第38話 何の冗談だ?
「私はどうしてここにいるんだ」
気が付けば広場にいた。
「何か大切なことを忘れている気がするが、思い出せないな」
さっきまで覚えていたのに度忘れしたかのような感覚だ、だがこのまま忘れたことを思い出すのに時間を使ってもしょうがない、どうせ賢聖のことだ我慢できずに宿から考えなしに飛び出すかもしれないからな
ん?我慢できずって何をだ?
「変な感覚だな、喉元まで出かかっているのに出ないな」
このまま帰るのも癪だし何かご飯を買って帰るか
「賢聖帰ったよ」
「アマルフィどうだった?」
「ああ、上々さ」
「早速で悪いが教えてくれ」
えらくがっつくな、分かったぞ相当お腹を空かしているんだな。それは悪いことをした、調子に乗ってついたくさん買いすぎてしまっただけでなくて途中途中でつまみ食いをしてしまって時間がかかったからな
それにしてもすごい剣幕だな、ここはおとなしく渡しておこうか
「ほら、これが今日のご飯さ、いい匂いだろ?この饅頭なんて甘くておいしいしこの肉もうまい、街に来るまでちゃんとした食事取れてなかったからこれでパーっと行こうとしようか」
「は・・・?」
「ああ、すまない心配しなくていい、ちゃんとお酒も買ってきているから大丈夫だよ」
「アマルフィ、何言ってるんだ?冗談なら笑えないからやめてくれ、早く本題に入ってくれ」
どうも食事に対してじゃなかったみたいだ。どんどん顔が険しくなってきているが全く身に覚えがないんだけれどどうしたものか
「賢聖、いったいどうしたんだね。君がそんな風な顔をするなんてこの短い期間だったが一度もなかったじゃないか」
「お前、まさか」
「一体なんなんだい、正直私にはわからないだけど賢聖教えてくれ、君は一体何を私に求めているんだい」
賢聖がブツブツ言っているな、アナスタシアがどうこうとかって言っているけど誰だいその女は
「アマルフィ、ここを出てどこに向かったか覚えているか?」
「賢聖、何が原因かわからないけど怒っているなら謝るよ、だからそんな風に私を馬鹿にするのはよしてくれ」
「アマルフィ、大切なことなんだ答えてくれ」
「それは当然・・・」
おかしい、私は何をしに外に出たのだろうか
「確か、賢聖と話して外に出て・・私は何をしに出たんだ?買い物か・・?いや、そんなはずはない、何か何か大切なことを!賢聖!私は!」
「アマルフィ、もう大丈夫だ」
賢聖の手がそっと頭に触れた。
「!?け、賢聖何を!」
「ん?ああ、悪いついな、でももう大丈夫だ、全部思い出しただろ?」
ついって、賢聖にドキッとしてしまった自分が恥ずかしい
全部思い出したって
「そうだ、私はこの部屋を出て教会に向かって、聞いたんだ、セリアが後5日で火あぶりになるって、それで聖人に会って、気がついたら広場にいた。どうしてこんな大切なことを忘れていたんだ、私ともあろうものがこんな失態を犯すなんてありえない」
「君があったのはピンク髪の女の聖人だったんじゃないか?」
「どうしてそれを、賢聖もしかして知り合いかい?そうならその人に頼んで早くセリアを助けよう!聖人なら一人の少女を開放なんて余裕だよ」
「そいつの名はアナスタシア、そいつが今回の元凶だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます