第174話 おっぱいカーストの恐怖
茜ちゃんが遊里さんから貰った浴衣は、黒色にピンクや水色といった鮮やかな色合いで流れる水や花などが描かれているデザインだった。
確かに黒髪の茜ちゃんに映えそうなデザインだ。
頬を赤らめて、気持ちを高揚させている茜ちゃんは、遊里さんの方を向き、
「お、お姉ちゃん! こ、これ本当にいいの?」
「えー、だから、私からのプレゼントって言ったじゃん…」
「わぁ…、本当に嬉しい! 色々とお姉ちゃんにショックを与える計画を考えていてごめんなさい」
「いや、ちょっと待って…。いくらなんでも私はそこまでされるようなことはしていないわよ…」
「うん、そうよね…。それなのに、隼さんの唇を奪おうとか、隼さんに抱いてもらおうとか、隼さんのポケットに私の下着を入れておこうとか考えてごめんなさい!」
いや、勇気があったとしても絶対にやったらダメなヤツ!
それ、普通に犯罪だから!
「茜ぇ…、それは本当にやってたら、たぶん、地獄行きだねぇ…」
遊里さんの顔は微笑んでいるけれど、そこに魂を感じないほど冷たい何かを感じる。
茜ちゃんもそれを感じ取ったのか、紙袋を抱きしめながら、震え始める。
「も、もちろん、そんなことしてないよ! や、やるわけないじゃん! 楓先輩じゃあるまいし…」
「ん? それは聞き捨てならないなぁ…。茜ちゃんは私のことをまるでお兄ちゃんと最後まで行けちゃう変態だと思ってるのかい?」
「あ、いえ…」
あー、思ってたんだね。まあ、間違ってないけれどね。
ボクはそろそろ悪化するという頃合で、手拍子をそこで打つ。
「はいはい。じゃあ、そろそろ着付けるんでしょ? ちなみに誰か着付けできる人いるの? ボクは出来ないからね」
「はーいはーいはーい! 私ができまーす♪」
いつの間にか現れた遊里ママこと早苗さんがボクの横で手を挙げている。
それにしても、いつ見ても、遊里さんにそっくりだなぁ…。
遊里さんエロエロ熟女バージョンってこんな感じなんだろうなぁ…。
あは…それもいいなぁ…。
「隼? 何かよくないことを考えているでしょう…?」
「え、ええ!? そんなことないよ!?」
「いや、普通に焦ってるのが怪しいわよ…」
遊里さんはボクに対して冷たいジト目で睨みつけてくる。
「あはは…本当に何もないって…」
「そうよ。遊里もそんなに隼くんをイジメちゃダメよ。そんなにイジメるなら、お母さんが貰っちゃうわよ」
と言って、胸をふにょふにょと押し付けてくる。
誰だよ! 早苗さんの胸が垂れてるとか言ったやつ!
もう、完全に熟女ボディとしてエロさしか溢れ出てないぞ…。
「ちょ、ちょっと! だ、誰が隼をお母さんに上げるなんて言ったのよ! 隼は私のものよ!」
グイッと遊里さんはお母さんの方に胸を突き出してくる。
案の定、ボクは遊里さんと早苗さんのおっぱいに挟まれて身悶えしてしまう。
ああ、すっごいふっわふわ…。これ、絶対に天国だよね…。
味わったことないくらい柔らかい! てか、二人とも攻撃的過ぎるんだよ!
「そろそろやめましょうよ…。お祭りに間に合わなくなってしまいますよ」
うん。茜ちゃん、冷静でよろしい。
茜ちゃんと楓はボクの方を見ているが、少し残念そうに見るのは止めて欲しい…。
「さっきのあの表情って恍惚って感じでしたよね…、楓先輩」
「うん…。お兄ちゃんのおっぱい好きも程々にしてもらわないと、私や茜ちゃんにはないものだからねぇ~」
「せ、先輩!? わ、私はまだ発展途上なので、これからどんどんお胸は大きくなる予定です!」
「あ、そうなの? 今はぺったんこだけどね…」
そう言いながら、楓は茜ちゃんのお胸というか板上の場所をするりと撫でる。
もう、茜ちゃんは悲しさ100倍だろうな…。
だって、目の前には早苗さん(爆乳)、遊里さん(巨乳)、楓(微巨乳)、茜ちゃん(貧乳)と並べば、そのサイズ感が物凄くわかってしまうのだから…。
「き、きっと、お母さんの遺伝子も私のどこかにあるのだから、わ、私も巨乳になるんですよ!」
残念ながら、今後も茜ちゃんは巨乳になることはなく、貧乳から微乳くらいには成長をしたが、結局、ほのかなふくらみを感じるくらいしか成長しなかったのはここだけの話。
ちなみにそんな微乳を愛する彼氏ができ、結婚することになるのだが、それもまた別の話で語ることにしよう。
「さて、じゃあ、着付けを始めるわね…。まずはみんな服を脱いで―――。て、さすがに隼くん、遊里のおっぱいは見慣れているからいいとして、楓ちゃんや茜の裸を見るのはどうかと思うんだけれど…」
「あ、そうですね…。じゃあ、ボクは自室に入っていますね。着付けが終わったら呼んでください」
そりゃそうだ。
茜ちゃんも貧乳(おっと失礼)を気にしているんだから、さすがにここで見るわけにはいかない。
まあ、楓は別にいいんだけどなぁ…とか言い出してるけれど、倫理上は良くないです。
お兄ちゃんが見るものではありません。
ボクはリビングを出て、自室で待つことにした。
みんなの浴衣姿、何だか楽しみになってきたな…。
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