第14話:ケツズリされて→↓↘+P
禁断のチキチキお触りゲーム。
その一回目の出題として、俺はカレンちゃんのまぶたをぺろりと一舐めする羽目になってしまった。
そして、一度でもゲームに参加してしまったという事は――
「それじゃあ次は、お兄様が出題する番ですの!」
もはや、この勝負からは逃れなくなってしまったという事だ。
「……じゃあ、背中かな」
「背中くらい楽勝ですの! はい、たーっち!」
「ん。一応アタシも触っとく」
俺に抱っこされているカレンちゃんはそのまま回している手で。
しのぶは左手で俺の背中をポンポンと触る。
「今度はアタシのターンね。そろそろ、ギア上げてくよ」
そう言って、しのぶは右足を船の縁の部分にガッと乗せると……その眩しい大腿部を俺に見せつけながら宣言する。
「アタシの太もも。触ってみて」
シルエットパーカーの裾下から覗く、しのぶの細い太もも。
その綺麗なラインを直視すると、思わずゴクリと喉が鳴ってしまいそうになる。
ここを、今から触れというのか?
「簡単ですの。えーい」
「カレンは成功ね。じゃあ、次は兄貴の番だね」
「あ、ああ。俺も……」
カレンちゃんを抱っこしながらだと大変だが、触れないわけじゃない。
なんとか体勢をキープしたまま、腕を伸ばし……
「きゃあー、おちてしまいますのぉー(棒)」
「え?」
俺が腕を伸ばそうとすると、カレンちゃんがぐらぐらと揺れる。
しまった。腕を伸ばすとホールド力が落ちちまうのか。
「お兄様、こわいですわー(棒)」
「ごめん、でもこれじゃあ触るのは無理かな」
「……無理じゃないでしょ」
「いや、カレンちゃんが怖がっちゃうし」
「なんで? さっきみたいにすればいいじゃん」
「…………ふぁっ!?」
さっきみたい、というのはカレンちゃんのまぶたをぺろりした時の事を言っているのか!? だとすれば……しのぶは今から俺に、太ももを舐めろと!?
「そ、そんなの嫌じゃないか? 俺に舐められるなんて……」
汚い、というワードを出すとカレンちゃんの時の二の舞になりかねない。
俺は慎重に言葉を選び、なんとかこの話を無かった事にしようとする。
しかし……
「別に。兄貴になら、どこを舐められたって平気だし」
「ホワイ?」
「……兄妹って、そういうもんでしょ?」
そういうもん、なのかぁ?
でも、確かにそう言われてみれば……きららが俺の体をぺろりとしたところで、別に不快には感じない。むしろ、こうして意識している方が、おかしいのか?
「早くしてよ。この体勢、辛いんだから」
「でも……」
だけど、俺の頭の中の理性が、ギリギリのところで踏ん張っている。
こんな事はしちゃいけない。もうやめようと、警鐘を鳴らし続けているのだ。
「兄貴……嫌なの? アタシの脚……舐めてくれないの?」
「……う、ぐぐぐぐがががががっ!」
涙目で、俺を上目遣いに見上げてくるしのぶ。
なんて反則的な可愛さだ。こんなにも可愛い妹からせがまれて、断れる兄がいるのだろうか? いや、いるはずがない!
「……やるよ」
「うん。来てぇ……♪」
俺は覚悟を決めると、カレンちゃんを抱っこしたまま……ゆっくりと膝を下ろす。
そして、カレンちゃんの太ももへと顔を近付けると……そっと舌を這わせる。
「んっ……!」
ぴくんっ、としのぶの体が跳ねる。
その反応がなんとも愛おしくて、俺はもう一度……今度は少し強めにペロリ。
「ひゃぁんっ!? んぁぁぁっ!?」
しのぶが大きく体を動かしたので、俺は頭を上げて体勢を戻す。
「だ、大丈夫か?」
そして、肩で息をするしのぶに声を掛けるが……
「もぅ、兄貴……あんなえっちな舐め方……卑怯だってのぉ♪」
上気した顔。蕩けきった表情で、しのぶが赤い舌でチロリと舌なめずりする。
その仕草の、彼女の纏う雰囲気の――なんたるエロスか。
そんなものを見てしまったら、俺は……俺は!
「……ほぇ? 何か、ワタクシのお尻に硬い感触が……」
「!?」
な、なんたる事だ!?
俺の、俺のマイサンが……しのぶに反応したせいで、あんなにも大きくなるとは!
そしてそれが、俺の抱きかかえているカレンちゃんのお尻に――!?
「んふふっ、でも……これ、ちょっと気持ちいかもしれませんわ」
グリグリグリと、カレンちゃんはお尻を右へ左へと動かす。
ゲームのコントローラーの如く、こねくり回された俺のスティックは、もはや波動拳を発射するまで秒読みの状態となっていた。
「えいっ、えいっ、えいっ、ですの♪」
「……カレンちゃん。ごめん、ちょっと降りてね」
「えー?」
「ごめんね」
嫌がるカレンちゃんに誤りつつ、俺はゆっくりと彼女を下に降ろす。
危ないところだったが、これでもう大丈夫。
ゴール……しても、いいよね?
「あばばばばばばばっ!」
「兄貴!?」
「お兄様!?」
暴れだしそうになる本能を、なけなしの理性で抑えつけた結果。
俺はその反動で、意識を失ってしまう。
発射するか、気絶するか。
その2択において、後者を選べた自分を――俺は誇りに思う。
「……おい、カレン。ヤりすぎだぞ」
「えー? だって、折角のチャンスでしたのよ? しのぶだって、お兄様のアレが欲しいのではなくて?」
「そりゃまぁ、欲しいけどさ。今はそれより、お触りゲームの方を楽しみたかったよ」
「どっちにしても、これ以上はお兄様が限界でしたもの。ワタクシとしては、お兄様の逞しいモノの感触を味わえて……最高でしたわ♪」
カレンちゃんはそう呟くと、気を失って倒れている俺の上半身を抱き起こす。
そしてその体勢で俺の頬にキスをすると……今度は俺の頭を両手で掴み、俺の唇が自分の頬に触れるように動かした。
「さぁ、しのぶ。今ですの!」
「はいはい。しょうがないな」
パシャリ。
しのぶはカレンちゃんから預かったスマホを使い、気絶した俺がカレンちゃんの頬にキスをしている写真を撮影する。
「んはぁー! お兄様がワタクシにちゅーしてますのぉー!」
眼を瞑り、ニコニコ笑顔のカレンちゃんにキスをする俺の写真。
そこだけ切り取ってみれば、俺が自発的にキスをしたように見えるかもしれない。
「でも、ワタクシの武器だけまだ弱いですわね」
「まぁな。そういう意味じゃ、ひかりが一歩リードしているよ」
ひかりさんが持つのは、どこからどう見ても、事後にしか見えない写真。
俺がその存在を知るのも、彼女がその写真を巧みに利用してくるのも。
まだまだ、当分先の話ではあるのだが。
「でも、心配いりませんわ。あの島に到着してからが、お兄様攻略の本番ですもの」
「ああ。みんなで、兄貴を堕としてやろうぜ」
「「うふふふふっ……」」
その前に、俺の目の前に迫りつつある……最大の貞操危機。
まずは、それを乗り越えなければならないだろう。
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