第35話 最悪の状況
「セリアという女の子を探している」
そうアマルフィが言ったっ瞬間、グラムは頭を抱えた。
「悪いことは言わねぇ、手を引きな」
「知ってるのか!?セリアは無事なのか!」
セリアが生きている、それもグラムが知っている。ん?どうしてグラムが知っているんだ。
「賢聖、まずは落ち着きたまえよ。どうもいい話だけで終わらない、というか状況は悪いんだろ?」
「まさか、教会相手に何かしようってことかよ。アマルフィの推測通り、セリアって子は異端者、魔女として扱われてるよ、なんと火あぶりにするんだとさ」
「なんで!」「そこまでとはな」
どうしてセリアが火あぶりになるんだ、狙うべきは俺なのに
「よくは知らねぇよ、ただ教会に楯突いたんだろう、それで火あぶりにだよ。その子の知り合いってことは理由は賢聖の方が思い当たる節があるだろ。一応くぎを刺してるが俺らは教会とことを起こす気はないぞ、いや厳密にはできないんだ。」
「立場は分かってるつもりだよ」
「教会は恐ろしいですもんね、気持ちは理解できます」
あいつらは非道で下劣だ、何の権限でセリアを火あぶりにするんだよ。
だが、グラムのおかげでセリアの場所が分かった、それに今はまだ生きているこれだけでも分かったのはいい知らせだ
「おい、賢聖。何か勘違いしてるぜ、俺は教会に屈することはない、あいつらに負ける気もしねえ」
ビクッ!
わずかに怒声を含んだグラムの声が体を震わせる
「グラム、賢聖に悪気はないんだ、許してくれ」
「分かってる、少し感情的になったな。だが俺も立場がなければ何でも手伝えるんだがそういうわけにもも行かねえんだ」
立場?
「賢聖、紹介が遅れたね。彼はここの街シンテルクのギルドマスターのグラムだ」
「ギルドマスター?っということはここで一番偉い人・・・?」
「改めで名乗るぜ、ギルドマスターのグラムだよろしくな」
「二人とも人が悪いな」
グラムが言う教会ともめれない立場というのがここの冒険者は格安で教会の【ヒール】を受けれることになっているらしい、ベテランはともかく駆け出しの冒険者にとってこれほどありがたいものない。金も稼ぎのいい仕事もない時期に怪我をすれば行き倒れになるがここではその心配もないというわけだ、何人かに一人はグラムみたいになるらしいがその時は冒険者はできなくてもほかの仕事を受けれるぐらいの状態に戻るから仕事にも困らないというわけだ
「確かにここは教会の【ヒール】の恩恵をもろに受けてるものね」
「個人的な感情を除けば、まあ教会と揉めるのは避けたいところだ。中には俺みたいになることもあるがこればっかりは運が悪かったと俺らは割り切っているんだ」
確かにそんな状況だと教会と揉めるのはグラムとしては避けたいよな。だがこれでグラムの協力は絶望的か、どうにかセリアを救う方法を考えないとな
アマルフィと話していた想定できる最悪の状況ってやつだな
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