25人目 優しい愛は沼のよう。


これ…ヤンデレなの?…これ…ただのいい話じゃないの?…


なんていうんだろう…この申し訳程度に感じるヤンデレは…最近感動系のラノベ見て感化されたかな…


書いてて思っちゃいました。(∀`*ゞ)テヘッ


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捨てられた。


親に捨てられた。


俺は母さんの不倫相手の子で父さんからも母さんから必要とされていない存在だった。


二人ともタイミングは違えどどちらも俺にストレスを押し付けていたよな…


ちなみに今の俺の歳が15で…まぁ義務教育が終わるまでは過ごさせてくれたと考えるべきか…


でも最低な親には変わりなかった。


だから今は何かにむかって歩いていた。


夜の今もずっと外をさまよっている。


何枚にも重ねた服でも今の時期は寒く意識も飛びそうになっていた。


「寒い…俺死ぬのかな…」


目的地のない終点。


終わりのないレース。


そんなものに参加している気分だった。


あまりの寒さと疲労で電柱に体を預けるように倒れてしまった。


眼は閉じかけていて自分の命のカウントダウンが始まっていた。


そう思うと最後は必至に今見える景色を目に焼き付けていた。


いろいろな家からは暖かそうな光がでていて公園は寂しそうに…今の俺みたいだな。


前からは俺より2~3歳くらいは離れた少女が…え?


「だ、大丈夫?!」


彼女は開口一番そういった。


見覚えのある顔だった。


昔、親にもかまってくれない俺が唯一遊んでくれたお姉さんだった。


「あはは…」


この人に死ぬところを見られるのか…


嫌だけど孤独だった俺はとてもうれしく感じた。


「…くん!!……くん…」


次第に聞こえてくる声も小さく感じる。


俺もよく耐えた方だ。


じゃあな…世界。


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私が異変を感じたのは昼頃だった。


彼の家から彼が泣きそうに出てきたのが見えた。


喧嘩して家出をしたのかと思ってあとをつけても家に帰るそぶりなどない。


そこで気づいたのは彼は捨てられたということだった。


前に彼と遊んでいた時に彼が母親とその不倫相手との子だということを聞いた。


だから当然両方の親からは嫌な存在だと思われているのだろう…それがよりによって…


彼は泣きそうな顔をして…あぁ助けたい…


でも私が行って何になるの?


私ができることはただ見るだけだった。


つらい…そう思いながら時計を見ると今は23時47分。


長い時間食べずに休まずに歩いた。


当然おなかも減っていただろうし疲れていたはずだ。


しかも今は夜でとても寒い。


彼は小言をつぶやいていた。


「寒い…俺死ぬのかな…」


そう聞こえると私の胸に何かで刺されるような痛みを感じた。


「あぁ…」


彼は近くの電柱に体を倒し周りを見て微笑んでいた。


(ダメ…死なせない…)


そういって彼に駆け寄る。


意識はもうシャットダウン寸前。


少ししたら…彼の意識は消えてった。


「いやっ…君がいなくなるのは…あぁ…」


私は彼を抱えて泣きながら家に戻った。


彼に救われたことが何度あったか…


彼が私を救って私が彼を救ってあげられない…それが嫌だったというのもあるけど一番は、


私が彼のことが大好きだったということだ。


毎日学校終わりに彼を隠れてみるくらいには…


正直に言おう…私は彼のことを愛している。


しかもとても重く…


それに気づいたのは本当に最近だった。


彼のことを見ないと精神がボロボロになった時は本当に彼のことを愛しすぎてるんだろうなと思った。


そんなこんなでやっと私の家が見える。


親も何もない家に。


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僕の目の前には一つの家族があった。


楽しそうで…ほんっとうに楽しそうだ…


「いいな…」


そうつぶやくとそこにいた家族の中の一人がこういった。


「お兄さん家族ないの?」


「え?」


そうするとほかの人も口をそろえて言い始めた。


「お兄さんは家族がいないの?」



「やめて…お願い…」


そうつぶやいても彼らの言葉は止まらない。


頭がめちゃくちゃになりそうになったとき…


「あぁあ…あぁ?…あれ?」


目が覚めた。


さっきまでいたところとは変わってここはどこかの家なのだろう。


しかもなんか体があったかい…しかもこの抱きつかれている感覚…


この優しいお花のような匂い…


なんだろう…自然に涙が出た。


すると


「お、起きた?」


そう聞こえた。


この声は…?


「起きたの?!…起きた…やった!」


最後に見たお姉さんだった。


昔遊んでくれた…あの優しいお姉さん。


「お姉…さん?」


声がやっと出た。


「大丈夫…今は安静にして…もう大丈夫…私がいるから。」


その言葉はとても心に響いた。


「ありがとう…お姉ちゃん…」


お姉ちゃんに抱き着いた。


「頑張ったね…」


そういって頭を撫でられる。


優しく…優しく。


自然と眠気が襲ってくる。


「眠っちゃいなよ。」


そう彼女が僕の耳元で呟くとそのまま眠りについてった。


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彼はなにか悪夢を見ているようだった。


急に「やめて!」と言い出して…そして泣いていた。


「もう…彼に何もしないで…」


そうつぶやいてそのまま彼に抱き着いた。


あぁ…彼の体は弱そうで…少し力を入れると壊れてしまいそうだ…


この私が支配できている感じ…


あぁもうたまらない。


君をもっと堪能したい…君を私だけのものにしたい。


なんなら彼の存在ごとほしい。


そこで頭の中で囁かれているような気がした。


(彼は捨てられている身…彼を手に入れることはできるよ)


そっか…


もう彼を手放すことなんてない。


彼をもう二度とあんな辛い目に合わせない!


そして


私だけの彼になるんだ…


そう思うと体がふわふわとしていた。


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久々に心地の良い眠りをした。


人に包まれている…


人の温かさを体感しながら眠る。


これがとても幸せだった。


「んンっ…」


目が覚めると僕のことを見ているお姉ちゃんの姿があった。


「お、おはよう…」


そういうと


「おはよう❤」


彼女は天使のように言った。


はっきり言うと可愛かった。


すると


「ねえ…私と結婚しよ」


そういわれた。


「ほ、ほえ?!」


急にいわれてびっくりした。


「だって…君は私のものだもん。」


そういって抱きつかれるとそのままキスをされた。


「はぅ…」


はっきり言って幸せ以外の何物でもなかった。


「私と一緒に居ればこんなことだったらなんでもしてあげる。いつも君を抱きしめたりキスしたり…なぁんでもしてあげる…だから私のものになろう。」


もうここで言う言葉は一つだった。


「わかった。俺はお姉ちゃんのものだよ…ずっとそばにいてよ」


そういうと


「もちろん…愛しているよ❤」


そういってまたキスをされる。


あぁ…幸せだ…


このまま彼女に溺れていくのだろうか…まぁでもそれが一番いい未来なのだと思う。


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これ…本当にヤンデレ?…


次こそは…ってネタがないからマジでヤンデレ要素のないただの恋愛になっちゃうんだよな…これってスランプってやつですかい。


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