第19話 どなた?
「何をやっているのですか?」
そこには明らかに雰囲気違う女性が立っていた。
「「アナスタシア様」」
さっきまでのやり取りが嘘だったかのような二人の反応だった。
見た目はセリアより少し年上のような印象を受けるが、様づけとな、若くて偉い人とか一番関わりたくない・・・
「あなたが【ヒール】のスキルを持っている疑いのある人ですね」
話す言葉一言一言がおかしい、カリスマというか心地よさが異常にある
本能的に感じる、この人は危険だ、ここにきて一番やばい
「テスラ、結果はどうでしたか?」
「白でした」
「では、なぜここにいるのですか、わざわざご足労いただきありがとうございました。あなたの無実が証明されたので帰っていただいて構いません」
「ッ!はい」
な、何とか声が出た
自分の意志とは別に心酔しそうになる感じがする、この人のためだったら何でもしたくなるようなそんな気持ちだ
とにかく危険だ、それだけは分かる!早く離れないと!
「で、でわ失礼します」
「ああ、一つだけ」
「な、なんでしょうか」
「うちのものが失礼なことをしてしまい申し訳ありませんでしたね」
最後の言葉は聞かないうちに足早に逃げるようにして教会を離れた。
セリアは完全にボーとしていたので無理に手を引いて歩いた
「はぁはぁ」
異様に疲れた、かけられた言葉はいたって普通だが言葉というか立ち振る舞いから受ける印象がただ事じゃない
もう少し話を聞いているとおかしくなりそうだった
「セリア?」
急いで宿まで帰ってきたがその間、俺が夢中だったというのもあるがセリアは一言も話していなかった
「セリア!?」
ボーとしている、まるで意識障害のようなそんな印象を持つ
「おいおい、なんでだよ。普通じゃないだろこれ」
体をゆすり声をかける
「セリア!」
「へ、賢聖さん!?」
「戻った?!」
「え、なんで、賢聖さん抱きしめてるの?!」
「よかった!セリア大丈夫か!?」
「い、いまいち状況が読めませんが・・・(賢聖さん混乱しているみたいだし、抱き着いてもバレないかも、チャンス!)エイッ!」
賢聖は誤解のないように言えば抱き着いてはなく両肩をゆすっている状態だったが目が覚めたセリアからは抱き着いているように誤解した、というわけだ
ちなみに賢聖の頭の中はどうしてセリアがこんな状況になったのか、何が原因なのかで頭がいっぱいでセリアの行動にさく頭のキャパがなかったためセリアの好意的な行為を気に留めなかったことになる
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