第73話 妹は彼女には勝てない。

 お風呂場では、妹に目いっぱい洗われてしまった…。

 そしてごめんなさい。

 ボクは耐え切れずに欲望を吐き出してしまいました。

 うう…。妹相手に面目ない。当分、両親には会えそうにない気持ちになってしまう。

 ボクの身体を隈なく洗い終えた後、楓と一緒に湯船に浸かった。

 それほど広くない湯船に高校生と中学生が一緒に入っているのだから、肌の密着率が高くなってしまうのは仕方ない。


「えへへ…なんだかエッチだね…」

「何だかじゃなくて、普通にエロいって…」


 ボクはため息を一つ吐く。

 目の前には、妹の白く艶やかな肌がある。

 さすが中学生、肌が吸い付くような滑らかさだ。

 ボクはゴクリと唾を飲みこむ。


「うふふ…お兄ちゃん、私とひとつになりたいの?」

「断じてそれはない…。そんなことしたら―――」

「『遊里に怒られる』のね…?」


 妹は浴室の天井を見上げるように、身体をボクに預けてくる。

 楓のシャンプーの香りがさらにボクの鼻孔をくすぐる。


「お兄ちゃんって本当に変わったよね…」


 あれ? さっきまでのトーンと違う…。

 楓はボクに落ち着いたように話しかける…。


「そ、そう…?」


 ボクにはどうしてそう思ったのか聞きたかったけど、でも止めておいた。

 いや、頭がぼんやりとしていて聞けなかったの間違いかもしれない。

 少し逆上のぼせていたんだと思う。

 ボクは何もかもがすっきりしたところで、脱衣場で服に着替える。


「じゃあ、次は…私……ですね?」

「ええっ!? それはやりすぎ…」

「えへへ…。まあ、そうだよね。さすがにやりすぎは良くないよね」

「あれ? すごく素直だね」

「もう、私を何だと思ってるのよ! ちゃんと本気の相手がいるんだから、お兄ちゃんとするわけないじゃん!」


 ボクは心底をホッとする。

 楓はちゃんと良識のある子だった。


「だから~、スポーツウェアを着た状態で一緒に寝ようね!」

「やっぱり良識が欠如してたかも!?」

「な、何よ! そんな言い方しなくたっていいじゃない」

「え、だけれども、一緒にベッドに入っちゃうんだよ!」

「う、うん…。それのどこに問題が?」

「色々と問題ありでしょ…!?」


 そうボクが言い放つと、楓はそっとボクの後ろから抱きしめる。

 以前に遊里さんにもされたから分かるけど、スポーツウェアは防御力低すぎでしょ!?

 代わりに色んな意味で攻撃力マシマシじゃない!?


「へへへ…。持てる武器は有効的に使わないと…ね?」

「使う相手を間違えているのが問題なんだよ…」

「さあ、お兄ちゃん、もう間もなくベッドインだよ~」


 後ろから抱きしめられたまま、ボクは自室のベッドまで連れてこられる。

 クソッ! どうして逆らうことができないんだよ!

 煩悩のバカぁ~~~~~っ!


「さあ、お兄ちゃん、一緒にベッドイ~~~~~~ン!!」

「そうはさせないわよ!」


 ベッドの掛け布団がふわりと捲りあがり、そこにいたのは……、


「遊里!?」

「遊里先輩!? ここでも最後の最後で邪魔をなさるんですね!?」

「邪魔? 違うわよ…。私の最愛の彼氏を救いに来たのよ」

「救いに来たにしては、防御力低そうなスポーツウェアですけど…」

「う、うるさいわねぇ! あなただってJCの分際で兄をたぶらかしてるんじゃないわよ!」


 言って、遊里さんはグイッとボクに身体を近づけてくる。


「んぐっ!?」


 ボクは、遊里さんと楓の膨らみ4つに挟まれてしまう。

 遊里さんのボディは、楓のそれとは違い、さらにエロさが増している。

 さすがJK……。


「ほらほら~♡ あなたではこんなことできないでしょう?」


 遊里さんはボクの頭を両手で引き寄せると、膨らみの真ん中に挟み込み、ぐにゅぐにゅと絞り上げる。

 これは心地よさを超えて、快感に変わってしまっている!


「ふふふ…。隼って本当に素直で可愛い~。私にとりこなんだからぁ~」

「ぐぬぬぬ…。このおっぱいババァ~!! 今日は私とお兄ちゃんが良いことする日なのに~!」

「ふん! 誰がおっぱいババァよ。対して年齢差もないし、それにまだ垂れてないもん! ただ、あなたのおっぱいでは隼のすべてを包み込んであげることはできないってことよ!」

「うあ! なんかそれムカつくんですけど!?」

「じゃあ、もっとこうしてあげる!」


 遊里さんはさらにボクの顔をもみくちゃにする!

 もう、ダメだよ……。

 ああ…、こういうのを夢見心地って言うのかな……。ボクの意識は遠のいていった。




 あれ? まだ、柔らかさが頬にある…。

 いつの間にかボクはベッドの中に入っていたようだ…。

 あまりの気持ちよさに身を任せたくなってしまう。

 あれ? でも、何だか手足の感覚が戻ってきてる。

 身体が動きそう…。

 ボクは試しに手を動かし、ボクの顔を挟んでいる柔らかいものをムンズと掴む。


「も、もう…バカぁ……!!」


 え?

 遊里さんの甘い吐息がASMRのようにボクの耳元に刺激してくる。

 ボクは気持ちいいものを自ら手を放し、顔を見上げる。

 そこには頬を赤らめて、金髪の美少女…遊里さんがいた。


「えっと、夢?」

「ち、違うわよ…。本物! ホンモノ!」


 ボクは数秒間彼女と目が合ったまま、呆然としてしまう。


「ええっ!? 何でいるの!?」

「あ、ごめん…。休みの日だから、ちょっと午前中にお邪魔しようかなぁって思ったら、反応なくて隼が部屋で寝ているのを発見したから、ちょっと悪戯しちゃったの…」

「そっかぁ…。良かった…」

「良くないわよ…。隼、今さっきまでどんな夢見てたのよ…」


 さすがにリアルすぎる夢の内容を話すわけにはいかない…。

 絶対にそのまま話せば彼女は嫉妬して、あれ以上のことをやってくるに違いない。

 そんなことをしたら、休日の朝からボクは精気を失った萎れたヒトの形をしたものになってしまう。


「別に、大したことはなかったよ」

「あ、そう…」


 遊里さんはジト目でボクを睨みつけてくる。

 嫌な予感しかしない。


「じゃあ、このギンギンの欲望の塊は何なのかな?」


 言って、彼女はボクの下腹部を指さす。


「うひっ!?」

「これはちょっとばかり苦しそうだから治療が必要みたいね…隼」

「だ、大丈夫だよ…。放っておけばそのうち退くから…」

「大丈夫だよ、隼! 私もナニが欲しかったころだから…」


 ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?


 ボクは悲鳴を上げつつもそのまま遊里さんのを受けて、10分ほどで果ててしまった。

 後には、肌を艶々にさせた満面の笑みの遊里さん。

 うう…。今日の彼女もエロくて可愛かったです…。




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