第28話 先輩たちの初めて。
ゴクリ―――。
私は唾を飲みこんだ。
思った以上に私には大きく聞こえて、焦った。
目の前には美男美女の橘花先輩と楓先輩が濃厚なキスをしているのだから。
最初は後ろから橘花先輩が抱きかかえるような感じでキスをし始めたが、今は楓先輩を生徒会の長机に座るような感じでキスをしている。
「んんっ! …ぷはぁ……んちゅ! …はぁはぁ…」
舌を絡ませてのキスを繰り返されている。
見ているこっちが変な気持ちになってしまいそうだ…。
そ、そのエッチな気持ちに――――。
「もう…んちゅ…本当に……ペロペロ…キスだけは…あんっ! 上手いんだから……」
唇を離すと、トロッと唾液が糸を引く。
楓先輩の顔はほんのりと紅潮し、蕩けているようだ。
メチャクチャ、エッチだ。マンガだったら、ここで鼻血吹き出すのは間違いない!
(私もあんなキスを先輩としたい~~~~~~!)
私の妄想も膨らみまくる。何だ、このシチュエーション! 正直、助かる!!
橘花先輩は、楓先輩に顔を近づけると、何かをぼそぼそと耳元で呟いた。
すると、楓先輩はニヤリと微笑み、「いいよ…」と返す。
いつもの水泳部で見る、校内で見る凛々しい楓先輩ではなかった。
その姿は美しい女神のように見えた。そして、それを美味しく食べているオスの姿。
「お願い…優しくして…ね……」
二人は私が見ていることに気づかないまま、身体を重ね合った。
私は身動きできないまま見ていた。
それを終えた二人は、ティッシュで後始末をしている。
「あ、この後お昼ご飯よね…。さすがにこのままご飯食べたら、瑞希は引く?」
「うーん。引きはしないけど、口を
「分かったー。口濯いだら、またキスもしていいよ」
「ベロチューだぞ!」
「何か、それエッチ……!」
二人は笑いながら、生徒会室から出ていった。
凄い展開だった。エッチな動画ってこんなのなんだろうか?
てか、目の前で美男美女の性行為を初めて見て、『綺麗』と感じたのは間違っているのだろうか?
いや、そもそも中学生離れしすぎた二人の行為なのだから、綺麗すぎて当たり前だ。
私は無理やりそう納得した。
この状況を石澤先生に見られたら、終わってたな…。
下着がほんのりと濡れていた。
(ど、ど、どうしようぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?)
私は激しい衝動と羞恥心と…何か訳わかんない感情に押しつぶされそうになる。
私は下半身に違和感を覚えながらも、昼食にありつくため、石澤先生のいる職員室に向かったのだった。
(うぅ…気持ち悪い……)
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