第80話 お風呂と私とお兄ちゃん(清水楓side)
お兄ちゃんはすでに先に浴室に入ってもらっている。
さすがにお兄ちゃんと一緒に入るからと言って、私とお兄ちゃんと一緒に脱ぎ脱ぎするなんてよろしくないと思ってるから。
いや、まあ、お兄ちゃんのお布団に入ってエロティックなモーニングコールとかしてきたけど、それはそれよ!
私は変かもしれないけど、そういうところは真面目なの!
私はショートパンツ、下着、Tシャツを脱ぐ。
屋内プールで練習しているから、それほど身体は焼けていない。
半袖を着ている関係で腕の部分とスカートの下だけがほんのりと焼けている。
「うーん…。日焼け止め塗ってるけど、どうしても、ここだけは焼けるのよね…。焼けるならば、完全に遊び系な黒ギャルなんてどうかなぁ…」
自分で想像して似合わないことを理解してしまい、苦笑してしまう。
それと、
「瑞希が許してくれないな…。瑞希、私の白いお肌好きだもんなぁ…」
そこで、ちょっと思い出し笑いをしてしまう…。
「瑞希ってどうして私の身体をあんなにペロペロしてくるんだろ…。すっごく変わったフェチだと思うんだけど…、まあ、あんまり私は気にはしてないけど…。さすがに部活動の後とかは気が引けちゃうのよねぇ…」
私の彼氏の変わった性癖に私は一度も嫌な顔をしたことはない。
それはお兄ちゃんにないものを持っている人だったから。
お兄ちゃんは私に基本的に優しい。
でも、彼は————。
ガラッと浴室のドアを開け、私はその湯煙に覆われた場所に入る。
すでにお兄ちゃんが浴槽で温まっている。
「ふふふ…。お兄ちゃん、久しぶりね」
「あ、うん…。何だかボクが恥ずかしいんだけど」
「ええっ!? 何でよ! お兄ちゃんは、私の裸じゃないけど、遊里先輩の裸はたくさん見てるじゃん!」
「いや、ボクら血が繋がってるんだよ。繋がっていない人の裸を見るのは別に問題ないんじゃない? それに遊里は彼女なんだから…」
「ええっ!? そもそも他人の裸を見るのはエロスを求めてでしょ? 私は妹なんだから、エロの対象にならないから、健全なのよ!」
まあ、この歳になって
……たぶん。
「お兄ちゃんは今まで私の裸を見て育ってきたじゃない!」
「お兄ちゃんのは、楓のもので育っていません」
「————!?」
カァツ! と私の顔は真っ赤になる!
「バカァッ!」
私は腕を胸の前で組み、仁王立ちでお兄ちゃんに抗議する。
「ちょ、ちょっと、楓! 女の子なら隠しなさい!」
「私はお兄ちゃんに見られても何とも思わないものね!」
「その精神は褒められることじゃないよ」
「んぬぬぬぬ………。まあ、いいわ。さあ、お兄ちゃん、背中流してよ!」
「えー、やっぱりするの?」
お兄ちゃんはすごく嫌そうな顔をする。
まあ、ちょっぴりは理解するけど、今日は私のことを慰労してくれるって言ってたし、お風呂にも一緒に入ってくれるって言ってたから、問題なしよ!
お兄ちゃんはそう言いながらも浴槽から出てきて、私の後ろに立つ。
私のお気に入りのスポンジにボディソープを泡立て、身体を擦り始める。
お兄ちゃんがすごく優しい手つきで身体を洗ってくれている。
「楓も大きくなったよね…」
「え? 胸のこと?」
「え!? ち、違うって! 全体的に!」
「ああ、何だ、身長とかのことね…。まあ、中学3年生にもなれば、大きくなるよ」
「まあ、そりゃそうか…」
「ねえねえ、遊里先輩ってサキュバス並みに凄いの?」
「ええっ!? 急な質問だね!?」
「うん。今後のために訊いておきたい」
「遊里には言ったことは内緒だよ…」
「うんうん!」
私は最大級の笑顔で頷く。お兄ちゃんはかなり嫌そうだけど…。
私はシャワーでボディソープの泡を流す。艶やかな肌が流れ落ちた泡の後から出てくる。
お兄ちゃんはやれやれといった表情で答え始める。
私はお兄ちゃんのあとに続いて、浴槽に浸かる。
「どっちがリードしてるの?」
「そりゃ、ボクだよ!」
私はお兄ちゃんに振り替えるように首をひねり、
「へぇ~、お兄ちゃんがリードするんだ…。ちょっと意外って感じ」
「ちなみに楓は瑞希くんとどんな感じなの?」
私は顔を伏せてしまう。自身のこととなると恥ずかし過ぎる…。
本当は私がお兄ちゃんと遊里先輩の辱めを聞こうと思っていたのに、何で私が辱めをあわなければならないのか…。
そのあとも、私は根掘り葉掘りお兄ちゃんに訊いた。遊里先輩には悪いけどね。
エッチな事情を色々と聞きすぎてしまい——。
「…………は、鼻血が………」
「あ、ゴメン、長話になってしまったね…!
「ち、違うっつーの! お兄ちゃんのエッチ事情がエロ過ぎて…。一応、言っておくけど、私、中学生なんだからね!」
私とお兄ちゃんのお風呂タイムはお互いのエッチ事情を叫びあうことで終わってしまった。
もう少し癒されたかったけど、色々と普段できない話が出来たから、ま、いっか。
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