第2話
自宅まであと少しというところで、通りかかった公園に1人の男の子が歩いているのを見つけた。このタイミングだと、とぼとぼと歩く少年と公園を出る時にばったりと会うことになる。元気なさげな様子だけど、見知らぬ少年を気にかける義理もないし、先に行かせよう。
そう思って歩調を落としてすれ違わないようにすると、少年がこっちに気づいたようだ。
「こんばんは。ねえ、おじさん」
あー、くそ。声をかけてきやがった。しかもおじさんってなんだ。挨拶された以上は返すのがマナーだろうし。
「こんばんは。ちなみにおじさんじゃないぞ」
「あ、ごめん。お兄さん」
「親さんが心配するぞ。はやく帰った方がいいぞ」
面倒なことになる前にさっさと終わらせよう。
「おじいちゃん出かけているから、家には誰もいないよ」
寂しそうに答える少年を見て、自分の言葉が地雷だったことを悟る。言ってしまった以上、このまま立ち去るのは後味が悪い。
おじいさんと2人暮らしなのか?それにしても、今日出かけることないだろうに。―クリスマスなのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます