悲しそうな声で)て、店長…。これはですよね?そうですよね?"沙希さき"様…。」


沙希さき:「(※泣き声)うえええええええええええん…。」


蒼羽あおば:「(※まくしたてながら)さあ、早く"おとぎ前線"を通るんだ!早く!みんなが”編みぐるみ”になってしまう!み、"美琴みこと"さん、お願い。」


美琴みこと:「(※まくしたてながら)みんな、はやく!"おとぎ前線"を通って!わ、私には"神気しんき"があるから…心配しないで。…みんなが前線を通って、"奥の院おくのいいん"の"にたどり着けたのを確認してから、何故、こうなったのかをみんなに伝えます…。」


蒼羽あおば:「(※悲しそうな声で)みんな…ありがとう…。みんなに会えて本当に良かったよ…さようなら」


<美琴に押し込まれるように、"おとぎ前線"へ飛び込む5名…。そして、一瞬で消滅する"おとぎ前線">


蒼羽あおば:「(※困惑しながら)み、"美琴みこと"さんは?」


美琴みこと:「です。はやく、お店から…"前線カフェ"から出ましょう!」


<全力で走って、"前線カフェ"より飛び出す2人…。それに合わせるようにガラガラと大きな音を立てて瓦礫の山となり崩れ去る"前線カフェ"…>


蒼羽あおば:「(※困惑しながら)な、なんで…こんな事に…」


かめさん:(※困惑しながら)「あ、"蒼羽あおば"さん…お、お店が…(※しばらく間をあける)何があったんですか?」


蒼羽あおば:「(※困惑しながら)わ、わ…分からない…。と、突然、お店が…。」


かめさん:「(※困惑しながら)み、"美琴みこと"さん…ほかのみんなは?」


美琴みこと:「(※話をはぐらかすように)み、みんなは大丈夫…。もう、家に帰ったから…」


かめさん:「(※困惑しながら)そ、それなら…早く警察と消防を…(※しばらく間をあける)人が集まってきた…。俺がお店のほうから、電話かけますから…待っててください。」


蒼羽あおば:「ありがとう"かめ"さん」


<"かめ"、駆け足で"鶴亀商店つるかめしょうてん"へ走り出す。その後ろ姿を確認した"蒼羽あおば">


蒼羽あおば:「(※まくしたてながら)み、"美琴みこと"さん…。"美琴みこと"さんも早く"奥の院おくのいいん"のに、みんなの所に行かれてください。こんな状況です。事情聴取でもされたら…」


美琴みこと:「(※悲しそうな声で)みて、店長…す、すいません…」


蒼羽あおば:「(※悲しそうな声で)みこんな別れ方になるなんて…(※涙をこらえ感情を抑え込みながら)お元気で。みんなにもそう伝えてください。」


美琴みこと:「(※悲しそうな声で)みわ、分かりました…。再び、みんなで会えることを…。」


蒼羽あおば:「さあ、行ってください!ここは俺がどうにかします。」


<遠くから聞こえてくるサイレンの音…。集まる野次馬の間をすり抜けて姿を消す"美琴みこと">

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る