26人目 竜娘の恋愛


人間。


それはなんて愚かなものなのだろう。


自分の欲に従い欲のためなら他人を殺す。


そんなことが当たり前のように起こっている。


僕はその被害者の中の一人だった。


人に騙され暴力をふられもう散々だった。


僕のこの濁っている心とは正反対の快晴の中僕は一人で生きれる場所を探していた。


誰も来ないで一人でいれる場所。


森を抜けて海を渡り…


見つけたのは大きい山だった。


「何だこれ…」


地図には載っていなかった。


とりあえず歩く…登る。


ここはとても豊かな場所だと思った。


様々な動物や植物があたりに広がっていた。


自然が成す状態。


これは本当にすごいと思った。


するとウサギが倒れているのを見つけた。


「大丈夫?」


そう言って近づく。


ウサギは警戒していた。


「ん~…」


そういって観察するとこの子は足を怪我しているみたいだ…足らへんに青あざができていた。


「そっか…なら…」


そういって魔法をかける。


すると足の青あざは消え元気に走り回っていた。


「元気だなぁ…」


そうつぶやいて少ししてから木に登った。


「ふぅ…そよ風が心地いいな…」


本当に素晴らしいものだ。


辺りは明るい緑でいっぱいで動物たちは元気に駆け回っている。


前までいた国ではありえないほど美しい場所だと思った。


葉から顔を出すようにでてくるこぼれ日に照らされ心地の良い暖かさになるととても眠たくなった。


「ふぁぁあ…」


あくびをするとそのまま木に体を預けてそのまま心地の良い睡眠に入る。


______________________________________


「この匂い…人間か?」


突然いつもと違う匂いを感じた。


この混ざった匂い…人間以外の何物でもないと思った。


そういって匂いのする方に飛んでいく。


するとそこには少年がいた。


歳にしては私と同じくらいだろうか…


一言でいうなら優しさの塊だと思った。


木に触れている。


その表情がとても幸せそうだった。


すると彼は何かを見つけたようにしていた。


「大丈夫?」


彼の前には足を痛めていたウサギがいた。


「ん~…」


そうつぶやきながらじっくりと観察をする。


「そっか…なら…」


そういって魔法をかける。


するとウサギは元気になってそのまま走り回っていた。


彼はとても満足そうだった。


なんだろう…人間は悪いイメージがあるのに彼には悪いイメージが感じられない。


彼はそのまま木に登って眠った。


近くに寄ってみる。


そして彼に触れてみる。


「?!」


彼の体はとても弱かった。


なんだろう…小枝のような感じだった。


普通の人間よりも弱い。


彼に何があったのだろうか…


気づいたら彼のことだけを考えていた。


それと同時に心がドキドキする。


彼の顔を見ると何とも言えないが心臓の動くスピードが速まっているのを感じる。


彼の寝顔…なんて可愛らしいのか…私はずっと考えていた。


そしてついには彼を私の家に連れて行っていた。


______________________________________


「おふ…とん……あ…あ…あぁ?」


目が覚める。


「あ、あへ?」


さっきまでいたところじゃない…赤いごつごつとしたなにかが僕を包む。


とても暖かくて心地の良い。


「目が覚めたか?」


そうするとドラゴンがこっちを向いた。


「ひ、ひぇ?!」


びっくりして逃げようとすると


「まぁ落ち着け…私はレーネ。ドラゴン族の娘よ」


そういうと彼女はだんだんヒト型になる。


「あ…え?」


突然のことで困惑する。


「突然人間の匂いがして近寄ったらお前がいたから連れてきただけだ。」


彼女はそういう。


「え…」


僕は焦った。


食われるのではないのか?


