〜パンをきな粉で洗うギャンブル 前編〜
[ア]「これからマジックジャックを行います。まずは魔法世界へと転送いたします。」その瞬間、フワッと落ちるような感覚を感じ、気づけば、まさにギャンブルの世界観とも言えるべき空間が広がっていた。
[裕]「おお…。」
[未]「ここは…。」
「それでは早速、ユーザーの皆さんに、カードをお配りします。」カードと言っても物理的なものでなく、脳内に数字がイメージされた感じである。
[優](なるほど…。3か…。)
[ア]「ではまず、一番数字の大きい方をお呼びします。」アナウンスから告げられた人名は…。
[ア]「では、横浜未来さん。こちらへどうぞ。」
[未]「えぇ!?ボク!?」
未来は地面にある光る輪っかのところに移動した。
[ア]「横浜未来さん、戦う相手を選択してください。」
[未]「んーとね。じゃあ、優くんで!」
[優]「…e?…は?」
まさかの優を指名。つまり優は、未来と戦うことになる。
[優]「まじかよ…。乗り気じゃねぇな…。」
[未]「ほらほら!行くよ!」
[ア]「では、第一回戦、横浜未来さんと、品川優さんの戦いを執り行います。」
その直後、周りに円形のバリアが張られた。電気性で作られてるので触れると痛い。恐らくは接触でも失格となるだろう。それよりもまずは相手。未来の魔法は水が多い。液体の性質、故に避けづらいことは容易に想像できる。
[未]「いくよ〜!」
[アクアストライク]
水魔法の基本技。しかし、蛇のようなうねりのある軌道で、優に襲いかかる。どう考えても避けるのは難しい。そこで優はこの魔法を取った。
[優]「ふぅ…。これでいくか。」
[ロールファイア]
これも簡単な炎魔法だが、使用者を中心に炎が取り巻く。襲いかかる水は蒸発となった。
[未]「へぇ…。その技で行くのか…。ボクも本気を出さないとね。」
[優]「やるからには、本気でやるぞ。」
[サファイアストーム]
[未](この技は割と強めで撃ってる…。避けられるかな?)
しかし、優は避ける方法を取らなかった。
[インフィニティレボリューション]
黒い圧力。それも無数にあり、その全ての未来に降り注ぐ。
[未](え、なにこれ避けれn…。)
漆黒の霧が晴れると、そこには未来がうつ伏せで倒れていた。
[優]「勝負あり…だよな。」
[ア]「第一回戦、勝者は、品川優さんです。横浜未来さんはドローとなります。」
[未]「な…なんすかこの魔法…。ガク。」
その後、未来は、優の手札を1枚引くこととなる。そして、元の空間に戻された。
[舞]「あ、おかえ…り?」
[裕]「え、優が勝ったん?」
[柚]「らしいな。未来ちゃんぐったりしてる。」
[舞]「いや…なんの魔法使ったのよ…。」
[優]「ん、普通の魔法だが。」
[未]「キュ〜…。」
そして第二回戦が幕開けとなり、この戦いでは柚希と、指名された舞が戦い、舞の魔法の連撃による勝利で柚希がドロー。続く第三回戦では、また柚希と、そして指名者は裕二となり、柚希が勝利し、裕二がドローとなる。
[ア]「第四回戦を執り行います。カードをお配りします。」
そして配られた後、空間にチャイムが鳴り響く。
[舞]「…きたわね。」
[優]「なにこの音。」
舞はゲーム経験者であるため、このチャイムの意味を知っていた。その答えがアナウンスで判明する。
[ア]「ただいまのカード配布におきまして、21点となりました方がいます。」
そう、21点の知らせだ。ここで21点を脱落させないと、全員の負けが確定する。そして、その一人勝ちを狙おうとする輩は…。
[ア]「これより、21点の新橋裕二さんによる特別戦を執り行います。制限時間は1分です。」
[裕]「うお、マジかよ。…ん?」
[4人]「さぁ、ショウタイムだ。」
殺意マシマシの4人の攻撃を裕二が掻い潜るこの戦い。運動神経のいい裕二だが、4人の攻撃を避け続けるのは、人間として厳しい。
[裕](やべぇ…。疲れてきた…。)
[優]「隙を見せたな。裕二。」
[裕]「げ、しまった…!?」
[アトラクトレーザー]
優が放った魔法。それは追尾性能をもつ光線である。普段の裕二なら、避けられかもしれないが、疲労状態により、直撃してまった。
[ア]「これを持ちまして、特別戦を終了します。新橋裕二さんはドローしてください。」
[裕]「クッソ…。マジかよ…。」
[ア]「ただいまのドローにおきまして、新橋裕二さんの手札は、総数43となりました。よって、新橋裕二さんは、追放。第5位となります。」
[裕]「4人の攻撃避けるとか無理ゲーだろおおおおおお!!!」
その断末魔を最後に、裕二は空間から静かに消滅した。
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