第87話 耐えることが潜入捜査?(橘花凜華side)
隼くんと遊里がプールでイチャイチャしながらランチを楽しんでいるとき、
変装もバッチリで、ウチの社員たちにもバレておりませんわ。
まあ、先程、隼くんと遊里に私のことをベラベラと喋っている社員がいたけど、あとでお仕置きが必要かしら…。いえ、今はそんなことが問題ではありませんの。
今はとにかく隼くんと遊里の関係を見守らなければ…。
まず、見ていて思うのは、二人ともエロ過ぎるということ。
遊里がかき氷をこぼした時のあの対応は何ですの!?
隼くんって意外と積極的なのね。
まさか、遊里のおっぱいの谷間に吸い付いちゃうなんて…。
私と翼ならば絶対にやらない…。いいえ、やらせませんわ…。
でも、翼はしたいのかしら…。
い、いいえ、そんなこときっと…。ないとは言えませんわ…。
初夜があんなに激しかったんですもの…。
て、今はそんなことを言ってる場合ではありませんわ。
私は隼くんと遊里の休日デートを秘密裏に監視するのが今日の仕事。
もちろん、ウチの社員の仕事ぶりを見せて頂くのもありますが、そもそも宝急アイランドに勤めている社員は、皆、楽しんで仕事をしていることを色々と見てきているので、それほど心配はしていない。
と、とにかく、午前中のプールを見守っていて思うに、お外デートが初めてという割には、周囲の人が驚くほど、イチャイチャしておりますわね。
「あのお客様、凄く可愛いカップルですね」
注文を訊いてきた社員(前田さん)が厨房にいる私に話しかけてくる。
私は印字されたメニューを作りながら、前田さんの雑談に付き合う。
マスクは付けてあるから、顔の大半が隠れていて、私だとは思われない。
「そうね。こっちからも見ていたけど、ずっと手を繋いでいるし…。見ているこっちが恥ずかしくなるわね」
自分でもびっくりするくらい標準語を話している。
前田さんはときめく少女のような顔をしながら、あの二人の様子を見守る
「あんな、恋愛素敵ですよねぇ~。私もしてみたいなぁ…」
「前田さんは可愛いから彼氏いるんでしょ?」
「え~、いないんですよ、これが…。大学でもあんまり男性にも声掛けられないんですよ…。何ででしょう…」
「それは前田さんが可愛すぎるからじゃない? 周りの男が引くくらいにね」
「え~、それは言い過ぎですよ~。だって、あの女の子もすっごく可愛いじゃないですか~。それにCEOも最近彼氏が出来たんですって。髪の毛がストレートにされていてさらに可愛らしくなられてましたよね~」
「………………」
私は思わず黙ってしまう。
この子、翼と一緒にプールに入っていた時にシフトで入っていたのね…。
「CEOって。橘花CEOのこと?」
「そうですよ。最近、できたみたいで、彼氏さんと一緒に宿泊もされたみたいですよ。きっと、熱い夜を迎えられたんでしょうね~」
女の子は時としてこういうネタが好きなんですわね。
とはいえ、私が暑い夜を迎えたですって!?
ど、どこから情報が洩れているのかしら…。
もしかして、ベッドメイキングなどを担当している人たちからかしら…。
シーツの乱れからバレた!?
た、確かに激しく翼に激しく攻めたられた時に私、シーツを掴んでいましたわね…。
すっごい乱れてしまい、大きな声で喘いでしまったし、もうどこから漏れているのか分かりませんわ…。
「まあ、でも女の子ってそういうものなんじゃないかしら…。彼氏の前では本性を現しちゃうって感じで」
私が言うと、前田さんはニヤニヤと微笑みながら、
「立花さんはどうなの? そんな彼氏ができる予定は?」
私は掛けている眼鏡をクイッと上げて、
「あるわけないじゃないですか…。こんな陰キャな眼鏡女に見向きをしてくれる男なんてそういませんよ…」
「え~、でも、素材は良さそうなのになぁ…」
「その言葉は素直に喜んでおきますね。はい。できましたよ」
私はハンバーガーセットとポテト&オニオンリングをバスケットに盛り付けたものを、前田さんに渡す。
前田さんは、「さんきゅ~」と言いながら、それを隼くんと遊里のもとに運んでいく。
今日はあまりお客さんがいないから、ここからでもじっくりと観察することが出来る。
隼くんと遊里のイチャラブをとことん見せて頂きますわ!
で、私はそのあと、隼くんと遊里のさらなるイチャイチャぶりを、これでもかと見せつけられることになりましたわ…。
精神的にさすがに破壊されそうですわ…。
で、でも、私は耐えますわ!
遊里たちがどこまでもイチャラブを続けるのであれば、それを使ってウチの宝急アイランドのPRポスターにでもしてしまおうとも考えてますの!
ふふふ…。遊里、待っててね…!
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