第2話 誕生日パーティー
ここは研究所に併設(へいせつ)された住居(じゅうきょ)、
研究が終わったら、つくねとこつぶ助手達はここでくつろいでゲームなどをして遊んでいるようだ。
今は12/13の夜中、そろそろ日が変わりそうな時間である。
今日もつくねとこつぶ助手がゲームで遊んでいると急につくねが騒ぎ出した。
「あれ?!スマホがないのだ!皆!私のスマホ知らないのだ〜?」
「え?しらないよ?(キョロキョロ)」
「ど、どこかなぁ(白目)」
「あー、、、たしか、研究所にあった気がするよ?(しどろもどろ)」
なんとも下手な演技である。
だがそんな演技にも気が付かないつくねちゃんは
「あー、置きっぱなしにしてたのだかー、ちょっと取ってくるのだ」
と研究所の方に一人で歩いて行ったのだった
つくねが見えなくなるとこつぶ助手達は
急いで行動を開始した。
ピッ!「こちらα(アルファ)、スマホ誘導作戦成功、どうぞ!」
ピッ!「こちらβ(ベータ)、ラジャ!αチームは速やかに次の配置につけ!どうぞ!」
ピッ!「こちらα(アルファ)、了解した!」
こつぶ助手たち、ノリノリである。
住居にいたこつぶ助手たちはつくねにバレないように別のルートで研究所に向かっていった。
〜つくね研究所内実験室〜
つくねが実験室に到着すると真っ暗で、中の様子が見えないほどであった。
「うぅ、、、真っ暗やだなぁ、でもスマホ取りに行かないと駄目だしなぁ、電気電気」
カチカチ
「あれ?」
カチカチカチカチ
「つかないのだ、壊れたのだか?」
ガタン!「ひっ!!」
「な、なんの音なのだか?!誰かいるのだか!!!」
つくねは急に怪音がしたことにビビって叫びだした
「す、スマホはもういいのだ!もう部屋に戻ってこつぶに取りに行かせるのだ!!」
と踵(きびす)を返して廊下を走りだした。
「ま、まずい、つくねちゃんが帰っちゃうぞ」
と実験室内がざわめいた
その声がボソボソと聞こえたつくねは余計にパニックになり猛ダッシュし始めた。
「ぎゃー!!!もう嫌なのだー!!」
タタタッ!曲がり角に差し掛かったところで、
「つくねちゃんびっくりするかな?www」
とαチームの助手たちが話しながら歩いていると
ドン!と、つくねと助手が衝突(しょうとつ)してしまった。
「イテテテ、あれ?つくねちゃんがなんでこっちにむかってるの?」
と、ぶつかった助手が尻餅をつきながら口にすると
「ぎゃーーーー!!!いやーーー!!!」
とパニック状態のつくねはまた逆方向に走り出し、
実験室に入っていった。
実験室は真っ暗だったが、今度は入った瞬間に電気がパッとひかり
パン!パン!パン!
「つくねちゃん誕生日おめでとー」という声とともにクラッカーが鳴り響いた。
あまりにも大きな音だったのでつくね立ち止まり、
ペタンっと床にすわりこんだ。
虚ろな目でこつぶ達を眺めながら数秒間微動だにもしなかった、
「・・・ふぇ」
「ん?ふえ?」
「ふぇぇえええん!怖かったのだ〜!(号泣)」
「あわわわわわ」
想定外につくねちゃんを泣かしてしまったこつぶ助手達は大慌て、あの手この手で泣き止ませようとする。
「大丈夫大丈夫コーラ飲もうねー、キュリオスだよー」
「もう怖くないでちゅよ〜、ガラガラで遊ぶ?(ガラガラ)」
「ほーら、つくねちゃんが好きな土下座だよー、なんなら焼き土下座もするよー」
と、訳のわからないなぐさめをするが
「ふぇえええ〜」
とまだ泣き止まない
「しょうがない、こうなったら俺のケツだけ星人で、、、」
「「「いや、それは、やめろ」」」
「ふ、ふふふ、あははは、なんでそこだけ揃うのだ!あはははは(笑)」
最後のツッコミがツボに入ったのかやっと笑い始めた。
「ふぅやっと、泣き止んだか。。。」
こつぶ助手はほっとひと安心、胸をなでおろした。
「あー笑った、笑った、とーこーろーでー?これは一体何なのだか?!」
「いや、違うんだよ俺たちはただ祝おうと思っただけなのに、つくねちゃんが勝手に怖がるから。。。」
「うるさーい!!私は怖いのが、大の苦手なのわかってるでしょ?!」
「「「すみませんでした」」」
こつぶ助手は少し理不尽さを感じつつも泣かせてしまった負い目からつくねのお説教を素直に聞くのであった
「・・・(中略)・・・、だから私はすご~いのだから、もっと敬うべきだと思うのだ!」
と、長々と説教が続いてるが、
「はいはい、そうだね、つくねちゃん凄いね。」
「説教してるつくね氏もなかなかwww」
「おーい、コーラとお菓子用意できたー?みんなに渡ってる〜?」
「で、これは読めるかな?【生誕】」
途中からほぼ話しを聞いていないのだった
「はぁお前は。。。もういいや、で?パーティーしてくれるのだか?」
話つかれて説教するのもめんどくさくなって来たつくねは、気がつけば怒りもどこかに行ってしまった。
「うんうん、さぁコーラもって!お菓子もいっぱいあるよ!」
たしかによく見ると実験室は飾り付けられ、こつぶ助手達はパーティー帽をかぶってクラッカーをもっている。準備万端である。
「改めて、誕生日おめでと〜!!」
パン!パン!パン!
「あ、ありがとうなのだ〜!!」
さっきまでのいざこざなど何処へやら、誕生日パーティーを全力で楽しもうと決めたつくねであった
「よーし、今日は朝まで遊び倒すのだ!みんな付き合えよ!」
「え?いや、朝までは体がちょっと」
「仕事あるしなぁ」
「あ、ランニングの時間だわ」
「14歳夜ふかしはあかんわ」
と、口々にお断りを入れてくる。
誕生日パーティーの準備を入念にしておきながらこのセリフ、とんだツンデレである。
「お前らな〜!!どっちなんだよ!(笑)」
と笑いながら文句を言いつつ、
眠くなるまで皆で遊び倒すのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます