第2話

 自宅まであと少しというところで、通りかかった公園に1人の男の子が歩いているのを見つけた。このタイミングだと、とぼとぼと歩く少年と公園を出る時にばったりと会うことになる。元気なさげな様子だけど、見知らぬ少年を気にかける義理もないし、先に行かせよう。

 そう思って歩調を落としてすれ違わないようにすると、少年がこっちに気づいたようだ。

「こんばんは。ねえ、おじさん」

 あー、くそ。声をかけてきやがった。しかもおじさんってなんだ。挨拶された以上は返すのがマナーだろうし。

「こんばんは。ちなみにおじさんじゃないぞ」

「あ、ごめん。お兄さん」

「親さんが心配するぞ。はやく帰った方がいいぞ」

 面倒なことになる前にさっさと終わらせよう。

「おじいちゃん出かけているから、家には誰もいないよ」

 寂しそうに答える少年を見て、自分の言葉が地雷だったことを悟る。言ってしまった以上、このまま立ち去るのは後味が悪い。

 おじいさんと2人暮らしなのか?それにしても、今日出かけることないだろうに。―クリスマスなのに。

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