第8話 痛み








「では、要様、失礼させていただきますね。」

「…………」



 うーん、大丈夫かなあ?また一人でふらふらと外に出たり……しそうだな。せめて外履きは無いのかと靴箱を漁ってみたのだが、一足もなかった。それって無関心とかじゃなく、逆に悪意感じない……?そう思うのは私だけだろうか。



「…………」

「…………」



 なんか……藤田氏といい、要様といい………私、ここに来て…………ろくに人と会話してない気がするんだが……。



 今まで何やかんや暁音やら美哉姉やら槐兄と楽しくやってたのだ。人形より人間のほうが口数少ないって何ぞ?最早要様とはどっちが人形??って問いかけたくなるレベル。


 畳にしみでもあるの?ってくらい一点を見つめ続ける要様。びっくりするほど生気を感じない。精巧に作られた美しい人形のようだった。と、要様のふわふわ猫毛のお髪に枯葉が付いていることに気付く。



「要様、失礼します。」


 こめかみのあたりについたそれをそうっと摘もうとした――――――――――――――その時。




それが何か、全然分からなかった。


乾いた何かを引っ掻くような音がして、



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「!!」



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「ああああああああ!!!!!!!」



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『…………はあ?お前みたいなデクノボウが護衛とか意味分からねーんだけど?』


『うっせーな、お前は人形なんだから言うこと聞いとけばいーんだよ。』


『…………おい、稀子!』


『稀子ちゃんてさあ?馬鹿??』






『………………何で………………………………。』



『………………何で、俺のこと、庇ったんだよ……………………お前が、壊れたら、意味…………ないじゃん………………。』





『縺シ縺�%繧上って言って¢縲後◆』

『√i繧上�縺ョざ�だろうが!!縺ッ縺九→』

『⊇縲ゅ阪&縺溘b縺??』

『繧阪∩繧峨していたんだな…………縺峨i縺ォ繧ゅ∴』






痛い………………痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いあああああああああああああたまがいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいわれちゃう!!!!!!!!!!!!





 ばつん!!!!!!!と大きな音が身体中に響いて……意識は暗転した。




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