耐えられませんでした。
かむヨン
耐えられませんでした。
突然ウィル様に求婚された時は、頭をどこかに強く強打したかと思いました。
国の王子様が急に何を言ってるんだと、
きっと、気まぐれで相手にしているだけで、すぐに飽きるだろうと高を括っていました。
ですが、何日も何ヶ月もついには2年も求められたりしたら、絆されに決まってるじゃないですか。
それに、天下の王子様に告白され続けて惚れない女がどこにいますか?
少なくとも、私は貴方様を好きになっていましたよ。序盤のあたりから。
ん?なんですか、その顔は
だったら、もっと早くにいい返事が出来たって?
私だって色々悩んでたんですから、許してくださいよ。王妃教育のこととか、王妃様のお姑問題とかなどなどです。まぁ、王妃様とはすぐに仲良くなれたんですけどね。
1番の問題は愛妾でしたよ。
私と結婚する男性は私だけを愛してくれる人ではないと、絶対に嫌でしたからね。
王子の立場の人なら浮気し放題じゃないですか
お前は、私を信じられなかったのかですって?
そりゃ最初は信じられませんよ
けど、こうして信じて一緒にいるじゃないですか
ウィル様は第二王子ですから、世継ぎ問題も大丈夫だと思ってました。
色々と苦悩して、こうして結婚できた事は私にとって本当に幸せでした。
幸せだったんです。
私に子どもができないと知るまでは…
1年のうちはまだ平気でした。それが、2年…3年…4年…と過ぎてしまえば流石の私でも産めないと分かりますよ。
ウィル様は大丈夫、子どもがいなくても、君を幸せにできると言って下さった時はどこのキザ野郎かと、とても…とても嬉しかったです。
でも、不幸というのは連続で起こるものなのですね…
それとも、今までが幸せ過ぎたんでしょか…
次の王様を決定する時、第一王子様が流行り病で死んでしまい、宮廷中は大混乱でした。
王様は王妃様ととても仲が良く他に行くなんてない程だったので宮廷には、第一王子と第二王子しかいませんでした。
必然的に王様になるのはウィル様しか候補はいない状態で、凄くお疲れ気味で心配でした。
いつか、倒れるんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ。
ウィル様は頑張りました。とても頑張っていました。
だから…そんな暗い顔をしないでください。
私は全然平気です。全然平気だったんです。
ウィル様の心に私がちゃんといましたから。
たとえ、王様になると共に私は愛妾という立場になっても
王妃としての務めができない役ただずは、周りからは認められず大反対
私の代わりに同盟国のお姫様を王妃とのお声が挙げられ
ウィル様が大激怒
普段怒らないので、びっくりしました
けど、私はその時
ウィル様はこの国が大好きですよね、だから1番悲しい立場なのに
1番頑張って王様をやっているのですから
皆さんの意見を聞き入れましょう
貴方様は、王子ではないのです、王様なんですから。もう我儘は言ったらダメですよ
貴方様の心に私が常にいるのなら私はそれだけで生きていけます。
ちょっと未練がましいですが、物分りはよくできましたでしょう?
同盟国のお姫様がこの国にやって来る前に
お姫様には私のことはなるべく話さないよう離宮に移されました。
そして、お姫様がやって来ました
凄く可愛い子がウィル様の隣にたった時、私の中でモヤモヤがうまれました。
結婚式をあげている時も…
ウィル様がお姫様と初夜を明かした時も…
涙は我慢しました。
自分が承諾したのだから、絶対に弱音なんかはかない
ウィル様が私を愛してくださっているから、私は全然大丈夫…
そう、心に言い続けてました。
ウィル様も私と結婚した時と変わらず接してくださるし毎日申し訳ないくらい来て下さるので、なんとか私の心は強く入れました。
ですが、お姫様が懐妊すると同時にウィル様は、私のところにやってくる足は遠のきました…
初めてのご懐妊で忙しいのかなと、あまりきにしていませんでした。
毎日だった訪れが、1日2日と開け、2ヶ月に1度になり、段々と心がズタズタになっていきました。
決定打となったのは、お姫様の赤ん坊が生まれてしばらくたった時です。
元気な男の子が生まれたと女中に聞き、
めでたい事なのに
私は醜い嫉妬にみまわれてしまいました。
なんとか、この嫉妬を払拭したくて気分転換に初めてウィル様に告白された、庭に出かけました
それがいけなかったんでしょうね…
見てしまったんです。
貴方様がお姫様と
産まれたばかりの赤ん坊を愛おしい目を向けているところを…
今まで、私に向けていたあの眼差しを
私ではない者に向けていた
その事実が、どんな事があっても流さなかった涙が、初めて頬を濡らしました
「だから、だからウィル様…私を殺してください」
「な、なにを言っているんだ!」
「それが無理なのならば…どこか遠くに…
ウィル様やお姫様の事が耳に入らない辺境に送ってください
でなければ…私の心は嫉妬でどうにかなってしまいそうです…!」
ウィル様は強く私を抱きしめる
「ダメだ!絶対に…絶対に手放すものか!
一生愛すると、一緒にいると誓ったではないか!」
「…申し訳ありません、私が…私の心がもうこれ以上
ウィル様とお姫様のお姿を…私が欲しかった未来を見てると心が壊れてしまんです!!」
「ではなぜ!なぜあの時望まなかったのだ!あの時ミーナが嫌だと!自分が王妃にと望めば…!」
「その選択に私は後悔をしていません…
何度その時になっても同じ答えを私は出します
貴方様を愛しているから…」
「愛して…愛しているのなら!殺してなど…俺から離れることを選ばないでくれ…」
ウィル様が泣いているお姿、初めて拝見しました…
その姿で私は醜い優越感に浸る
本当に浅ましい…こんな状況が…ウィル様が私を求める行為に嬉しがるなんて
「ウィル様、私は貴方様と過ごし結婚生活はとても幸せでしたよ
お願いです…もう一緒にいられないことをわかってください…
すべて終わりにしてください」
ウィル様は、もう何も言わずただ強く…きつく抱きしめるだけだった
耐えられませんでした。 かむヨン @kamuyonn1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます