049 その向日葵は黄金に移ろう②
「……いつも私の´
……
それはそれぞれが形を
「このお話の最後はいったいどうなるんだろう? 物語の主人公はあの人に会えたのかな? ……いくら私が思っても、本当の最後は分からず終い。それが私の´
どんな悲しいお話でも、最後は誰かが必ず幸せになれる……そんなラスト、とっても
それはドール達が最後に残すような
「私一人だったら、きっといつもみたいに途中で読むのを
……あなたがいてくれたおかげよ、リリー」
そう言って
すぐ横の窓を叩く雨音が強くなっていくなか、ぼんやりと明るいその場所に……まるで、
「ねえ、リリー……最初に会った時みたいに…………もう一度、してほしいな……」
「うん……いいよ」
「えへへ、なんだか……ちょっぴり
口ではそうといいつつも、どことなく嬉しそうな様子で
「……大丈夫、もう一人じゃないよ」
言葉を聞いて、再び、嬉しそうに笑う
そんな彼女の姿を少女は自身の胸へ優しく
「…………。……ありがとう、リリー」
~~~~~~~~~~
「━━ん? 誰だ? 誰かいるのか……?」
…………。
「……おい! お前、そこで何してる!」
「なんだよ、
「ちょっとアンタ!
何を
私はずっとこの場所にいたのに。
そんな場所でいつものように壁にもたれかかり、床に腰を落とし、手にした本を静かに
ドタドタ、ドカドカ。
数名の男女がそう音を立てながらいきなり入ってくるなり、読書の
「おい、何とか言ったらどうなんだ!」
「あ……ぅ……」
「……なんだコイツ、まともに
その内の一人。体が大きく、
「うぅ……」
「ったく……
必死に腕を振りほどこうとするも、
「━━しばらくここにでも入ってろ!」
〈ガタン!!〉
必要以上に大きな音を立てて閉められた目の前の
その振動で部屋は
「…………」
……どれだけの時間が
長かったのかもしれないし、短かったのかもしれない。
「…………」
どうにかこうにか腰を下ろせた場所。そこで、私がただただ
〈ドタドタドタ〉
そして
「おい! さっさと出ろ!!」
より
「……彼女ですか?」
「ええ、勝手に
「ふむ…………分かりました。さあ、来なさい」
「ぁ……う……」
私が何をしたというのだろう?
私はただ、
……
そこに乱暴さという物は
━━やがて
そんな事を数えるのにも
「つらい思いをさせてしまいましたね……ですが、もう安心ですよ。さあ、私と共に行きましょう?」
━━それなりの距離、それなりの時間。
長い事を馬車に
やっとのことで馬がその
それは、とても
「ここで少し待っていて下さいね。すぐに戻りますので」
修道服の女性はそう言うと私をその建物の入口付近で待たせ、近くにある
……今なら逃げられるかも。
私は走った。ただひたすらに走った。
私を見つめる周りからの視線が怖い。
走る。走る。
息が切れるまで走り続け、
「あ……」
その場所は、無数の本棚がこれでもかと立ち並び。
見渡す限りの、
「あぁ……」
話し声を
周囲に誰もいない事を確認してから、
ここなら誰にも見つからない。ここなら
自分に言い聞かせ、必死に心を落ち着かせようとしていると……
「ん、しょ。よい……しょ」
小さな声と共に、
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