〜学食と書いて勝色〜
平凡な学校にも、戦というものは何処かしら起きる。そして、今回の戦の舞台は、食堂だ。今から数分前のこと。
[柚希]「裕二、ちょっとメニュー見てくんね?親友だよな?(圧)」
[祐二]「なんだよ〜。面倒くさいな。親友の頼みだから見てくるけどさ。」
[優]「お前、親友の頼み系統ならなんでも受けそうだな。」
[柚希]「金貸して?親友だろ?(冗談)」
[祐二]「お前やべぇな。流石にムリ()」
[柚希]「冗談なのに解せぬ。」
[優]「いや銭関係は駄目だろ()」
ガヤガヤと話し合う3人、優、裕二、そして柚希である。と、そこで裕二がメニューを見たタイミング。裕二は固まった。
[祐二]「あばばばばば!?」
「「どうした?」」
[祐二]「あ…揚げパンだ!戦争だぞお前らああああ!!一品に揚げパンがあるぞ!!」
[柚希]「揚げパンだと!?やってやらあああああ!!」
[優]「揚げパン!?お前ら◯してやらああああああ!!!覚悟しろよおおお!!!くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
男子3人の雄叫びは非常に醜い有様。特に酷いのは普段おとなしい優である。ここ最近、まともな糖分を取ってないせいか、モザイクレベルで酷い。そして3轟音の雄叫びは近くの女子にまで聞こえて…。
[舞]「え…。マジ…?」
[未来]「どうしたの?まいっち?」
[舞]「揚げパンだって!未来!取りに行くよ!」
[未来]「揚げパンんんん!!???よっしゃ待ってろ揚げパン!」
[舞]「えちょ、早!?」
そして…。
[未来]「おらぁ腐男子どもぉ!、揚げパンはボクの物だあどきやがれ!!」
[祐二]「ワッツ!?誰!?」
[優]「未来かよ!ちょっと待て!ルールを!」
[未来]「あ、そっか。ルールあったね。」
[祐二]「こいつやべぇなおい。」
[舞]「もぉ未来。見切り発車しないでよ。」
[未来]「えへへごめんごめん。揚げパンには目がないんだ。人殴るくらいに。」「「やべぇなおい。」」
[優]「まぁ分からなくもないよ。美味しいし。炎魔法で立ちふさがる奴を焼き払うレベルには。」
「「「お前が一番やべぇよ!」」」
さて、この揚げパン戦争の概要を説明しよう。優たちの通う学校では、食堂があるわけだが、普通メニューの他に、一品料理みたいのがある。この一品料理、文字通り一品しかない貴重なものでレアな食べ物が出るのである。ちなみにエスカルゴも出るけどそれは不人気。そして、その一品料理を食べるには、あるゲームをしなければならない。イカサマなしで限定ジャンケンを。(…カ◯ジ?)冗談です、すいません。ゲームは、いくつもの種類があって、どれなのかはおばちゃんのみぞ知る。
食堂のおばちゃんは陽気なご様子。
[メイ]「やぁやぁ5人も揃って賑やかだねぇ。今回はどれを食べたいんだい?」
[優]「…この5人で一品料理対決だ。」
[メイ]「…へぇ。本当にやるのかい?」
[舞]「もちろんですわ。」
[メイ]「…そうか。やるぞ小僧どもぉ!」
陽気なおばちゃんは一変、魔王のような性格となった。
[メイ]「あんたたち、今週のゲームについて知ってるかね?」
性格が悪の組織のボスのように変わり果てた食堂のおばちゃんがドスの聞いた声で尋ねる。すると柚希が発言した。
[柚希]「ごめんおばちゃん!俺はルール知らないんだ。教えてほしい!」
[メイ]「ふ、良いだろう。ルールの全てをお前達に教えてやろう。」
ルールはざっとこうである。今回のゲームの内容は、マジックジャックというもの。ブラックジャックと似た名だがルールが異なり、戦うことで戦況が変わる。
1.最初に1枚か2枚、カードを引く。
2.引いた時点で数字の大きい人がアタッカーとなる(!?)アタッカーは1人指名することが出来る。
3.指名された人とアタッカーはタイマンで戦いあう。攻撃が当たった人は、当てた人のカードを1枚ドローする。あくまで避けゲーなので、◯す気で戦わないこと。
4.21点を越え、次ターンでも、21点を越えている状態ならば、失格となる。
5.21点を越えた場合、そのターンは確定でその人がアタッカーとなる。21点超えが2人以上ならば、アタッカーが2人以上となる可能性が出てくる。ただし、指名できる人は変わらず1人のみ。
6.21点になった人は、それ以外の人からの攻撃を一定時間耐えなければならない。この時、21点の人は攻撃をしてはいけない。つまり、21点以外の人から総攻撃を掻い潜るハメになる。一度も当たらなければ一人勝ち。当たれば21枚以外の全ての人の手札からドローする。ぶっちゃけその人らからしたら、選ばれたを手札捨ててくれるようなもの。
7.ディーラーは存在しない。カードの配布は機械魔法である、マジックジャックのシステムによって生成される。なのでカードは完全乱数。そしてイカサマ検知器付きで、イカサマには雷魔法が撃ち抜かれる。
これがルールである。戦いは序盤の通り、5人で行う。おばちゃんは機械を持ってきた。
[柚希]「えっと…ナンスカコレ。」
[メイ]「コイツがマジックジャックだ。我が手持ち金では、中々の値段がした。」
不覚にも、優はおばちゃんが結構カツカツだと思ってしまった。そして、機械を起動すると、アナウンスが聞こえた。
「マジックジャックへようこそ。私はこのゲームの、ディーラーポジションとなります。以後、ゲームについてアナウンス致します。」
こうして、マジックジャックは幕開けとなった。
No.11 横浜 未来[魔法レベル2]
舞の親友。フワッフワのロングヘアーで学校では清楚枠ではある。しかし、好物や好きな人の前だと、はっちゃけまくりの本性が出るボクっ娘。実は優とは幼馴染、というか中学の頃付き合っている。ただ優は何も言わない性格だからか、まわりからは付き合ってるようには思われておらず、それを知っているのは舞や裕二などの知り合いのみ。それでも優は大好きらしい。
No.12 高麗川 メイ[魔法レベル2]
食堂のおばちゃん。ではあるがイベントの思い付きと、その性格の豹変ぶりから、生徒たちからは人気のおばちゃん。魔法は就任した際、自然と扱えるようになったという、ある意味実力者。ただ炎魔法をガスコンロの点火にするくらいしか用途はない。孫がやっていたゲームを見ていた影響で、魔王の人格が形成されてしまった。ただ、本人は面白いので、気にしてないらしい。ちなみに高麗川は[こまがわ]と読む。
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