第159話 非リア充を敵に回す、エロカワ彼女
「んふふふ…」
遊里さんはボクの前で仁王立ちになり、意地悪にボクに微笑んでくる。
女の子用のラッシュガードって下もちょっとスカートみたいなものがあるんだ…。
て、そうじゃなくて!
「この間は撮影用として着せられてたから、シンプルな水着だったけど、今回はショップの店員さんと隼を悩殺できる水着を一緒に考えて買ったのよ♪」
彼女の言う「この間」というのは、宝急アイランドの販促ポスターに利用されたあの水着写真のことだ。
あの時は純白な水着で、それと彼女の綺麗な白い肌がマッチして最高のポスターになった。
ウチにも額縁に入れて壁に飾ってあるくらいだ。
もう、可愛すぎて萌え死にしてしまいそうなくらいだ…。
て、あまり言いすぎると自慢が過ぎるよね…ごめん。
「あの水着は私の魅力は出せたかもしれないけれど、でも、可愛らしさっていう部分ではあまり足りなかったのよね~。そこで、今回はちょっぴり志向を変えてみました!」
と言って、ラッシュガードを勢いよく、バッと脱ぎ去る。
すると、いつもの白い肌が現れる。
そして、水着は白系ではなく、今回は黒。
上下ともにひらひらなフリルがついた黒いビキニでご登場となった。
「私、白っぽい肌だから、意外と真逆の黒が目立つし、悩殺できるって店員さんが言ってたんだけれど、その辺、どう?」
「店員さんの言う通りかもしれない。遊里って確かに白っぽい肌をしているから、黒の水着はちょっぴりエロっぽく見えるかも。それこそ、尻尾付けて、頭に角のカチューシャを付ければ、サキュバスだね」
「どうして、隼は私をエロい悪魔に持っていこうとするのかね?」
うおっ!? 何だか仁王立ちが怖く感じる…。
もしかして、怒ってる?
「じゃあ、サキュバスってことはこ~んなことしてもいいんだよね?」
と言って、ボクの後ろから抱き着いてくる。
ふにゅにゅにゅん!!!
うあっ! 吐血しそう!
嬉しさのあまり吐血してもいいかも、これ。
マシュマロのような豊かなお胸がボクの背中にこすりつけられる。
「ああ…。エロ過ぎるよ…。周囲の目も気にしてよ…」
「あ………」
周囲では、必死にナンパをしようとしている男たちやカップルの男たちが嫉妬の炎をがっつりと含めた視線を槍のように突き刺してきている。
え…。ボクが悪いの?
明らかにじゃれ合ってるのは遊里さんの方なのに…。
「えへへ…。可愛いは正義!」
などと言って、ポーズを決めるが、いつから君は戦隊モノか何かを好きになったんだい?
とはいえ、なんやかんや言っても、彼女の水着姿にエロ可愛さが伝わってくるのは間違いない。
ラッシュガードを付けてくれていて正解だった。
着ていなかったら、もっと多くのナンパどもに声を掛けられていたことだろう…。
そう考えると、もっとボクもしっかりと彼女を守ってあげなければと気合を入れた。
「じゃあ、この間やってくれたように~、日焼け止め塗って~?」
「う、うん、いいよ。じゃあ、ここに横になってね」
とボクはレジャーシートの上に彼女を促す。
彼女は横になり、ボクは彼女の背中に隈なく日焼け止めクリームを塗ってあげる。
いつもエッチしているときも見ているけれど、彼女の姿態は本当に綺麗だ。
確かに前から見ると、マシュマロの柔らかさの豊満なお胸があるせいで、そっちがエロく見てしまいがちになるけれど、彼女の魅力のひとつは何と言っても、そのボディラインにもあると思う。
彼女のボディラインは前のポスターでもわかるけれど、モデル顔負けなものがあるから本当に惚れ惚れと見てしまう。
「ねえ、まだ~?」
「あ、ごめんごめん。次は前だね。前は自分で塗ってね。後、足も…」
「え~、足くらいやってくれてもいいじゃん! ケチッ!」
いや、ケチって言われても、さすがに面前でやるのは恥ずかしいです。
この間は、VIPの貸し切り状態だったから、足も塗ってあげることができたんだよ…。
彼女は自分の身体に塗り終えた後、ボクの方に近づいてきて、耳元で、
「次は隼のを塗ってあげるね…」
「そんないやらしくいう必要はないと思うよ…。普通に背中に塗ってもらうだけなんだから…」
「え? あそこも塗っておかないの?」
ボクは顔をブンブンと横に振る。
「ボクが全裸になる機会って今回の海水浴にあるの?」
「うーん。青空のもとでヤらない限りないと思う」
「じゃあ、絶対にないでしょ! 公衆の目線のあるところでボクは君とヤったりしません! そもそも見せもんじゃないので!」
「まあ、私も見られたくないなぁ…。するなら無人島くらいだね~」
「いやいや、やろうとする考えから脱却してよ! 今日は健全な海水浴!」
「はーい!」
返事が大変よろしい! 花丸!
「じゃあ、準備も終わったことだし、一緒に泳ごっか!」
「あんまり遠くまで行かないでくれよ…。ボクは泳ぎがそれほど得意じゃないんだから…」
「分かってるって、まずは波打ち際であはは~ってリア充してあげるから…」
「何だよ、それ!」
「まあ、非リア充の人たちはそれだけでも炙り出せるかもしれないよ…。ヒッヒッヒ!」
本当にこの子は悪魔なんだなぁ…とボクはその瞬間に悟った。
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