23人目 あなたに捧ぐサキュバスの愛


小説のフォロー90人突破あざます!!


この回はヤンデレっぽくないかな…なんかただの感動系でしかないかもしれない…


依存させる系を書いてみたんですけど…ヤンデレ…なのかな?…

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サキュバスという名を聞いたことがあるだろうか。


魔王軍に属していて人間を見つけては襲って精を巻き上げ自分の子孫を残す。


もちろん襲われた人間は二度と息をすることなんてない。


狙われたら逃げることなんてできない。


どんな魔物よりも一番恐ろしい怪物と言えよう。


力も強くて未知なる力を持つ。


今の人間には太刀打ちできるものなんていないと思う。


それは僕も同じことだった。


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彼女を見つけたのは自宅近くの森だった。


その森は不帰の森と呼ばれており一度入ると戻れないのが有名だ。


もちろんそのせいで近くに住んでいる人は僕以外いない。


「ひっっぐ...うえぇん…」


窓をぼぉっと眺めながら憂鬱な気分に浸かって僕は突然外から泣いている声が聞こえた。


もちろん住み慣れているせいでどこにいるのか…どうやって帰るのかなんてすぐにわかる。


だから助けに行くことなんて簡単にできる。


だが問題は恐怖でとち狂って変なところに行ってしまわないことだ。


いくら道を知っていても変なところに行ってしまったらもうお手上げだ。


それで何人もの人たちが行方不明になったことか…


だから不帰の森と呼ばれている。


そんなことにならないために急いで声のところに向かう。


「はぁ…はぁ…どこだ?」


走って声のところに向かう。


どこだ…どこだ…


すると木の下でうずくまっている少女がいた。


歳は僕と同じくらいだろうか?


「大丈夫?」


「えっ?」


なるべく緊張させないために優しく声をかける。


「ここは不帰の森と言って入った人は戻れなくなると呼ばれているんだ。」


「じゃ、じゃあ?!」


「大丈夫。僕はちゃんと道を知っているから…ついてきなよ。」


そういって自宅の方まで連れてくる。


「ねぇねぇ家わかる?」


そう問うと


「…わからない」


と帰ってくる…困ったな…


どうしたものかと悩んでいると…


「ね、ねぇ…私ここに泊まっていい?」


「はぅえ?!」


急に言われびっくりしてしまった。


ここで困ったのは人間では《もし女が自分の家に泊まらせてほしいといったら警戒しろ。サキュバスかもしれない》という思想が一般的であった。


だからと言ってここで泊まらせないのは可哀そうだ…


ただでさえ帰るところを知らない人をそのままにするなんて…ただでさえここは夜は寒い。


だから眠ることもままならずそのまま死んでしまうかもしれない。


だから


「いいよ…君が帰るところを見つけるまでここに居なよ。」


そう言った。


彼女はびっくりしていた。


するとすぐに


「ほ、本当?…だって私がサキュバスだったら…」


やっぱりそれを考えていたのか…まぁ人間親切にしていればいいことが起きるさ。


でも彼女の方は震えていた。


もしかしたら裏切られると思っているのかな…


「じゃあさ…少しだけ僕の昔話でも聞いてくれるかい?」


「ふぇ?」


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僕の両親は不帰の森で死んだんだ。


その時お金も食料もない僕たちは帰ってこれないとわかっているところに行って食料を取りに行こうとした。


僕も行こうとしたが両親に止められた。


「私たちに何かあっても来てはいけません。私たちはあなたのために行くのです。もしかしたら会えないかもしれない…でもあなたのために命を懸けていくのです。辛いかもしれない…でも……でも私たちを見届けてほしい…あなたのために…私たちは行くのです…だから……だから…」


お母さんは泣いていた。


お父さんも泣いていた。


それは僕も同じだった。


「嫌だよ…僕もお母さんとお父さんと一緒にいたいよ!!」


泣きながら言う。


でもお母さんたちは「さよなら」だけいうとそのまま出て行ってしまった。


僕は動けなかった。


止めればまだ生きていたであろう命を…大切な人たちを止めることができなかった。


もちろん両親が帰ってくることなんてなかった。


止められなかった自分をひたすら呪った。


お母さんたちは僕が殺した。


そんなことを何回思ったか…


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「まぁ…そういうことだよ。」


思い出すだけでもっとつらく感じる。


「そ…っか…」


彼女はなにか考えているような顔をしていた。


「ごめんね…嫌な話だったでしょ?…忘れて。」


そういうと彼女は何か決めたような顔をして


「大丈夫…私が助けてあげる。」


そういうと彼女は天使のように微笑んだ。


「え?」


「私にすべてを委ねて…」


そういって抱きつかれる。


とても心地がいい。


「あぅ...」


なんだろう…頭がぽかぽかする。


「ごめんね…言ってなかったね…私はイシューネ…サキュバスなんだ。」


「はぇえ…」


驚き…のことなんだが頭がポカポカしてどうでもよく感じる。


「ふふふ…その顔…可愛いね❤」


彼女は顔をとろけさせるように言う。


「本当は人間を見たらそのまま精をすって殺しちゃうんだけど…でも…私はあなたに惚れた…その優しさ…あなたが生きることがつらいと思っているなら…それなら私のものになりましょ❤」


彼女の顔を見る。


すると彼女の眼はギン!と光った。


「あ、あぁ...あっ...」


頭がぐちゃぐちゃになっているようだ。


「あぁ…素敵…愛してる…」


そういって僕を押し倒す。


「あなたはよく頑張った…これからは私がずっとそばにいる…私とあなただけの世界を開こう…そうすればあなたも嫌な気持ちになんてならないわ」


そうして彼女は僕にキスをした。


舌が絡めあい彼女の温もりを感じた。


「あら…目がトローンってなって…可愛いね…はぁ…そのまま食べたくなっちゃう...」


もう彼女にされるがままだった。


でも一つ言えるのは幸せだということだった。


忘れていた人の温かさ…それがここまで心地良いものなんて…


「もう私に忠誠を誓いなよ…僕はあなたのものですご主人様って。」


彼女は耳元で囁く。


「私はさ…本当はあなたの精を吸う気でいたの…でもね…あなたのその優しさは私を狂わせたんだよ…その責任取ってね❤」


「あっ…ああ…僕は…あなたのものです…ごしゅじんさま…」


もう理性などない。


ただ彼女の従えばいい。


彼女が僕を支えてくれる。


僕の心は彼女の色で染まっていく。


「よく言えました❤」


僕はそのまま彼女に依存していった。


「愛しているよ…ダーリン❤」


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まぁ…個人的には一番を争うほど好きな回ですね。


皆さんが一番好きな回は何ですか?


よければコメントしてみてください!!


ではまた次話でお会いしましょう!!

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