第106話 久々の彼はとっても激しかったです♡
また、ヤってしまった……。
私はベッドの上で横たわりながら、罪悪感に頭を抱えていた。
家では絶対に瑞希とはしないでおこうと思っていたのに…。
一戦交えてしまった…。
しかも、隣の部屋にはお兄ちゃんと遊里先輩がいる。
私は枕に顔を押し付けるようにして声を殺した…のだけれど、聞こえているかもしれない…。
瑞希はベッドに座り賢者タイム中。
私はベッドに横たわりながら、息を整えているところだ…。
当たり前だけれど、避妊具はつけているから、わざわざ掃除をする必要はないので楽なんだけれど、久々にしてもらうと彼もすごく激しかった…。
「ねえ、ちょっと激しすぎない?」
私が瑞希に言うと、彼は服を着替えつつ、私の方を振り返り、
「ごめん…。俺もテスト期間中とか…その…何だか、ごめん……」
「本当にびっくりしたんだけど…。なかなかヤバかったよ…」
瑞希はもう何事もなかったように服に身を包んでいた。
本当、男ってすごいなぁ…。こんなにもすぐに普通な状態に戻れるなんて…。
いや、まあ私が知っている事後を見たのは、瑞希だけなんだけど…。
私は少し呼吸が落ち着いたので、服を着替えようと、ベッドから降りて部屋に散らかった下着を身に着ける。
そこに再び瑞希が私を後ろから抱きしめてくる。
「ど、どうしたの!? も、もう、さすがにやんないよ…」
「うん。大丈夫。少しこうやって楓の温もりを感じていたい…」
「………バカ………」
私は昂っていた気持ちそのままに顔を赤らめる。
こんなところ、お兄ちゃんや遊里先輩に見られたら…、そう思うと恥ずかしさでいっぱいだ。
女の子としての部分をさらけ出してしまっている。
「お肌、すべすべしてて気持ちいい…」
突如、瑞希がうなじから背中にかけて、肌を擦りつけてくる。
こ、これって何!?
私はゾクゾクとした感覚に襲われる。
「いい! 第二戦はなしよ。課題をしないといけないんだから…」
「そうだね…」
瑞希が名残惜しそうに私から手を離す。
私はTシャツとショートパンツを履き、ローテーブルに腰掛ける。
一息つくとコップに残った冷たさがなくなった麦茶を飲み干す。
落ち着かねば。落ち着いて課題にだけ集中しないと…。
「さあ、課題をやっちゃおう!」
「うん、わかった…。俺も夏休みがなくなるのは嫌だからな…」
夏休みの課題はありがたいことに一冊の本にまとめられている。
と、言っても市販のものではなく、各教科の教師が作成した原稿を印刷製本されたもので、ページ数としては200ページ弱あるという学生殺しなものになっていた。
さすが進学校といったところだ。もちろん、そのままエスカレーターで高校に上がることも可能だけれど、外部の高校に進学する生徒も半数はいる関係で、受験対策問題が目白押しとなっている。
二人でそのテキストをペラペラと品定めするように見ている。
「これ、結構な量じゃない?」
「ああ…。改めてみるとかなり多いな…。俺もちょっと引いた…」
「まあ、ウチは進学校でもあるから、受験で外部に出ていく特進コースの人たちに取ったら必要なのかもしれないけれど…」
「うん、そうだよな…。それよりもこれ、明らかに特進用の課題っぽくないか?」
「え? もしかして、私たち特進コース用の課題を渡されてるのかしら…?」
「ああ、もしかしなくても、これ特進用だよ。ほら、裏のコードの部分に特進コースを示す『T』から始まる数字が印字されてある」
「これってミスかな?」
「いや、今回わざわざ課題とか一式入れた封筒を各生徒に配布してたから、わざとだな…」
「うあ。最悪だよぉ…。私は部活動もあるし…、それに生徒会の仕事もあるのにぃ~」
「まあ、部活動はないけれど、生徒会の仕事があるのは、俺も一緒だから確かに困るな…。この量は」
瑞希も難色を示す。
まあ、そもそも封筒を受け取った後すぐに確認していれば、こんな驚きはなかったのだろうけれど…。
さすがにこの量は多すぎるだろぉ~と文句の一つでも言いたい気分。
「ま、そんなこと言ってても何も始まらないわ。さっさと問題演習を始めちゃいましょう。こうなったら、タイムアタックよ!」
「マジか…。まあ、テスト明けだけど仕方ないか…」
「まずは数学からよ! 見る限り、私立高校の入試問題の中でも小問集合の部分の寄せ集めのようだから、ワンチャン、タイムアタックでいけるかも…」
「よし、じゃあやるか…」
「負けないわよ!」
「おいおい、数学は俺のほうができるだろうが…。痛い目にあうぞ…」
そうなのだ。
実は私はどちらかというと文系教科で点数を稼いでいる。逆に瑞希は理系教科のほうが強い。
確かにタイムアタック勝負となると、私の方が分が悪いかもしれない…。
「で、でも、今回の期末テストではそんなに点差はなかったもん! その勢いで何とかなるはず!」
「分かった分かった…。じゃあ、勝負な。誤答もアウトだぞ…」
「OK。じゃあ、勝った方が負けた方の言うことを1つ聞くってことで」
「やべぇ、負ける気がしない…」
「ふふふ! 今の言葉そっくりそのまま返してあげるわ! よ~い、スタート!」
私たちの数学の課題30ページ分のタイムアタックがいよいよ始まった!
最初は計算問題ばかり、ここに時間を食ってはいられない。サクサクと問題を処理していく。
それが10ページほどあって、そこから20ページ分は小問集合だ。
たまに引っ掛けのような問題もあったが、そこはさすがに学年トップ2の私たちは、ミスなく問題を解いていく。
ページを次々と
(よし! いい感じのペース! この間、お兄ちゃんに教わったところとか、一緒に買いに行った参考書の問題とかも出てる!)
そして、いよいよラストのページの問題を解き始める。
まもなく、2時間が経とうとしている。
さすがに問題数が多すぎて、手間取る問題もいくつかあったけど、いよいよ終われる!
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