第46話 セリア救出作戦③
「さて、あのあほが気を引いてる間に私は本命を探しに行くとしようかな」
前回、教会に侵入したときには見つけれなかった。ということは普通では見つからない場所と考えていいだろう。
普通に見つからない場所、目に見えない場所となると
「隠し部屋か」
だけど隠し部屋は普通、処刑しようとしている人間を閉じ込めるには不向きだ、そんな人間入れてたら隠してる意味がないしね、当然見張りの人間も必要だろうから
「となると、目に見えないけど建物の中・・・地下か!ッと!」
死角からの一撃、誰かな
「危ないね、初対面なのにいきなりご挨拶だね。」
一撃離脱か、暗殺者のような手口だ。それに、全く気配がない、普通初撃をしのげば暗殺者のような人間は楽に戦えるはずなのに姿や場所が分からない
「君は噂のアナスタシアの直属の部下かい?随分賢聖を追い回したそうじゃないか」
―――ッシ!
今度は飛び道具か、散発的な攻撃だな攻撃角度から場所を割り出そうにもいないしな
こういうたぐいの敵は苦手なんだよな、いつも正面勝負だしね
「何か答えたらどうだい、それとも恥ずかしくておしゃべりもできないのかい?」
「お前の仲間は死んだ」
声が聞こえた!だけど全く場所が分からない
「仲間というのはエレンのことかな、だとしたら問題ないね、私はあいつが嫌いだから死んでも構わない、だけどあいつは強いだてに【槍術】なんていう平凡なスキルであそこまで強くなったわけじゃないからね
それにしても君、異常に気配がないねもしかしてそういうスキルかな、例えば【気配遮断】とか」
アマルフィが言い切る前に攻撃が来る
「ようやく本体が来たね!」
【気配遮断】であればこっちが視界に入れていれば消えることはない、しっかりと目で追っておけばね
「無駄、ここは私の独壇場」
「な!」
隠れた方向と逆側からの攻撃!?
「クッ、どんな手品を使っているのかな」
「ここなら負けない、あなたを殺すッ」
確かにここは遮蔽物も多いし隠れるところが多い、それに目で追っていても360°どこからでも攻撃が飛んでくるから注意を散らしておかないといけない
「君の言うとおり不利なようだね、だったら有利な状況に変えようかな!」
ここでスキルを発動するのは痛いが時間をかけれられない、発動後は速やかに行動するかね
【天衣無縫】発動!
「何を!」
「何ってすべての遮蔽物を薙ぎ払っているんだよ!おや、見つけた!」
「私は負けない」
「いいや、負けさ。暗殺者は相手に見られて時点で負けが確定しているようなものなんだよ、正面切って戦えるなら暗殺者のような戦い方にはならないからね、戦い方はスキルを教えてくれるようなものだよ」
悪いね、こんなところで時間は使えないんだよ。恨みはないから気絶させる程度にしておこうか
むやみやたらに人を傷つけると後が面倒だからね、人の恨みほどねちっこいものはない
「さて、じゃあ急いで探そうかな」
私は賢聖さんと一緒に飛び込んで一緒に逃げた、そう思ったはずなのに
「私を最初に見つけたのは教会の人だったのが運の尽きです、せめて賢聖さんだけは生きていてほしい」
私にとって賢聖さんは新しい家族のような存在です、私は家族を失うばかりで友達と呼べる人もいなかった、辛かったんです。でも私の前に現れた賢聖さんは一筋の光のようなそんな存在でした、私のことを一人の人間として見てくれるそんなのおばあちゃん以外に居ませんでした
今日火あぶりになってもいい、だけど賢聖さんどうかあなたが幸せな人生を過ごせるように祈っています。
「賢聖さん、最後に一目でいいから会いたかった」
大粒の涙を流したセリアに声を掛ける
「なら、会いに行こうぜ!」
「君がセリアだね、助けに来たよ」
そこには栗毛の女の人と金髪の子供がいた。女の人は私より上だとおもうけど金髪の子は私よりだいぶ下だと思う
「あなたたちは?見張りはどうしたの?助けに来たって」
考えずに出た言葉は疑問ばかりで、二人を困らせているのが分かる、だけど今日死ぬと覚悟していたんだからしょうがないと許してほしい
「うん、セリア落ち着いてくれたまえ、まずは自己紹介をしようか。私はアマルフィ、冒険者だよ。こっちのガキが」
「あ?俺のこと言ってるなら今すぐ謝れ、俺はもう15歳だ!
っと、セリア、さん?俺はエレン、同じく冒険者だ賢聖さんに頼まれてきたんだ」
え、この子15歳なの!?私より一個しか違わないのにちっさい・・って!
「賢聖さん、に?」
「ああ、そうだよ。賢聖に頼まれてきたんだよ彼が君を助けようとしているんだ」
賢聖さんが助けに来てくれたんだ!賢聖さん生きていたんだ!
急に胸が熱くなったのを感じた。
「セリア、さん。賢聖さんはここにはいねーよ、あの人は今アナスタシアって聖人と戦ってるぜ、賢聖さんが表で大立ち回りしてくれてるおかげで俺たちがここまで救いに来れたんだぜ!ってわけでさっさと行こうぜ」
「初めて意見があったね、こんなところで長居したくないセリア賢聖のもとに帰ろうか」
そうしたいのは山々だけど私と二人の間には厚い鉄格子がある
「そらよっと!」
エレンがひと振り槍を振るうと紙きれのように鉄格子を切り裂いた
「すごい」
「ま、まあな」
「君は素直に褒められることに慣れていないんだね、今度嫌になるほど褒め倒してからかってあげようか?」
「はぁ?!お前本当に嫌な奴だな!」
この二人の関係は短い時間だけど大体わかった、賢聖さんまた変な人と知り合いになったんですね
「では賢聖さんのもとにお願いします!エレンさん、あと私のことはセリアでいいですよ!アマルフィさんはエレンさんをからかうのはここから出てからにしてくださいね」
「む?」とアマルフィが、それに続いて「なるほどこれは賢聖が気に入るわけだね」
「お、おお」とエレン、「俺のこともエレンと呼んでくれ」と言うがニッコリ笑顔で却下されそれ以上言えなかった。エレンはこの瞬間本能的にセリアにかなわないことを悟った。
「さあ、行きましょう!」
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