第21話 【聖人】

「ここか」


街から出るのはあっさり出れた。なにも苦労がなく


「さっさと逃げよう!」

「どこに行かれるのですか?」


こ、この声は!


「アナスタシア、さん」

「やはりあなたは普通の人とは違うようですね、そうですか、スキルの発動をやめるのでお話しませんか?」


どこがスキルの発動をやめるだ!!がっつり発動してやがる!


「この感じはあなたのスキルだな!精神汚染か何かか!?」


余裕がなく声を荒げる

セリアも抗っているようだが長く持たないような感じだ


俺はここで一つの賭けに出ることにした。それは俺のスキルの可能性だ、俺のスキル【リハビリ】は文字の意味をそのままとらえるのであれば元ある状態に戻すスキルだ、発動条件として状態の把握がいる

つまり、相手のスキルによる状態異常も状況さえ把握してみればもとに戻せる可能性があるはずだ

そして、相手は話を少しでも長くして洗脳のような状態にしたいわけだ。


「フフフ、落ちるまでもう少しといったところでしょうか、いいでしょう教えて差し上げます」


掛かった!


「私のスキルは【聖人】、私の言葉は正しく聞こえ、崇拝の対象になるというものです。つまるところ価値観を私ファーストにさせるということですね。」

「つまり、洗脳ってことだな!」


【聖人】とは名ばかりのスキルだな、詐欺みたいなものだろ!

だが、これで確証を得た。状態としては錯乱状態のようなものだな、価値観をゆがめるもの、であれば俺のスキルは発動するはずだ!


「・・・人聞きが悪いですが、あえて言い返すなら人々を導くといってください」

「自分の都合のいいほうにだろ?」


よし!セリアに発動した!


「(セリア大丈夫か?)」

「(はい、これが賢聖さんが言っていいたものですね)」

「(ああ、折をみて逃げるぞ!)」


じりじりと距離を取っていく


「ん?あなた、私のスキルがもしかして効いていないのですか?」


流石に違和感を持つか、だがもう遅い!


「セリア森に逃げるぞ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る