辺りを見渡すともっと怖がらせるものがあった。


それはなにかの骨だった。


骨が何個も…何個も積み重なっていた。


「お前は住むところがないのか?」


急にそう聞かれて少しびっくりしたがきちんと答える。


「う、うん…」


多分相当ビビっていたと思う。


「これからどうするんだ?」


「き、決めてないけど…」


「そうか!」


彼女は喜んでた。


それと同時に僕はどんどん恐怖に駆られていく。


「ちょ、ちょっと…出かけてくる。」


そういってここを離れる。


彼女が見えなくなったと思ったら全速力で走った。


殺される…ずっとそんなことを考えていた。


_____________________________________


彼は急にどこかに行った。


そして走っている音がする。


そこから考えていることは私のことが怖がって逃げているのだろ…


悲しいな…


私は彼ともっと話したかったのに…


「はぁ…はぁ…」


この胸の中で暴れる感情…


(なんで彼は私から逃げるの?…私のことが嫌いなの?…なんで?…)


もう頭がめちゃくちゃになりそうだった。


「あぁ…あぁぁぁぁ」


そういって吠える。


もうめちゃくちゃになったまま彼を追いかける。


もう彼を二度と放さない。


彼を想うこの気持ちはなんだ?


その気持ちが私をめちゃくちゃにしているのだろう…


「あははっ…逃がさない…ニガサナイニガサナイ…」


もうわからない…


どうしたのだろう…私…


「見つけた❤」


彼は草むらに隠れていた…でも匂いでわかってしまう…それでも隠れているのが可愛い。


「ねぇ…なんで逃げるの?…私のことが嫌いになっちゃった?」


そういって彼に近づいていく。


______________________________________


彼女は僕を見つけると僕の方に近づいてきた。


「ねぇ…なんで逃げるの?…私のことが嫌いになっちゃった?」


後ずさりをする。


どん


「?!」


背中はもう壁にくっついていた。


「もう逃げられないね…ねぇ…私と一緒にいようよ…」


彼女は狂ったような笑みを浮かべる。


「や、やだ…たすけ…」


「助けなんてこないよぉ…ねぇ…どうしてほしい?」


彼女は僕の顔の目の前に顔を突き出す。


「あははっ…やっとわかったわ…この気持ちが…」


そうして彼女は僕を抱きしめる。


「私…君のことが大好きなんだ…」


「え?」


…どうやら僕はなにか勘違いをしていたようだ?


「ねぇ…私のこと好き?」


突然聞かれる。


啞然として何も言えない。


「どうして…どうして何も言わないの?…ねぇ…」


そうして体を引っ張る。


「悪い子にはお仕置きだよ❤」


そういって首を絞められる。


「がはっ…だすけ…」


「私のことが大好きって言ったら許してあげる❤」


「だいす…」


「全然聞こえないよ!!」


そういって腕の力が強くなる。


「が…は…ぁ……」


もう意識が失われていった。


「気絶しちゃったかな?…でもまだまだ許さないからね?」


______________________________________


「あ…あぁ…」


目が覚める。


そこは少女に初めて会った場所だった。


「起きた?」


彼女は僕の方に近づく。


「ねぇ…なんでさっきは何も言ってくれなかったの?」


彼女の瞳は濁っていて光など一切なかった。


「ご、ごめん…かんちがいして…」


「はぁ?…ねえ…私のこの気持ち…どうしてくれるの?」


そういって彼女は僕を押し倒す。


「ねぇ?…ねぇ?」


そういって彼女はたくさん僕を殴る。


「がはっ…げほっ…」


「どうして?!…どうしてなのよ!!」


「いだ…おねが…がはっ…たずげ…」


もう辛い…痛い…。


何も考えられない…もう辛いよ…


「はぁ…はぁ…」


そういって彼女は殴るのを止める。


「でもさ…はぁはぁ…なんだってミスはするよ…だからさ…大丈夫…今回は許してあげる❤」


そうして抱きしめられる。


「でも次はないからね?…返事は?」


「は、はい…」


もう辛くて辛くて涙が止まらない。


「大丈夫…私がいる…」


彼女の温かさが心地いい。


「私とこれからも一緒にいましょ?」


「う、うん」


「あはっ…」


すると彼女にキスをされる。


「んんっ…」


とても気持ちいい。


頭がぼぉっとする。


「あはは…なんか気持ちよさそう…可愛い❤」


「いたっ…」


ほっぺが痛い。


「大丈夫?」


そういってほっぺを舐められる。


「いつっ…」


「大丈夫…私が消毒したから」


あぁ…なんて彼女は優しいのだろう…


「だい…すき…」


「私もだよ❤」


彼女はとても天使に見えた。


______________________________________


あい…異世界…わからない…


まず異世界ならではが生かせない…本当に異世界系書いている人すごいな…


ではっ!

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