第39話 顔が赤いのはお酒のせいさ

アマルフィはどうやらアナスタシアに会ってしまったのか、それで聖人の洗脳を受けたんだな

早く気が付いて本当に良かった、ここまでで分かった情報はセリアが火あぶりに会うまであと5日ということ、そしてあの場所にアナスタシアがいるということだ。

どちらも知れてよかった、期限と敵の正体が分かったのは大きい。

それにアナスタシアの能力はこっちが自覚していればおそらく少しは抵抗できるはずだ、それにあの能力多分何んらかの制限があるはずだ、でなければすでにこの街は全員洗脳されているはずだし冒険者は完全に言いなりなはずだ


「アマルフィ、少し落ち着いたか?」


あの後アマルフィはひどく取り乱した。いきなり洗脳が解けて状況を整理するまで混乱して時間がかかった。

アマルフィがあそこまで取り乱した姿を見るのは初めてで俺も驚いた、普段は大人で余裕があるように見えたが聖人のスキルの影響なのだろうか


「ああ、すまないね。アナスタシア、彼女のスキルは強力だ、他人に干渉できるのは恐ろしいとも言ってもいいだが、強すぎるスキルには何か欠点や代償があるはずだ、私のスキルがそうであるようにね。まずはその対策を考えることと賢聖のスキルが天敵だからどう使うかというところだね」

「多分、多くの人に一度に使うのは難しいはずだ、でなければ今頃みんな洗脳されている。だけどあいつのスキルの強いところは言葉で発動できることだ、俺の【リハビリ】は直接触らないと効果が発揮しない」

「確かにそうだね、対策はこれから残りの時間で考えていこう

賢聖、改めてお礼を言うよ、ありがとう君がいなかったらと思うとゾッとするよ」


アマルフィは深々とお礼をした。


「いいさ、アマルフィはいつも俺を助けてくれるからな、今回も俺を助けようとして起きたことだしむしろ危険な思いをさせてすまない」

「ふふ、賢聖そこは私に恩を売る場面なのにもったいないことをしたな」

「この程度で恩を売れるなら俺はアマルフィに返せないほどの恩を買っていることになる」

「今日はえらく褒めてくれるね」


そう言って、「早く食事をしよう、冷めてしまってはおいしくない」とアマルフィが言ったがその顔は少し赤かった。

俺は紳士で大人だからなわざわざ指摘したりしないのさ


「なんだか暑いね」


食事は冷めているし部屋も別に熱くないけどね、墓穴を掘っていくスタイルか

だが私は紳士!


「きっとお酒を飲んだせいだよ」

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