第5話 タイムリミット不明の脱出ゲームスタート
「セリアさん、セリアさんは大丈夫だといいましたがおそらく教会に知れるのは時間の問題でしょう」
「そんな」
「組織として力があるな間違いなく私を突き止めると思います。なので面倒になる前に早急にここから出ることにします」
「でも!」
「ここまで親切にしてくださったセリアさんに迷惑が掛かるのは私の本意ではありません。ありがとうございました。」
さて、さっさとここから出ないとな。正直文明レベルが低いってことは理不尽が通りやすいって俺は思ってる。俺は臨床家であって政治家でもないしましては物語の主人公みたいな感じじゃない。
危険が目の前にあってそれを回避できる場合だと早急に回避するべきだろ。
そうだ、考え方を変えよう。ここは言葉も通じるが文化や文明が違う。つまり英語が話せるようになって海外旅行しているのと同じだ。病院に勤めてるとどうしても患者の関係で長期休暇はとれないし、もともと旅行が好きだった俺にとっては天国な状況じゃないか。
ただ、身一つという状況を除いて
「待ってください!」
「いいえ、恩人には迷惑はかけれませんよ」
「教会の人が目をつけるのは時間の問題でしょう。ただそれは今すぐというわけではないと思います。あなたをそのまま身一つで放り出すわけにはいきません」
「それは私が迷い人だからですか?であれば心配ありません。信じてもらわなくて結構ですが私はこの年までどうやって生きてきたかという記憶はありませんが前世の記憶はありますので、何とか生きていくぐらいはできるでしょう」
「無理ですね!あなたのいうことが正しくても、あなたは何も知らないじゃないですか!そんな人ほっておけませんよ!」
ここで口喧嘩してもしょうがないか、完全に押し問答だし、ここはさっさと折れるが吉か。
でも、迷惑かけたくないってのはほんとなんだけどなー。いつの時代も世話好きで損をするタイプってのはいるもんだな。ほんとに俺を見つけてくれたのがこの人でよかった
「やれやれ、あなた損するタイプでしょ」
「いいえ?私は最後には必ず勝つのですよ」
「そういうことにしときましょうか」
「ええ、そういうことにしといてください。では急いで私の家に行きましょうか、旅に必要なものを準備しますね」
「何から何までありがたい。」
この世界というか、この国の情報速度ってどのくらいなんだろ。現代に生きてるとこんなこと数秒あれば伝達できるからなー。日本みたいな国だったら一週間以上余裕ありそうだよな。永遠と会議とかしててくれればありがたいんだけど
セリアさんの家に来た。セリアさんは両親は他界しており祖母と暮らしているんだそうだ。
スキルの植物採取をうまく駆使して薬草や山菜をとってそれを薬屋に売って生計を立てているそうだ、薬自体の値段は高くないけど需要はあるから裕福ににはならないけど生活できる収集は得られるみたいだ。それと衝撃的な事実でセリアさんは16歳なのだと
もう、びっくりだよね。逆に16歳でも働いて生計を立てて生きていく必要がある世の中なんだということにも当然、驚きを隠せなかった。
「初めまして、加賀といいます」
「・・・あんた、【ヒール】のスキル持ってんのかい?」
「おばあちゃん、なんでそれ知ってるの!?」
このセリアのおばあちゃん、挨拶しただけで察しが良すぎるだろ。この世界どうなってんの?
それにセリアさんや、反応が露骨すぎる・・・ごまかせないじゃないですか
「セリアさんが反応した以上、取り繕っても仕方ないのですけど参考までにどうしてそう思われたんですか?」
「わたしゃ、【託宣】というスキルなんだよ」
「託宣ですか?それって神からのお告げ的なものですか?」
「神かどうかまでは分からんがお告げが聞こえるな」
え、それ前世でいうジャンヌダルク的なやつやん。すげ、この世界だと魔女裁判にかけられることもないんだ。
スキルなんてとんでもなものがある世の中だと文化違うんやな
「ではそのお告げが聞こえたと?」
「詳しくは分からんよ。ただ、教会から逃げろって聞こえたんじゃよ」
「あー、なるほど」
教会がスキルの独占しているそれは共通認識で、その教会に追い回されるとしたら【ヒール】がらみのことか
「最初はついにわたしの最後が来たのかと思ったがそうじゃなかったってこった」
「最後?」
「おばあちゃんね、教会から追放されたの」
・・・・おっと、こりゃなんともまあ、類は友を呼ぶ的な同じ境遇な人をすぐ見つけちゃったよ。
ん?でも
「追放?」
「そうじゃ、もとは教会でスキルを使って居ったんじゃよ。そりゃ、【託宣】なんてのは神の代行みたいなもんじゃからな。そう考える連中が多いって話じゃ」
「なるほど、それならなんで追放されたんですか?」
「金儲けに使われたからじゃよ」
了解、把握した。教会汚職まみれ。この国の闇ここに見たり。
それでも教会がないと成り立たないように、つまりインフラになってるんだろうな。そんなに金儲けに従事してたら反発すごいだろうに
というか、ここに来ることでセファさんには完全に迷惑になってるな
「それで話は戻すがの、加賀とやらなんのスキル持っておるんじゃ」
「それは少し話がややこしくなるのですが・・・」
そうして俺のスキルと置かれている現状、これからの打開策どうすればいいかを話し合った。
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