第10話 エピローグ 「行列の消化された繁盛店」

 並んでよかった。

 ニコにはそう思えた。

「うまいな。このラーメンっていう料理は。」

「でしょう?」

 トムが器に入ったスープをレンゲですすりながら、言った。

「カワグチの紹介でね。ぜひとも食べさせたいと思って、今日まで秘密にしていたんだ。」

「なるほどね。それにしても…。」

 白い器の中には、黄金色をしたスープと細身の麺が入り、その上にネギやモヤシ、チャーシューと呼ばれる肉の切り身が乗っかっている。ショウガと呼ばれる薬味を使っているからか、それほどケモノ臭さもない。

「局のみんなにもおすすめしよう。おいしいものを食べていると幸せになれる。」

「高いけどね。その分、価値のある一杯だよ。」

 ニコが声を張り上げる。

「すみませーん!おかわりをお願いします!」

 トムが驚いた。

「まだ食べるの?」

「いくらでも入る。こういう機会に食べとかないと損だ。」

「やれやれ。」

 トムは呆れたようにそう言った。

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ラヂオな時間 -TWO WORLDS- (3) @spaceblue

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