〜直感〜

 今日の授業は応用魔法とのこと。

[優]「あ~…、だるいわぁ〜…。」

[祐二]「相変わらずだらしなさに磨きがかかっているぞ、優。」

 ツッコミを入れられた。

[祐二]「お前の場合、魔力皆無だから体育だろ。こちとら魔法練習やぞ。」

[優]「魔力あっても無くても大変だなw」

[祐二]「その煽り、自虐要素もあるって気づいてるか?」

[優]「そうだったわぁ…。」

 二人してグッタリである。この学校では、魔力が少しでもある人は魔力科に、一切無い人は体育科の授業コースとなる。なので微弱といえど魔力がある優は魔力科であり、魔力が無い裕二は体育科である。ちなみに優の場合、魔力が微弱な上、魔力容量(マジックキャパシティ)も少ない。運動系でいう、体力がないから嫌がっているのだ。

[祐二]「ズル休みするか。」

[優]「ズル休みって公言しちゃったよ。」

[舞]「ズル休み良くないよ〜。」

『いやどっから現れた!?』

 気づいたら舞がいた。

[祐二]「びっくりさせないでくれよ。」

[舞]「お二人さんが無意識過ぎるのでは?」

[祐二]「いやまぁビビったけど…、舞ナイス。」

[舞]「よくわかんないけどやったぜ。」

 なぜ裕二がそう言ったのは優を見たら一目瞭然だ。

[優]「…いってぇ。」

[舞]「いや優コケてるw」

[祐二]「だらしには効くんじゃね?」

[優]「あんたらひっでぇな!」

 ビックリに弱すぎる優に無慈悲の予鈴チャイムが轟く。

[祐二]「やっべ行かないと!」

[優]「その前に救出してくれよ!」

[舞]「いやそこまでコケ具合酷い?」

[優]「椅子ごと転倒するほどビビった自分に驚いてるくらい。 」

[祐二]「いや自分で言うのかよw」

 後に起こされたが、この構図はクラスの人から見れば、間抜けな構図であり、ネタとされてしまった。


 学校が終わり、いつもなら電車で帰るが、寄り道をしている。

(いつもは移動があれだが、たまにはありか…。)

 優はそんな事を考えつつ、路地裏に入っていった。そこにあるのは、お好み焼き店。(ここ美味いんだよな。小さい頃からよく行ってたわぁ。)

 そう思いながら店に入って行った。注文したのは広島焼き、優の好物だ。

[優]「…あぁ~、美味い。とろけるわ〜。」

 舌鼓を打っていると、優は店外から違和感を感じた。

(何だコレ…何かやばい気が…。)

 優の勘は自他ともに不幸の予感と考えてる。早めに食事を済ませ、支払いして出る。店主のおばちゃんも心配の様子だった。

[おばちゃん]「ゆっちゃん!どうしたの!?」

[優]「ごめん用事思い出した!全部食べたからお金置いとく!間違ってたら明日の朝言ってくれ!」

 テーブルに置かれた金銭。

[おばちゃん](どうしたんだろ…。会計合ってるけど、あの慌てようは見たことないわ…。)


 外に出て見れば、人がいた。

[?]「久しぶりだな、品川…。今日が決着の時だ。」

[優]「…ッチ。厄介な奴に出くわした…。まさか気配の正体がお前とはな…。」


「米原 創始…。」

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