第3話 Devils

「はい、静かに。転校生を紹介します。HQ模試で全国1位を取り今日から皆さんの仲間になる神城キラ君です。彼はあの難問のHQ模試で5科目498点を叩き出した天才です。皆さんの良い刺激になると思います。

 ではキラ君、何かわからない事があったら高位飛鳥(こういあすか)君に聞いて下さい。席も隣なので初めのうちは一緒に行動すると良いでしょう。」


 窓際の一番後ろの空いている席に腰をかけた。窓は大きなガラス張りで校庭が見える。ドームの中なのに明るく緑も見えるし景色もいい。あれ?ここ5階だよな。校庭?まさか5階に校庭があるのかどんだけ広いんだここは。あまりにもケタ外れで驚く事ばかりだ。

 周りを見渡すとこちらを向いて見ている女子がいる…目が合うとニコッと笑った。アゲハだ!同じクラスだったんだ。前も可愛らしかったが、しばらく合わないうちに美人になったな。授業が終わるとアゲハが真っ先に近寄ってきた。

「キラ!待ってたよ」いきなりの呼び捨てに周りがザワつく。

「久しぶりだなアゲハ。ところで…。」と言いかけた時にアゲハが口を押さえた。

「キラ、今日夜ご飯一緒に食べよう。」

「あ、うん」これは人前で喋るなという意味だよな。

「キラ、学校の中案内するよ」飛鳥が話しかけてきた。

「あ、サンキュ。じゃあアゲハまたな」教室を出て飛鳥と歩き出した。色々な人が教室を覗きに来ていたので落ち着かず連れ出してもらえて良かった。


 図書室やパソコン室など様々な設備があり、どれも皆最新だった。飛鳥に誘われ校庭に出た。どう考えても普通に地上にある校庭の様だった。

「飛鳥すげえな校庭、ここ5階だろ。違和感全く無いな。」

「ああ、そうだな。穴も掘れるよ。」

「マジか。すげーな。」

「学校の話はある程度聞いたか?」

「まあ、決まりとかルールとか。」

「学校の皇帝の話は?」

「皇帝?なんだそれ。」

「この学園は3ヶ月に1回HQテストがある。キラもこちらに来る時に受けたと思うが、その時は頭脳テストだけだったはずだけど、この学園内のHQテストはそこに射撃や格闘技が入る。全ての分野で好成績を収めた1人が皇帝となり、学校を支配する事が出来る。この学校は小さな国だと思った方がいい。」

「国?」

「皇帝によって国が良くなるか悪くなるか変わる。酷い奴が上に立つと人を殺しかねない。公にはなっていないが過去に殺された奴もいるらしい。まあ滅多にないと思うけどな。」

「ちょっと待てよ。殺されるって本当にか演技とかじゃなくて?そんな事ありえるのか?」

「この中で起こった事は世間には知らされないからな。隣にもう一つ学園がある話を聞いただろ。そっちはDevils

と言って逃げ出せない様に隔離され、そこにいるのは金持ちの子供では無い。犯罪を犯した事のある子供達を集めて殺し屋、スパイを育て上げていて、シューケットの金持ちの奴らの駒として利用される。自分で犯罪を犯したものもいれば、両親が犯罪者でその子供は両親のせいで犯罪者になる可能性があるとして連れてこられた者もいる。その中には殺すターゲットが決まっている奴もいて、それに向けて訓練をしている。そして失敗するといずれ殺される。生きていたとしても辛い生活を送ることになる。」

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