登場人物&用語集


■登場人物

※身長などの数値は、鴇野孝太郎大学二年生時点のもので統一されています


鴇野ときの孝太郎こうたろう

7月13日生まれ 172cm 20歳

好きなもの/古典文学 嫌いなもの/裏切り

特技/人の顔と名前を覚えること


安曇大学文学部国文学科に通う二年生。幼馴染の影響もあり、日本の古典文学(特に平安期)を好んでいる。

人当たりがよく、困っている人がいたら放っておけない。

朝霧と出会ったことにより、ラネットにまつわる事件に巻き込まれていく。


数奇な事件の真相に翻弄された結果、期せずして時間移動し、五年前、中学三年生の頃に戻ってしまう。



韮沢にらさわ瀬名せな

3月26日生まれ 145cm 17歳

好きなもの/甘いもの 穏やかな時間 嫌いなもの/待たせる人

特技/料理


鴇野孝太郎の後輩で、夜臼坂学園に通う高校三年生。現在、孝太郎と一緒に暮らしている。

生真面目な性格で、甲斐甲斐しい。名家の一人娘でもある。

成績優秀で、数々の方面に才能を持つ。絵画コンクールでは何度も最優秀賞を取っていたほど絵が上手。


五年前の世界では、中学一年生。多くの習い事に忙殺される中、いつも夜の公園で絵を描いている。



朝霧あさぎり

166cm

好きなもの/梅 天体観測 嫌いなもの/永遠

特技/柔道(黒帯)


過去からやってきた旅行者。長く伸ばした髪は、桃色と緑色のグラデーションという奇妙な色。

少し抜けているところがあるが、ラネットが世界に及ぼす影響を危険視している。

秋萩が犯そうとしている「禁忌」を防ぐため、暗号を手がかりに彼を探している。

時間移動で「百年の壁」を超えるという禁忌を犯してしまい、呪われてしまった過去を持つ。



神庭かんばみたき

5月27日生まれ 152cm 15歳(行方不明当時)

好きなもの/混沌 嫌いなもの/秩序

特技/古典文学の読解 煽動


鴇野孝太郎の幼馴染。

夜臼坂学園の生徒だが、早い段階で学校に通わなくなり、いつも家の土蔵に籠って本を読んでいる。五年前、中学三年生のときに行方不明となった。

神庭家は皆原市に古くからある名家で、ラネットや時間を操る術に長けている。

実はカルト集団の先導者で、「黒闇天こくあんてん」と名乗り信者たちにラネットで人殺しをさせていた。


孝太郎は彼女が行方不明になる前にタイムリープしたため、カルト集団の凶行を止める必要に迫られる。



尾上おうえあい

178cm

好きなもの/美しいもの 嫌いなもの/醜いもの

特技/人の悪口


安曇大学文学部文化人類学科に在籍している二年生。いつも白衣を身に纏っている陰険な男。

民俗学研究会で、ラネットに関する研究を行っている。



葦原あしはら教授

五年前の世界での、安曇大学文学部文化人類学科の教授。専門は民俗学。

民俗学研究会を率いており、ラネットについても研究している。

神庭みたきの危険性に気づいており、孝太郎の協力者となる。


上木かみき美伽みか

五年前の世界での、安曇大学文学部文化人類学科の二年生。民俗学研究会のメンバー。

派手な容姿の女子大生で、性格は天然。ラネットキャンセラーを作ることができる。


笠沙かささ三朝みささ

五年前の世界での、安曇大学大学院文学研究科修士一年生。民俗学研究会のメンバー。

弱気な性格の男だが、空間停止の術に長けている。


秋萩あきはぎ

朝霧が探している人物で、彼女の弟。


末広すえひろ穂咲ほさき

民俗学研究会に所属している女子大学生。尾上ととても仲が悪い。


不破ふわ俊頼としより

黒闇天の狂信者。


鴇野ときの麻衣まい

鴇野孝太郎の母親。有名な絵本作家。


翁丸

鴇野孝太郎の実家の近所のおばさんが飼っている柴犬。人懐っこい。



■用語集

・ラネット

人間は深く絶望すると自分自身の《時間》を止めてしまうことがある。

世界の時間とずれた《時間》は黒色に見える。ラネットとは、黒く染まった人や物の、黒色そのものを指す言葉。

これは誰にでも起きるということではなく、皆原の地で元々素養のある人間にしか起こらない現象。

状態がひどくなると、世界に歪みだと判断され淘汰される。平たく言うと黒くなったものごと消える。

ラネットは触れたものに伝播させることが可能で、これを利用して他人を消すことができる。


・時間移動

数限られた人間にしか行えず、民俗学研究会の人間でも上手く行えない。

違う時代へと身体ごと移動する「時間跳躍」と、別の時間の自分へと精神を移動させる「時間転移」の二種類があるという。孝太郎が行ったのは後者。


皆原みなはら

地方の政令指定都市。本作の舞台。古くは「時枝ときえだ」と呼ばれていた。

神話の時代から時間という絶対の縛めが緩く、人間の意志によって時間を変えることができるらしい。


安曇あづみ大学

皆原市にある至って普通の大学。歴史はあるが自由な校風。鴇野孝太郎や尾上靄が通っている。

この学生が次々と行方不明になる事件が起きた。


・民俗学研究会

民俗学の研究とは名ばかりで、ラネット研究を行っている組織。

これまで担当教授が、橘教授→葦原教授→渡良瀬教授と移ってきたらしい。尾上が師事しているのは渡良瀬教授。


夜臼坂ゆうすざか学園

皆原市にある小中高一貫校。伝統があり、設備も充実している名門校のため、生徒に地元の良家の子どもが多い。鴇野孝太郎や神庭みたき、韮沢瀬名が通っている。


・如意宝珠

神庭みたきが持っていたという首飾り。横に広い雫のような形をした白く曇った石が、竹紐につながれている。

ラネットを弾く特殊な能力があり、鴇野孝太郎が持っていたが壊れてしまった。

五年前の時点では、まだ神庭みたきが所有している。


・百年の壁

時間移動における禁忌。百年以上の時を越えようとすると、世界から罰を与えられてしまう。


・世界

時間と空間と魂という三要素で構成されている。


・魂

生命の核となるもの。あらゆる過去と未来、世界において同一のものである。


・飽和

あまりにも長い間絶望し続けてきた人間は、その止まった《時間》が世界に定着する「飽和」という状態になり、淘汰されなくなる。だが、他人に触れられて消されることはある。

飽和している人間は、ラネットの扱いに長けている。


・ラネットキャンセラー

上木美伽が作り出せるアイテム。

装着者のラネットの発動を妨げるという、如意宝珠と似た効果を持っている。だが、ラネットで消される側の人間が着けていても効果は発揮せず、身を守ることはできない。


・空間停止

周囲の時間を操作し、空間ごと停止させる術。これで、他人の動きを止めることが可能。

民俗学研究会の人間は、独自の機械のアシストを用いなければ空間停止を実現できない。さらに、機械があっても上手く行使できる人間はまれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る