〜変態三つ巴〜

[優]「あー…疲れた…。」

 そんな愚痴をこぼし、ポストから何かを取り出し、ため息と同時に家のドアを開ける。

[桜]「にぃちゃんおかえり〜。」

[優]「ただいま…。」

 ゴロゴロとゲームしている妹がいる。妹とは2歳差。コイツは中学で高嶺の花の存在らしく、同級生では大人気なのだが…

[優]「なんでくっ付く…。」

[桜]「兄貴の匂いを欲しているから。」

[優]「ゾッとした。」

 とブラコン極めている。これが妹の同級生にバレたら、ワイ抹殺されるて。

[桜]「あ、あれの新刊届いた?」

[優]「これか?」

 ポストから取ったやつだが、梱包状態なので中身は知らない。ビニールを破いてみると…紳士諸君からすると、なんともおぞましい書籍が出てきた。

[優]「…なんやこれ?(汗)」

[桜]「“男子にも百合はいりますよ?”だけどなにか?」

[優]「いやタイトルは見りゃ分かる。内容なんぞや…?」

[桜]「えっと確か、中学2年の主人公が男子の先輩と…」

[優]「あ、もういいっす。あざっした。」

[桜]「にぃちゃんも読む?」

[優]「アホか…。(汗)」

 この腐女子っぷりよ…。いつからそうなったんや我が妹は…。

[桜]「もう…この本、まだ内容軽いほうだよ?これでうろたえてたら、私の推しの本読めないよ?」

[優]「いやだから読まんて。BL読む男子あまりおらんやろ。」

[桜]「まぁ私だって女子同士の本は読まないけど…。」

[優]「俺は読むけどな。」

[桜]「あれのどこが面白いの?」

[優]「似たようなもんだろ。」

[桜]「おま、薔薇と百合は全く違うからね?講義を開こうじゃないか。」

[優]「いらんいらん。」

 とどうにかならんものかと考えていると…

[雪]「ほらほら、口論はそこまで。」

 そこで姉である雪が会話を静止しに来た。

[優]「姉さんコイツまたBL買ったらしいんだよ…。」

[雪]「優だって百合の本を買ってるじゃん。」

 そして我が姉は、天文学的な熱弁をする。

[雪]「読むんだったら(放送規制)の本でしょ!!あれ以上の刺激中々ない!」

 我々兄妹は硬直ダメージを食らった。

[優](いや…仮にも女の子でしょ姉上…。)

[桜](にいちゃん、いつものことじゃないか…。)

 そう目線で相槌を打つ俺らは冷えた視線で姉えを見る。ドヤ顔の姉には効かなかった模様。そんくらい気づいてくれや…不審者兼姉上。この家には変態しかいないのか…?


 自分の部屋でカタカタとパソコンをイジる俺。今の世の中、課題の提出がデジタルなんたらで、課題自体がパソコンのウェブサイトにあるのだ。

[優]「…わっかんねぇ。」

 と愚痴をこぼす日々。そして何故か妹がゲームしながらゴロゴロしている。ここ俺の部屋やぞ。

[優]「ゲームするならせめて別の部屋でやってくれ。」

[桜]「ここ涼しいし、飲み物あるもん。」

 俺の部屋には、小型冷蔵庫がある。そこに俺の買ったジュースがあるのだ。一応言おう。ここはネカフェちゃうし、そもそも俺のジュースだし。とか考えていたら課題を終わらせた。

[優]「…ふわあぁ。」

 あくびが出る。体がガタついている。

[桜]「疲れてるの?」

[優]「高校…の授業…は…舐めちゃ…あかんて…。」

 俺はその発声を最後にベッドで眠りに落ちた。ちなみにその後、妹にしっかり抱き枕にされていた。くそ寝苦しかった記憶だけはある。


 No.6  品川 桜[魔法レベル7]

 優の妹。学校で大人気の女子中学生だが、その素性は腐女子。同級生の間でも、一部はそのことに知ってるどころか、仲間すらいるという。魔法は兄とは比べ物にならない程多様に扱える。この点は母親譲りとのこと。超がつくほどのブラコン。


 No.7  品川 雪[魔法レベル4]

 品川家の長女。基本的に優と桜、そして雪の3人暮らしで大学生でありながらバイトしている。(両親から3人で事足りるレベルの生活仕送りはあるが、趣味で使う金がかなり多いため。)お子様には見せられない、ちょっとアレな本を見ることが幼い頃からのヤベェ趣味。この本がBANされるとしたら多分[私がやりました]となる。私はそう予想してる。賭けないけど。

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