045 小さき者のとある昼下がり
よう、俺はロッコ!
今は大図書館二階の、太陽の光が良く当たるお気に入りの場所で
へへ、いいだろ? この
時間的にはついさっき昼のお
ん? 誰に言ってるのかって? そりゃあ……聞いてるかもしれない誰かに、だよ。
…………よし、待たせたな。
ご
ん? 今度はなんだよ。
……いつも一緒にいる女の子はどうしたって?
ああ、リリーならすぐそこの机の上に新しく入ってきたっていう本を
それこそ、穴が開くんじゃないかってくらいには同じカッコのままで見続けてるね。
さて……おっと、いけね!
首に巻いたバンダナの位置が良くないな……
(くいっくいっ)
そうそう、シスターの姉ちゃんもそうなんだが……
俺達が見た
なのに、俺が動くという事に
…………。まあ、俺の思い
(くいくいっ)
……ふう。んー……まあ、こんなもんだろ。
さあて。
よい……しょっと。
へへん! このくらいの高さなら、もう飛び降りるのも手慣れたもんだぜ!
んー、でもそうだな。
あんまり離れるのもあれだし、とりあえずは今いる大図書館でも少し´ぶらぶら´してみるか。
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こうして自分の足で動き回ってみるとさ、意外と世界ってヤツはいつもと違って見えてくるんだよな。
はぁ……なんだか、すっごくソンしてる気分だぜ。
それに……い、いつもは感じなかったが……はぁはぁ。いざ、こうやって好き勝手に歩いてみると……け、結構な広さを感じるな……
そもそもとして、頭を常に上げて歩いていないと周囲の
一階に続く階段に
くぅ、今だけはこのフワフワな両腕が
…………。仕方ない、そろそろ戻るか。
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……おっ?
戻ってきたら戻ってきたで……どうやら、俺が居なくなった事にちょうどリリーの方も気付いたみたいだ。
ほら、見て分かるだろ? ほんっと、俺が
「おーい、リ━━」
いや……待てよ? いつも一緒だからな……こんな機会は
このままここにある本棚の
よしよし、そうと決まればコッソリ……バレないように…………
「……? (きょろきょろ) ……ロッコ? どこ? …………ロッコ?」
さすがに、今まで自分が
リリー……本……机…………う゛っ。今
はぁはぁ……よ、よし、気を取り直して続けるぜ……
「…………。……?」
うんうん、
……ああ、なるほど。今度は違う方向から
「ロッコ、どこ……? (きょろきょろ) ロッコ……。…………」
お、リリーの動きが止まったみたいだ。
…………。
「━━どうしたんだよ、リリー。本はもういいのか?」
「……! ロッコ!!」
「お、おい……そんな強く抱きしめなくても……」
ふう。
ったく、あんな顔されちゃあ……また離れるワケにはいかないよな。
……え? 自由の
それは……まあ、もうしばらく後にするさ。
「なあリリー、見ていた本にはどんな事が書いてあったんだ?
そのうち、気が向いたらな。
「うん! えっと……こっちの図鑑にはね━━」
……うん、気が向いたら。
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