第20話:暗躍するメイド。動き出す恋の歯車
「お兄さん! そっちに行きましたよ!」
「そら! アターック!」
「あっまーいっ! きららんレボ↓リュー↑ション!」
泳ぐのにもそろそろマンネリしてきたからと、唐突に始めたビーチバレー対決。
俺の放ったスパイクを、どこかクセになるイントネーションの必殺技でレシーブするきらら。
そうして上がった球を、今度はしのぶがジャンプしてスパイクする。
「おらぁっ!」
「くっ!?」
しのぶが打ち込んだボールは、俺とひかりさんの間を綺麗にすり抜けていく。
これは負けたか……と、思いきや。
「ぴぴーっ、ラインが割れましたの。最後の1点はお兄様とひかりチームで、ゲームセットでしてよー」
審判を務めるカレンちゃんが、まさかのアウト宣言。
なんとかギリギリで俺達が勝利したようだ。
「うっそぉー! 入ってたよ! カレンちゃん、本当の事を言ってよ!」
「いいえ、入ってませんの。ワタクシの目と鼻は誤魔化せませんわ」
「鼻関係ねーじゃん! ああもう、後少しで勝てたのにー!」
負けた悔しさから、審判に詰め寄るきららとしのぶだが、判定は覆られない。
一方、勝利した俺達はというと――
「やりましたね、お兄さん! 私達の勝利です!」
「あ、ああ……」
嬉しそうにぴょいんっと跳ねるひかりさん。
その度に、その大きなおっぱいがばるんばるんと揺れて……なんとも、これは。
「はいたーっち!」
「はいたーっち」
パンッとハイタッチも交わすが、もはや俺の視線はひかりさんの胸の谷間に釘付けである。見てはいけないと分かっていても、悲しきは男の性。
こんなの、我慢しろという方が無理だ。
「……むむむむむぅっ! お兄ちゃんってば、ひかりちゃんと仲良くしちゃってぇ!」
「つうかさ、なんでひかりが兄貴と組んでるわけ? アタシでもいいじゃん」
「えー? なんの話かしらー?」
「こんにゃろ……! いい加減にしなよ、ひかり!」
「きゃーっ! しのぶに襲われちゃうわー!」
怒ったしのぶがひかりさんを追いかけ、ひかりさんは一目散に逃げ出していく。
少し日が傾き始めたビーチで、追いかけっこをする美少女。
ここにマドカさんがいれば、きっと大興奮していたに違いない。
「あっ、2人とも行っちゃったよぉ。これじゃあバレーはもう出来ないね」
「もうそろそろ良い時間だし、引き上げるか」
「うん、分かった。じゃあカレンちゃん、一緒にしのぶちゃん達を追いかけよっか。連れ戻さないと、どこまでも行っちゃいそうだし」
「はーい、ですわ。こう見えてもワタクシ、脚には自信がありましてよー!」
しのぶ達を連れ戻す為に、きららとカレンちゃんも砂浜を駆け出していく。
あれだけ遊んだのに、まだああしてはしゃぎ回る元気が残っているとは。
いやはや、10代というのは本当に疲れ知らずだな。
「……妹と、妹の彼女達か」
今まではきらら1人に向けていた俺の愛情だが、最近はきららの彼女であるひかりさん達にも親愛の感情を向けてきた。
しかし、その結果……俺は彼女達を異性として意識を始め、また彼女達も俺の事を男として意識している――ような気がする。
このままじゃいけないのは分かっている。
だけど、何か良い解決策があるわけでもない。
「俺は……どうすれば」
「お悩みですか?」
「おわっ!?」
急に背後から話しかけられ、俺は情けなくも素っ頓狂な声を上げる。
バッと振り返れば、そこにはいつの間にかマドカさんが立っていた。
俺らが遊んでいる間に、お目覚めになっていたらしい。
「お、驚かさないでくださいよ」
「申し訳ございません。しかし、そんな事はどうだっていいじゃないですか」
良くないと思う、という言葉が喉まで出かかったが……あえてそれを飲み込む。
ここでツッコミを入れたところで、ますます彼女に嫌われるだけだろうし。
「問題なのは、アナタが悩んでいるという事です」
「俺の悩み、分かるんですか?」
「ええ。大切な妹の彼女に対して劣情を催し、意識してしまう自分自身を嫌悪していらっしゃるのでしょう?」
「そ、そこまでは言わないけど……似たような事は思ってるかな」
マドカさんが優れた観察力を持っているから、なのかは分からないが。
こうして第三者に筒抜けになるくらいだ。
もしかすると、彼女達も俺の葛藤に気付き始めているのかもしれない。
「あの子達はさ、きららの兄である俺を……まるで本物の兄のように慕ってくれる。それが嬉しいのと同時に怖いんですよ」
「妹の彼女を、奪ってしまうかもしれない事が……ですか?」
「……いや、きららから彼女を奪える程の魅力は俺にはありません。だから、そっちの心配は全くしていないです」
「(自覚無しでアレですか……恐ろしいタラシですね)…………続けてください」
