36人目 魔女を助けた結果…


今回は…短め…許してください…


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僕の国では薬草はとても高価なもの…だからそれを売って生きていく人がいる。


かくいう僕もその一人だ…両親は物心ついた時にはいなくなってて一人で仕事をしながら生きていた。


森に行っては薬草を集めては売ってそのお金でご飯を買って日をまたぐ…こんな生活を続けてもう何年たつだろうか…


ただひたすらにこの仕事のみを行ってきた。


まるで自分がロボットのように…ずっと…


そんなある日いつも通り森に入る。


木から漏れ出るこぼれ日はいつもの癒しで疲れきった身体を癒してくれる。


「今日は森の奥に行こうか…」


奥の方が珍しい薬が多く見つかるからだ。


…しかしその反面とても危険なのだ。


魔物や野生のクマなどが出てきたら太刀打ちなどできない…そのまま命を落とす人なんてざらにいる。


だから薬は高値で売れるのだ…危険を乗り越えて得たものは価値として現れるのだろう。


いつもの見慣れた道から外れてどんどん奥に進む。


行けばいくほど日は木の葉や枝で遮られて暗くなっていく。


「とりあえずはここでいっか…」


そうしてカバンをおいて近くの雑草を調べていく。


見た目は雑草でも100年に1本しか咲かない超高級な薬草もあるから念入りに見る。


「これは…え?!」


少年が見たものは薬草の中ではかなりランクが高い方であるイリリア草だった。


イリリア草とはどんな病気でも治してしまう…まぁ万能薬と言えば早いだろうか。


とりあえず丁寧に回収してほかの薬草があるのかを確認する。



……


………


何時間経っただろうか…


一面は真っ暗に染まっていた。


「やべ…帰らないと…」


とりあえず来た道を戻る…じっと見ないと周りの木などが全然見えない…


歩いていると一人の少女が倒れていた。


少年は枝とかに気を付けながら彼女に近づく…


「大丈夫?…大丈夫?」


とりあえずは呼んでみる…でも一向に返事は帰ってこない…


ここは夜は冷え込む…だから着ていた服を一枚彼女に着せてあげて温めてあげる。


「どうしよう…」


そこで少年が考えたのはイリリア草を薬にして飲ませてあげることだ…


別に薬草をそのまま食べさせるのは簡単だがとても苦い…というか食べれるものではない。


だから粉末にして飲ませるのが一番の手だ。


だけどその一式は今ここにはない…だから薬草をちぎって、近くで見つけた甘い果実に巻いて彼女の口に入れる。


…でもそれを飲まなかったら意味がないから近くにあった川の水を口に含んで彼女に口移しする。


(あぁ…死にたい…)


こういうことに慣れてない僕は罪悪感しか感じなかった。


そうしてそのまま彼女の横にいて看病をした…



……


………


「んあ…」


目が覚める…寝てしまっていたのだろうか…


辺りはさっきの森の中で横を見ると彼女はいない…


「あぁ…ねむ…」


眼をこすりながら立とうとすると


「ね、ねえ…」


どこかから声が聞こえた。


「私を助けたのは…君?」


振り返ると昨日助けた少女がいた。


「あ…意識戻ってたんだ…よかった…あ、あぁごめん…そうだよ。昨日薬草集めから帰るときに倒れている君を見つけて…どうにかしようと薬草を飲ませたりしたけど…」


「ありがとっ!」


彼女はそういって僕に抱き着いてきた。


「ぅえっ?!」


寝起きの僕には刺激が強かった。


「私はミラ!ここの近くに住んでいる魔女さ!…一昨日あたりから体が不調で薬草を探そうとしたらそのまま倒れちゃったんだ…死んでしまうかと思ったよ!」


彼女は鼻と鼻がぶつかりそうな距離で言う。


「あ、あの…ち、近い…」


「えへへぇ…君可愛いね…」


彼女は顔をにやぁってさせていた。


「私って護身用に魔水晶を持ってるんだ…」


「魔水晶?」


聞いたことのないものだ…


「私を中心として半径3メートルで起きたことを記録するもの…まぁ結論を言えば…君が口移ししてくれたところ…見ちゃったんだよねぇ…男らしかったなぁ…」


彼女はうっとりとさせながらそういう。


「え…」


僕は身体がブルって震えた…ま、まじ?…そう思うと恥ずかしさで体の中からじわじわと熱さがこみあげてくるのを感じた。


「…まぁお礼もしたいしちょっとついてきて!」


彼女はそういうと何かを唱える…すると景色は一転してどこかの家みたいなところに着いた。


「ここが私の家…ささ!入って入って!!」


彼女に押されながら中に入る。


「え…ちょっ…ぼ、僕…薬草売りに…」


「いーからぁ…いーからぁ!」


彼女は嬉しそうにそういうと僕をソファーに座らせて


「ねぇ?…私のファーストキス奪ったんだし…私のダーリンになるんだよね?」


「え?」


彼女のとんでもない発言によって頭が真っ白になる僕…


「えってなによぉ…なるんでしょーw…ねぇ?」


だんだん彼女の声は低くなっていく。


「まさかさぁ?…私のダーリンにならないとか…いわないよねぇ?…ねぇ…」


彼女の眼は凍てつくようね目で僕の体は動けなかった。


「沈黙は…肯定…なのかな?」


彼女はそういうと耳元に近づいて


「仕方ないな…わからして…あ・げ・る❤」


そういった。


そうして彼女は何かをつぶやくとポンって音がした後に何かのツボが出てきた。


「これなんだと思うー?」


急に尋ねられて何も言えなかったが…何かの液体?


「な、なにこれ?」


そういうと


「わからないなら食べてみよー!!」


そういって彼女はツボの中に人差し指を入れて液体を救うと人差し指を僕の口の中に入れた。


「んんっ?!」


それは甘くて…甘くて…やみつきになりそうで…


「甘いねえ…正解ははちみつでしたぁ!......まぁ私の魔法付きだけど......まぁいいやおっしまーい!」


そういって彼女はまた何かをつぶやくとツボはなくなった。


「え……」


さっきのはちみつをもう少し舐めていたい…欲しい…舐めたいよ…


身体が変な感じがする…


「ねーえ?…今、さっきのはちみつほしいよぉ!とか思ってない?」


彼女に言い当てられてビクッとなる。


「ふふふーんあったりだねぇ?…ならお願いしないと…さっきのはちみつを舐めさせてくださいって」


「う…お、お願いします……舐めさせてください…」


そういうと彼女は「いいよーん❤」って言った後に呪文みたいなのでツボを出してまたはちみつを人差し指につけて僕の口の前に出す。


「舐めちゃいなよ…私の指ごと…ね?」


彼女がそういうと僕は彼女の人差し指をパクっと口に咥えた。


「あはっ…君の舌が私の指を絡めるの…さいっこうに気持ちいね…ねぇえ?…そのはちみつの中には脳を幸せの虜にしちゃう成分が入っててさ…一度味わったらもう二度度離れることができなくなっちゃうんだぁ…」


彼女はそういうと人差し指を抜き取ると


「あはぁ…私の指が君のよだれでいっぱぁい…ねぇ…もう君は二度と私のところから離れなくなっちゃったねぇ…でもそれでもいいよね?…」


僕はかっくんとうなずいた。


「あははっ…かわいい子❤」


そういうと彼女は「さっきのお礼だよ」と言ってはちみつを彼女の口に咥えると僕に口移しした。


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はい…そこからはもう…ね?…思春期だからこういうの思いつくけど多分一年後にまた自分が見たら恥ずかしくてもうやばいんだろうな…





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