第178話 ボクと彼女の蕩ける愛。
おいおいおいおいおい!?
どうして、こうなってしまったんだ…。て、ぼくのせいか。
ボクが遊里さんの視界から俊輔を除くために、甘い言葉を囁いたのが問題だった。
ごめん、どうやらいくら考えてもボクのせいみたい。
お祭りはもう賑わいを見せていて、多くの客で盛り上がっている。
きっと、この中に茜ちゃんと俊輔や楓と瑞希くんのカップルも混ざっていることだろう。
みんな、上手くやってるかなぁ…。
て、上手くやれてないのはもしかしたらボクだけかもしれない!?
遊里さんはもうとろっとろに瞳は蕩け堕ち、頬も紅潮させ、口からは涎を垂らしている。
うん、とってもいやらしい。
そんないやらしくさせたのは間違いなく、ボクの甘い囁きが原因だ。
『ボクは遊里のことが大好き。今日の夜は帰宅したらいっぱい甘えて良いし、いっぱい攻めてあげるね』
あの瞬間に蕩けていた。
ボクには分かる。うん、理由もわかる。
だって、最近、ボクらは同居していることもあって、そんなにお互いの肌の触れ合いが少ないわけではなかった。
一緒にお風呂も入るし、一緒にベッドで寝ている。しかも、ボクのベッドはシングルだから、かなりくっ付いた状態で寝ていたのも事実だ。
時に物の弾みから、エッチな空気になることはあったが、実は本気でエッチをしていることはあまりなかった。お互いがイチャイチャするのが激しさを増したことはあったけどね…。
うん、断言する。
これ、エッチ好きな遊里さんにとったら飢えてたって感じだよね?
それで、ボクがスイッチ入れちゃったんだろうねぇ…。
ああ、正直、ここで入れるつもりじゃなくて、お祭りが終わって帰ったときに…。
きっと、楓と瑞希くんも一緒に瑞希くんの家でエッチな後夜祭をやるだろうから、マイホームで今日は激しい後夜祭を行っても問題ないと思ってたんだけれど…、まさか、ここで来るとは思わなかった。
これ、キスしたら、もっとズブズブになってしまう感じかな…?
んちゅ…くちゃぬちゅ………
舌が絡み合い、唾液が糸を引きながら、ボクと遊里さんの舌同士を引き付ける。
もう、止めたくない! という気持ちが強く伝わってくるようなキス。
久々にこんな激しいキスをした。
ぷはぁ……
唇が離れると絡み合った唾液が口から漏れ出て一筋の線をつくる。
「はぁはぁ…」
キスだけにもかかわらず、遊里さんはさらに蕩けた甘い吐息を漏らし、ボクの首を巻き込むように抱きしめ、そして再び唇を重ねてくる。
ボクは押し倒されそうになるが、松の幹に身体が支えられ、倒れることなく彼女の舌の侵入を許す。
ぬちゃ…んちゅんちゅ……くちゅぷはぁ………
もう、ボクの理性も持ちそうにない。
彼女はそれを分かってか、フフッと意地悪く微笑み、
「ほらぁ…。隼もエッチな気持ちになって来てるじゃなーい。私もヤバいかも♪」
そのセリフがヤバいです。
ボクはその妖艶な彼女に唾を飲んで期待してしまっていた。
とはいえ、ここではさすがに無理だ。
こういう気持ちが高ぶっている遊里さんの時っていつも、ヤバイ時だったりすることが多いから、さすがに………。
ボクはキスをしたまま、浴衣姿の彼女をギュッと抱きしめる。
「くふぅん♡」
彼女はピクピクンと身体を震わせ、身体を少し仰け反らせる。
唇が離れると、ハァハァ…と吐息を漏らして、再び唇を絡ませようとする。
舌だけじゃなく、もうシチュエーションそのものがエッチです。
「もう、隼ってば本当に最高……」
いや、それ、瞳の奥をハートにさせて言う言葉じゃないから…。
久々にこんな状態の彼女を見たような気がした。
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