「俺が怖いのは……きららに嫌われる事だけなんです。もし俺が、きららの彼女を異性として意識しているなんてバレたら……あの子はきっと失望する」
俺の事を世界一に兄だと言ってくれたきらら。
もし、そんな兄が……自分の彼女に手を出そうとするような男だと知れば、きららは傷付いてしまう。
俺は、そうなったきららに拒絶される事が……堪らなく怖かった。
「きららには嫌われたくない。でも、俺を慕ってくれるあの子達も無下にはしたくない。俺は……俺は一体、どうすればいいんだ」
「ありますよ、簡単な方法」
「はい?」
頭を抱え、苦悩する俺の言葉をバッサリと切り捨てるマドカさん。
彼女は一歩前に踏み出し、俺との距離を詰めると……初めて俺に、優しく微笑み掛けてくれた。
「それは――大和様。アナタが恋人を作る事です」
「俺が、恋人を……?」
「ええ。そうすれば彼女達も、恋人に遠慮して過激なスキンシップは避けるようになるでしょうし……アナタは溢れる劣情を恋人にぶつければいい」
「た、確かにそれなら、問題は一気に解決しますけど。その恋人を作るのが、簡単じゃないですよ。そもそも、俺の事を好きにってくれる子なんて……」
「相手がいれば、いいんですか?」
「え? まぁ、それは……」
「だったら、ここにいますよ」
「……は?」
俺は周囲をキョロキョロと見渡す。
しかしここには、俺とマドカさんしかいない。
きらら達はまだ追いかけっこの最中だし、そもそもこの無人島には他の人なんていないはずだが――
「鈍いですね。アナタの目は節穴ですか?」
「……まさか」
いや、俺もその可能性は一瞬考えた。
しかし、それだけはありえない。だって、彼女は俺を嫌っているはずだ。
それなのに、俺の彼女になってくれるなんて――
「晴波大和様。アナタさえ良ければ……私とお付き合いして頂けませんか?」
「なっ……!?」
「私、回りくどいのが嫌いなので」
「ちょっ……まっ……!?」
俺の頭が混乱で真っ白になっている中、マドカさんは表情1つ変えずに両手を広げ……俺に抱き着いてくる。
むにゅっと、水着越しの柔らかな胸の感触が伝わってきた。
ああ、これは夢じゃない。本物のおっぱいの柔らかさだ。
「お願いします。私を……彼女にしてくれませんか?」
「!!」
耳元で囁かれる、マドカさんの甘えるような声。
その吐息、彼女の胸から伝わる心臓の鼓動、触れ合う肌の暖かさ。
それらの刺激が俺の思考力を奪い取ろうとしている。
「お、俺は……!」
唐突過ぎる告白。
あまりにも嬉しすぎる展開を前に、俺が選んだ答えは――
『選択肢』
A「俺にはきららがいるので、付き合えません」
B「きららを幸せにするまでは……俺は自分の幸せを求めない」
C「俺は自分の恋人よりも、きららを優先したい。そんな俺に恋人なんて――」
<<次回予告>>
『第21話:俺にも彼女が出来ました』
『お ま け のステータス』
<<晴波きらら>>
【年齢】16歳
【髪型】ウェーブがかったピンクのセミロング
【身長】155cm
【体重】「ふ、太ってないもん!」
【スリーサイズ】B87 W56 H85
【最近ネットで検索した主なワード】
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<<雨宮ひかり>>
【年齢】17歳
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【スリーサイズ】B97 W60 H88
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<<雷堂しのぶ>>
【年齢】16歳
【髪型】茶髪サイドテール
【身長】152cm
【体重】「は? ふざけてんの?」
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<<カレン・クラウディウス>>
【年齢】10歳
【髪型】金髪ふわふわロング
【身長】140cm
【体重】「食べても食べても、お肉が付いてくれませんの」
【スリーサイズ】B71 W51 H72
【最近ネットで検索した主なワード】
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<<白雪マドカ>>
【年齢】21歳
【髪型】銀髪ポニーテール(片目隠し)
【身長】172cm
【体重】「死んで頂けませんか?」
【スリーサイズ】B93 W59 H85
【最近ネットで検索した主なワード】
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