第41話 反抗期程厄介なものはない
「あー、そろそろいいかな?新婚ほやほやのような甘い雰囲気をここで出されても困るんだがな」
『誰が新婚か!』
グラムはいきなり何言ってるんだ!
「おい!わざわざ呼びつけるから何かと思ってきたがこんなもの見せられるのが今回呼んだ理由なら俺は変えるぜ!」
「っと、そんなにイライラするなって。賢聖紹介するよ、こいつは『黄金の獅子』のパーティーリーダーをやってるエレンだ。」
この人が昨日言っていた後遺症のある人か。ローブ来てるから正直よくわからんな
「おい、俺は値踏みされるような視線が嫌いなんだ、今すぐやめろ。お前、素人だなどうしてこんな素人が俺に会いに来てんだ、ああ。そうかいら俺に依頼したいんだろ、だが悪いなお前ごときが払える金で俺は動かねーよ!例えグラムのおっさんが頼んでも断るぜ」
おっと、なんとも強烈な人というか子供だなー、身長は低めだし年齢も15.6ぐらいに見えるなセリアと同年代かもな
ただ、ファーストインプレッションが悪いのは困るな、さて何とか信頼を勝ち取るのが先だな
「すまない、そんなつもりじゃなかったんだ。自己紹介をするよ私は加賀賢聖、グラムさんから聞いてるかもしれないが君が今困っていることを助けるために今日来たんだ」
「はぁ?何言ってんだよ、あんたに何ができんだよ、てめぇみてーな雑魚に俺をどうにかできるとかありえないし、ましては助けるだぁ?ありえねえ」
ありゃ、こういうタイプの人か。さて完全に言葉が届いてない状況だなー、強引に進めるのは得策じゃないしな
でもここでやるべきことはセリアのために仲間を増やすことだ、何とか説得させて話を聞いてもらえるようにしないとな
「おい、ガキ。黙って聞いて居ればペラペラと偉そうなこと言っているね、それ以上私の相棒を侮辱してみろ、二度と歩けないようにしてやるぞ」
鳥肌が立った、これが殺気というやつなんだろうか。平和な国で生きてきたからわからないけれど怒気を含んだアマルフィの声が静かに部屋に響いた
「あ?あんたは何なんだよ、ああ分かったぜ、彼氏がボコボコに言われて怒ったんだな?そこのポンコツもポンコツだがあんたも雑魚だろ、口出すなよ」
「誰がポンコツだって?」
「そこのひょろいやつだよッ!」
―――キィン
エレンとアマルフィの槍がぶつかった。
アマルフィはスキルを使ってなくても俺から見たら十分人間離れした身体能力だと思う、力もあるしな、だけどそのアマルフィの攻撃をあのエレンって子はいなしている。
なんかどんどんヒートアップしているように見えるぞ!?
「アマルフィ!よせ!」「エレンやめろ」
必死な俺の声とは別にグラムは低い声で止めに入った。
「賢聖、いいのかあそこまで馬鹿にされてたんだぞ?悔しくないのか」
「別に俺はあんまりそうは思わないしそれにアマルフィが怒ってくれたからな、それで十分だ」
「ハッ、軟弱なこって。貧弱なうえにやり返す気概もないと来たか」
「エレン、それ以上俺の恩人を馬鹿にすると真っ先に俺がお前を下すぞ?」
グラムも仲裁に入ってくれている。
なんというかエレンって日本でいう中学生みたいだな、跳ねっ返えりでとにかくなんにでも反発している反抗期だ
グラムが止めようとしてもそれでもエレンは吠える
「グラムのおっさんが俺を下すだ?ケガでスキルが使えないあんたが?無理だろ」
「はぁ、見せるつもりはなかったがこのままじゃらちが明かないか。【剛力】————フン!」
グラムはそういって腕を振り下ろして机を粉砕した。
俺はこの化け物集団の中から生きて部屋を出られるのだろうか
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