〜パンをきな粉で洗うギャンブル 後編〜
[優]「残念だけど…俺が勝たせてもらうぞ。」
[柚]「優…さっきの魔法、相当な手練れだな。学校のサボりがまるで嘘みたいに。」
[優]「隠してた訳ではないんだけどな…普段使いに面倒くさいんだわ。早めに片付けてやる。」
[柚]「めんどくさがりは変わらず、か。俺の魔法と、優の魔法、どっちが勝つかな。」
[マナシフト]
柚希が奇妙な指の動きをすると、周りに蒼色の炎が柚希を包んだ。マナシフトは、マナギアと呼ばれる魔法駆動の入力方式、出力方式を変化させる魔法であり、上位の魔術師が使うものであり、魔法の放出範囲や威力を調節できる。
[優](うーわマジ…?マナシフトはめんどくさ…。)
ワンパターンでない攻撃が来ると確信した優。ワンパターンの攻撃なら対策できるが、そうでないなら苦手なのだ。
[マナギア|38:62]
[ポイズンブレス]
早速と言わんばかりに魔法の襲歩。しかし、普通の魔法とは違い、横に広かった。広範囲を埋め尽くすほどのものである。
[優]「クソ!やはりギア比高めで来やがったか!」
[柚]「ここの空間はさほど広くない。広範囲の魔法で埋め尽くせば、一網打尽だからな。だからギア比を高めにし、範囲を広げた訳さ。それも、高ギア比で起こりうるダメージの低下をカバーするために、毒魔法でね。」
このルールでは、攻撃を受けてはならない、故に一度もダメージを受けてはならないと同義。毒魔法をなんとかしなければ、優の敗北となる。
[クラウドフロー]
とっさに思いついたのが風魔法。しかし柚希はそれすらも見越していたのだ。
マナギア|18:82]
[リフレクター]
吹き込んてきた毒魔法が、反射魔法に一気に集結、結果としてレーザー同様のものと成り果てた。
[柚]「おしまいだ!優!」
[優]「チィ!」
魔法をぶつけなければ、やられる。ギア比は低い。高威力をぶつけないければならない。最悪、相殺にまでもっていかないと、負けだ。
[アサルトユートピア]
星と暗闇の混ぜ合わせ、新たな力となる魔法。限られた魔法使いしか使えないその技は、柚希は知らないものだった。
[柚]「なんだ、この魔法は?知らないぞ…。」
だが、変わらず打ち返すだけ。打ち返しきれなければ、負けだ。
お互いの信念と、魔法をぶつけ合う勝負。
[優][柚]「吹き飛べええええ!!!」
爆発音が鳴り響き、双方の魔法はぶつかり合う。それらは消滅はせず、近郊状態となっている。
[柚]「く、このままじゃ、魔力切れを起こす。仕留めないと。」
[マナギア|1:99]
[ラピッドサンシャイン]
[優]「うが…!」
柚希のとった行動は、目くらまし。それもただの目くらましではなく、ギア比をこれでもかと狭めたもの。簡単にいうと目にレーザーだ。範囲が狭い代わりに、銃弾のような威力を伴う。優の魔法は、宿主の魔力供給がなくなり、勢いよく押される。悲しいかな、優へと向かって行って。そして。
[インフィニティレボリューション]
優の出した決死の魔法。その魔法は、再び柚希の魔法とぶつかり、急激に押していく。
[柚]「まだ…こんな力があるとは…。」
[優]「魔力消費半端ないから使いたくなかったのに…。目痛ぇんだわ畜生…。」
[柚]「お互い限界が近い、終いにするぞ!優!」
[優]「あぁ柚希。こうなりゃ根性の耐久戦だこのやろう。」
[優][柚]「うおおおおおおおお!!!!」
響き渡る音波。魔法のぶつかりで起きる魔法火花。影の付かぬほどの強烈な光。全ての現象そのものが、その勝敗を分けていく。そして、静まり返るその時が、その勝負が終わったことを示す。
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