私が子を授かりたくない4つの理由

詩一

はじめに

「あらゆる罪を犯した。父親となる罪だけは除いて」

 ——Eエミール.Mミハイ.シオラン『生誕の災厄』より








『はじめに』


 これは、親子間の愛情や子育てや介護などを否定するものではありません。


 本作品に書かれていることはすべて私自身の価値観です。誰かにこの価値観を強要したいわけではありません。ではなぜこの度私が筆を執ったのか。私がここに記す理由は二点。

 一点は、「詩一はなぜあんな偏ったことを普段から言っているのか」という疑問を持っている方に対する答えを示すため。

 もう一点は、この世には『子育て』や『産みの喜び』に対するエッセイは数多くあるものの、『子育てない』や『産まないの喜び』に対するエッセイはあまり見かけないので書いてみようと思ったため。

 見かけないということはマイノリティであるということ。このマイノリティな思想が人間社会において間違っていることは初めから承知のうえで述べています。社会理念から外れたこの思想は反発を生むことでしょう。しかしコメント欄にて反対意見を提示する必要はありません。なぜなら、この私論に反対する意見は社会にとって概ね正しいからです。前述した通り、これはマイノリティなのです。反対の意見は自動的にマジョリティとなります。この社会は多数決で動いていきますので、マジョリティは必然的に正しいのです。「そうか君は正しくないのか。だったら」と、私をマイノリティの側から脱却させようと企てる必要もありません。私は社会不適合者のままでいいですから、どうか説得だけはやめてください。無意味です。


 その点ご理解いただける方のみ、お読みくださることを願います。


 そして、どうかこのエッセイが、私と同じように『産まない(産ませない)』選択をしたけれども、社会からの圧力や周りからの心無い言葉で傷付いている方の心を慰めるものであってほしいと真に願います。

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